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【カップのキング】小アルカナ|絵柄の意味・世界観
目に見えない感情や、思いを大切にしてくれる王様。彼が手にしている大きなカップは、懐の深さを象徴しているかのよう。慈悲深い優しい瞳に見つめられると、人には言えない感情も打ち明けられそうな気がしてきませんか?
絵柄の意味 | 解説 |
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テーマ | 寛大で包容力がある |
海に浮かぶ玉座 | 海に浮かぶ玉座は、海の雄大なうねりを楽しんでいるかのよう。遊び心や想像力の象徴。 |
跳ねるイルカ・海を漂う赤い船 | 悠々と座る王とは違い、海上では様々なことが起こっています。周囲の状況を気にせず、マイペースな様子の現れです。 |
大きなカップ・短い笏 | 手に持っている大きなカップは、懐の深さのを表しています。短い笏は彼が傾聴深い聖職者であることの象徴です。 |
魚の首飾り | 「キリストの神秘」を象徴する魚の首飾りは、慈悲深さや信仰心を表しています。 |
小アルカナ【カップのキング】の物語
入れ物によって形を変えるカップの物語は、人間の感情を強く表しています。喜び、悲しみ、愛情など、さまざまな感情を司るカップのリーダーである王は、思いやりが深くて温厚な男性。どんな悩みも聞いてくれそうな、カウンセラーのようですね。
王様は火のエネルギーを持っているのが特徴。水は火にかけると、いずれ沸騰してお湯になります。水と火の性質を併せ持つカップの王は、論理的思考よりも、「好き」「嫌い」で動く感情的な面も持ち合わせています。温厚な反面、感情的にふるまう一面も持ち合わせている彼は、非常に人間的であると言えるかもしれません。
また、ゆらゆらと水面に浮かぶ玉座を楽しむ「遊び心」を持った、子供っぽい一面があるのも特徴のひとつ。やってみたい! という強い好奇心で、何事にもマイペースに取り組むことができるので、周囲の人をアッと驚かせるような発想や、芸術的な能力を開花させる可能性を秘めています。
【カップのキング】小アルカナ|正位置の解釈
- 全体
既成概念にとらわれず、流動的に自由な発想を働かせて、成功を手にすることができそうです。心に余裕を持ち、どんなことにも寛大に取り組むことを忘れずにいれば、物事は流れるようにうまくいくかもしれません。
ですが、何でもかんでも受け入れようとすると、手が回らなくなってしまう可能性があります。今、何が一番大切なのか、心の声に耳を傾けて、必要なことから取り組んでいくことが大切です。
- 恋愛
まるで、幼い頃から一緒にいる家族のような、安心感に包まれています。お互いのことを深く理解し、分かり合える関係を築くことができそうです。お互いのことを「理解しよう」と頭で考えるのではなく、二人を包む空気感をじっくり味わってみれば、どんなことも一緒に解決していけそうです。
- 仕事、金運
これまで思いもしなかったような発想がパッと頭に浮かんでくるかも。それは、もしかすると「こんなことできない」と思うようなことかもしれません。でも、自分のペースでじっくりと取り組めば、必ずうまくいきます。経験豊富な上司や、親身になって育ててきた後輩など、周囲に助けてくれる人も現れそう。リラックスして、自分らしさを大切に挑めば、望み通りの報酬を得られるチャンスにつながりますよ。
- 人間関係
これまで出会わなかったのが不思議なくらい、センスも完成もぴったり合う、よき理解者が現れるかもしれません。これまであまり人に理解されなかったことや、独りで取り組んでいた趣味について、周りの人に話してみると、意外な人が味方になってくれそうですよ。
【カップのキング】小アルカナ|逆位置の解釈
- 全体
火の要素が強く、感情的な部分が表に出てきてしまっているかもしれません。日によって意見が変わってしまったり、相手によって態度を変えたりと、水に浮かぶ笹船のように方向性が定まらない様子です。
周囲の意見を聞き、参考にするのはとても良いこと。ですが、最終的に方向性を決めるのは自分自身だということを忘れないでくださいね。深呼吸をして、優しい心で辺りを見回してみると、少し気持ちが落ち着くかもしれませんよ。
- 恋愛
さっきまで楽しく過ごしていたかと思えば、次の瞬間には相手を疑ってしまうような、ゆらゆらと揺れる水面のように、不安定な状況がうかがえます。隠しごとがあったり、相手に対して疑念を抱いているのなら、じっくりと話し合ってみましょう。自分に嘘をつかず、相手と真摯に向き合うことで、二人はより親密な関係になれそうです。
- 仕事、金運
「楽な方へと流れていきたい」という気持ちが強いのかもしれません。おいしい話が目の前にぶら下がっていても、決してすぐに手を出さないで。善悪の判断を失わないように注意が必要です。また、自分の利益だけを考えて行動すると、人からの信頼を失ってしまうかも。全体にとって良いこと、利益になることは何か考えて行動してみると、周囲の人があなたを助けてくれそうです。
- 人間関係
意見がコロコロと変わってしまって、周りの人を困惑させているかもしれません。自分の中では筋の通った一貫性のある発言でも、周囲の人は違う受け取り方をしているようです。「きっと分かってくれる」と、相手の理解力に甘えずに、しっかりと言葉で伝えるようにしてみましょう。誤解を解こうと誠意をもって接すれば、関係性は以前よりもずっとよくなるはずです♪
【カップのキング】小アルカナ|アーサー・E・ウェイトの解釈
ウェイト氏は【カップのキング】の彼に対して「白い肌の男、実業家、あるいは聖職者を意味するもの」と述べています。ウェイト氏の言葉を象徴するように【カップのキング】の装飾品はキリストを思わせるものが多く存在しています。
左手に持った短い笏は、14世紀頃の教会で実際に使用されていた聖杯に非常によく似ているのが特徴です。また、魚はイエス・キリストを表すものであるとされていますが、【カップのキング】は、首に魚の首飾りを。足元から覗く靴は魚のうろこを模しているかのように見え、「聖職者を意味するもの」という言葉の意味がよく現われています。
また、背景に描かれているイルカは復活と救済、船は教会を意味していることから、【カップのキング】が宗教者・あるいは聖職者としての役割を担う王であることが伺えます。
そんな聖職者としての役割を担う王について、「質問者の願いを聞き入れる態度で、信頼できる」とウェイト氏も太鼓判を押しています。
四大元素の「水」を持つカップ。その頂点に君臨する王は、カバラの生命の樹において、水の中の火の王。流動的で優しいが、火をもってその感情を激しやすいのが特徴といえるでしょう。