この記事では、2021年5月12日~6月6日、「有楽町micro FOOD & IDEA MARKET」にて開催された「五感で感じるタロットの世界」展をご紹介します。
トランプ・タロットの取り扱い数が世界No.1の「ニチユー株式会社」さんが主催するということで、多くのタロットファンも大注目だったこのイベント。
タロットパレットからも、ライターの二橋彩乃が取材に行ってきました。
約350種類ものタロットが並び、お客様でにぎわう会場の熱量にドキドキしながら、ニチユーさんに突撃インタビューを敢行!展示の見どころや、ニチユーさんがこの展示にかけた思い、タロットを通して伝えたいことなど、貴重なお話をじっくり伺えましたよ♪
どんなイベントなのか、とっても楽しみだね!
Contents
20年で2000回開催されてきた「世界のトランプ・タロット」展
ニチユーさんは2021年で、創業75年。タロットはもちろん、トランプやチェス、バックギャモンやボードゲームのほか、伝統ある英国ブランドの万年筆なども取り扱う会社です。
1974年に日本初となるタロットカードの輸入販売を開始し、現在ではトランプ・タロットのコレクション保有率がなんと世界No.1! タロットカードだけで約3000種類も取り扱っているとのことで、読者の中にも、ニチユーさんのタロットカードを持っている人も多いのでは?
さらに近年では、海外からの輸入商品に加え、オリジナル商品の開発にも力を入れているとのこと。
そんなニチユーさんは、約20年間にわたって毎年全国各地の書店にて「世界のトランプ・タロット展」を開催してきました。各会場では、約100〜250種類ほどのカードが展示販売され、1か月〜1か月半の会期中には各地からタロットファンが詰めかけます。
今回「有楽町micro FOOD & IDEA MARKET」にて開催された「五感で感じるタロットの世界」展も、この「世界のトランプ・タロット展」の一つ。でも、これまでのように書店での開催ではなく、ニチユーさんが直接運営するという点で、スペシャルな会場のようです。
さっそく、展示の「見どころポイント」を詳しくお伝えします♪
「五感で感じる」テーマならでは!展示の見どころポイント5つ
見どころポイント①ここでしか見られない貴重で美しいタロットの展示
最初の「見どころポイント①」は、通常の書店での開催時には見られない、貴重で美しいタロットに出会えること。会場には、現存する世界最古のタロットカードとして有名な「ヴィスコンティ・スフォルツァ版」(復刻版)のカードが飾られていました。ガラスケースと金縁の額装に展示される様子は、まさに芸術品。つい魅入ってしまいます。
展示の説明パネルによると、「ヴィスコンティ・スフォルツァ版」とは、1460年頃にミラノ公爵のフランチェスコ・スフォルツァが、画家ボニファキオ・ベンボ(アントニオ・シコグナの説もあり)に命じて作らせたカードとのこと。ヴィスコンティ家が贈答品として送っていたとされます。
現在のスタンダードなタロットとはデザインが異なり、また発見当初、悪魔や塔のカードがなく、紛失か最初から作られなかったのかは不明だそう。
そんな貴重で美しいヴィスコンティ版の展示スペースでは、足を止めてじっとカードを見つめる人も多く、ニチユーさんのスタッフがコンシェルジュとして、丁寧に説明をしている姿が印象的でした。
続いてファンも多い「マルセイユ版」のコーナーへ。イタリアの研究者たちが復刻したカードなど、さまざまなメーカーのカードがずらりと並ぶ様はまさにファン垂涎!世界中でもこれだけ「マルセイユ版」が一堂に会することはないのでは?
タロットパレットでは「ウェイト版」がおなじみですが、「ウェイト版」でタロットの世界に入った人が、学びを深め、次に選ぶのが「マルセイユ版」というケースも多いですよね。
会場で展示販売されている「マルセイユ版」はそれぞれ、構図や人物の目線、絵柄の向きなど、細かなデザインの違いがあり、お気に入りを見つけるのが楽しそうです。占いだけではなく、アート作品として愛好するクリエイターが多いのも納得です。
ニチユーさんでも7月下旬頃に「マルセイユ版」のオリジナル商品を発売する予定だそうですよ♪
「マルセイユ版」と「ウェイト版」の違いが気になった人はコチラも読んでみてね!
見どころポイント②約350種類ものタロットカードに出会える
次に「見どころポイント②」は、なんと言っても展示販売されているタロットカードの種類の多さです。今回の会場「有楽町micro FOOD & IDEA MARKET」では、その数、実に約350種類!これだけの種類のタロットカードを一度に見られる機会はなかなかありません。
絵柄やテイスト、大きさも異なるさまざまなメーカーのタロットカードがずらりと取り揃えられている光景は圧巻です。会期中は連日、さまざまなタロットカードを手に取り比べながら何時間も滞在する人もいるそう。
ニチユーさんによると、「お客様に『どんなものを選んだらいいの?』とよく聞かれますが、読み解くイメージがしやすいものを、とお伝えしています」とのこと。豊富な種類から自分だけのお気に入りをじっくり探せるのがうれしいですね♪
さらに、ニチユーさんはタロットカードだけで約3000種類も取り扱っているため、商品が置かれた棚の手前には、厚い商品のカタログ帳が何冊も用意されていました。商品を手に取りながら、このカタログ帳をじっくり見ていく人が多いようです。
またタロット占いの解説書や占いの雑誌など、厳選された書籍が並び、タロットカードと一緒に購入していく人も。
どっぷりタロットの世界に浸れる空間になっているんだね〜!
見どころポイント③素敵な空間と存在感を放つタロットのタペストリー
次に「見どころポイント③」は、開放的で好奇心をくすぐられるような素敵な空間と、その中心で存在感を放つタロットのタペストリーです。
今回、会場となった「有楽町micro FOOD & IDEA MARKET」は、「好奇心が交差する場所」というコンセプトを掲げている複合型店舗。丸の内仲通り沿いで、さまざまな人・アイデア・文化・食に出会える多機能型市場として、2019年にオープンしました。
場所がら、仕事で忙しく丸の内を行き交う人や、ふらっとランチに訪れる人など、普段はタロットに触れる機会がない人にとっても、今回の展示ではワクワクするようなタロットとの出会いを果たした人が多そうです。
丸の内仲通りからお店の中をのぞくだけで目に飛び込んでくるタロットカードのタペストリーにも、好奇心や興味を引かれます。これはニチユーさんがこの会場の展示のためだけに特別に制作したもので(非売品)、どのカードで制作するのかはとても悩んだそうです。
見どころポイント④カードやクロスなど「ニチユーオリジナル商品」
次に「見どころポイント④」は、ニチユーさんのオリジナル商品たちです。「ウェイト版」をベースに、愚者や魔術師などが色鮮やかな鳥たちで描かれた「鳥タロット」は大人気商品の一つ。かわいらしい絵柄に癒されながらタロット占いを楽しめそうですね♪
また日本を代表する漫画家、手塚治虫氏の生誕90周年記念グッズとして作られたタロットカードも。例えば「戦車」には「鉄腕アトム」が、「死神」には「ブラック・ジャック」が、なんと描き下ろしで描かれています!タロットの視点からキャラクターを解説した専用解説ブックや、生誕90周年記念ロゴがプリントされたポーチもついたセットです。
さらに、くるくる丸めて持ち運べるタロットクロスや、専用の収納ポーチも見せていただきました。特にタロットクロスは、普段から占う方も使いやすそうな手触りの良さがタロット想いです!
ニチユーさんでは絵を描く喜びや創作活動を支援したいという気持ちから、イラストレーターやアーティストなどとコラボしてタロットカードの開発や制作をされているようです。紙質などの品質に徹底的にこだわり、独自の販売網も生かして作るオリジナル商品に、今後も注目したいですね♪
「ウェイト版」がベースならわたしも占えそう♪
見どころポイント⑤タロットカードで決める「タロットランチ」に舌鼓♪
最後に「見どころポイント⑤」は、期間限定で提供された、タロットでメニューが決まる「タロットカードプレート(デリ3種/¥1,300)」です。シャッフルされたタロットカードから好きなカードを3枚引くと、それぞれのカードに対応する3つのデリがワンプレートに。これが「あなたの本日のラッキーデリ」です!
タロット占いでランチのメニューを決める提案は、この会場ならでは。「タロットカードプレート」を選んだ人はラッキーカードも1枚もらえるという、うれしいお土産つき。SNSでも話題を呼んでいました!
まさに「五感で楽しむ」ために、会場のあちらこちらでワクワクするような仕掛けが盛りだくさんでした。
タロットカードは自分と深い対話をするためのツール
ここからは、ニチユーさんの代表・佐藤さんに、今回の展示に込めた思いやタロットを通して伝えたいことについて、さらに深く聞いてみました。
もっと日常的にタロットを楽しんで活用してほしい
ーーー展示をじっくり拝見しました。これだけ多くのタロットカードがそろっている光景も圧巻でしたが、目をキラキラさせながら見ている人が多くて、まさにこの会場のコンセプトの「好奇心が交差する場所」と今回のタロット展が、とてもマッチしていると感じました。
ありがとうございます。もともと弊社は1974年にタロットカードの取り扱いを始めましたが、当時はどこか怪しい、オカルト的なイメージが強くありました。そのようなイメージを払拭し、占い業界に携わる人だけでなく、より多くの方々に「日常的にタロットを楽しんでもらいたい」との想いで、タロット展を開催してきました。
今回の会場では有楽町という場所柄か、初めてタロットに触れる方も多かったようで、とてもうれしく思います。
ーーー展示を通してタロットと人との素敵な出会いをたくさんプロデュースされてきたのですね。「日常的にタロットを楽しんでもらいたい」というのは、タロットパレットでも大切にしている価値観です。
私は、タロットカードを「自分と向き合う、対話をするためのツールの一つ」として考えています。人生において重要なことは、自分と対話し、自己を認識して、勇気を持って前に進むこと。そんな自己を知るために、タロットを活用してほしいんです。
人によっては、それがタロットではなくて、セラピーや旅などいろいろあると思いますが、タロットも人生を見つめるきっかけをくれるものです。
誰しもが日々、仕事や子育てなど時間に追われていますが、タロットを通して、自分と対話する時間を持ち、見えない世界への理解をもっと深めてもらえたらと思っています。
コロナ禍の今だからこそ「五感で感じる」タロット展を開催する
ーーー特に今はコロナ禍で、自分の人生を見つめ直す人が増えていますよね。
先の見えない状況に、皆、不安を抱えています。感じることに鈍感になって感受性をシャットダウンし、頭だけで考えてしまいがちです。
特に対面ではなくリモートの環境が続くと、相手や場のエネルギー、オーラを感じる力は鈍っていきますよね。そんな今だからこそ、考えるより感じる力が大切で、タロットカードはそういう「感じる力」を豊かにしてくれるツールの一つだと思っています。
ーーー今回のタロット展の「五感で感じる」というテーマも、そんな「感じる力」を大切にしてほしいという意図からということですね。
そうです。よくタロット入門者が「タロットは難しい」というイメージを持っていて、始めることを躊躇したり、書籍と一緒にカードを購入して、一生懸命「意味」から覚えようとしたりします。でも、まずはタロットを感じてもらう「感性」のほうが重要です。1枚引きでも良いですし、タロットのエネルギーを感じて、まずは友達になってもらいたいなと思っています。
ーーー確かに効率や便利さに偏りすぎた環境に慣らされていると、自分の感性や思考が停止してしまいがちですよね。私も、タロット占いで引いたカードから、「結果の良し悪し」ではなく、まずは「自分が何を感じるか」を大切にしていきたいと思います。
それはとても重要ですね。善悪などの二元論ではなく、東洋と西洋、科学と精神、心と身体、仕事とプライベート…、今、いろいろなものがゆらいでいます。このゆらぎの中で戸惑いながらも前に進むことだけが真理であって、大切なこと。それをタロットでサポートしていきたいと思っています。
皆が、魂に基づいた生き方をすれば争いのない世界が作れます。そういう世界を作るための手段として、これからもタロットを作っていこうと思っています。
「世界のトランプ・タロット」展でタロットに触れてみよう♪
インタビューを通して、ニチユーさんが「魂と出会うための人生を生きるきっかけ」としてタロットを捉え、深い哲学を持って多くの人とタロットとの出会いの場を演出してきたことに感銘を受けました。
「世界のトランプ・タロット展」の全国の開催場所はコチラです。
ぜひお近くの会場に足を運んでみてはいかがでしょうか。
また、ニチユーさん直営のオンラインストア「PENTACLE」はコチラへ♪タロット関連商品の取り扱い数が世界最大規模なので、気になるタロットカードに出会えそうですね!
有楽町micro FOOD&IDEA MARKET
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