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小アルカナ【ソード3】絵柄の意味・世界観
灰色の雲から降る強い雨の中で、ハートに3本の剣(ソード)が鋭く突き刺さっています。人物も景色も描かれておらず、ウェイト版タロットの中でも特に直接的なイメージの絵柄です。赤いハートは心や心臓を表し、そこに刺さる剣(ソード)によって傷つけられています。剣(ソード)は1本ではなく3本というところから、何か一つの出来事で傷つけられているわけではなく、複数の出来事で傷ついているのかもしれません。強い痛みを感じます。でも、痛みは成長につきもの。今、あなたが痛みを感じながらも、前に進もうとしていることは何ですか?
絵柄の意味 | 解説 |
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テーマ | 傷心 |
ソードの3 | ハートは心臓そのものを表します。剣(ソード)は情報や言葉、思考を表す「風」のエレメントに属します。3は、「3人寄れば文殊の知恵」という言葉の通り、1や2では生まれなかった「創造性」や「発展性」を表します。そこから、情報や思考が集まり発展していく中で、複雑に絡み合ってうまくいかず、傷ついた心を描いています。 |
灰色の雨雲と雨 | 垂れ込める雨雲や斜めに鋭く矢のように降る雨は、心が傷つき、涙を流していることを象徴しています。 |
赤いハート | 人間にとって最も大切な部位である心臓や心、感情や愛を象徴しています。 |
3本の剣(ソード) | 垂直に刺さる1本の剣(ソード)と、左右から斜めに刺さる2本の剣(ソード)が交差しています。簡単に抜き取るのが難しい状態、複雑に絡み合ってしまった状況などを表しています。 |
灰色(グレー) | 背景に大きく塗られた灰色(グレー)は、物事が発展するプロセスの段階で、まだ白か黒かはっきりしていない状態を示しています。 |
小アルカナ【ソード3】の物語
【ソード3】の「ソード」は、情報や言葉、思考など人間の知性を表す「風」のエレメントです。「3」は、男性と女性から新たな命が誕生したり、点と点をつなぐことで初めて「三角形」という「形」が生まれたりすることから、何かを生み出す創造力や、物事が発展していくことを表しています。
灰色の雨雲から降る雨を背景に、ハートに3本の剣(ソード)が刺さっています。人物や自然などは描かれていません。1人の人間も描かれていないのは、大アルカナの「運命の輪」や「月」のように、人間を超えた大きな存在がいることを暗示しています。そこから、もはや自分の力だけではどうしようもない存在からの働きかけによって、心にグサッと剣(ソード)が刺さり、深く傷つく様子が読み取れます。
例えば、突然の別れによる喪失感、相手に理解されないことへの憤りや苦痛、孤独感など、心が傷つき沈んでしまうほど強い痛みを表すカードです。でもそんな痛みも、人生では誰もが避けて通れないもの。人は悲しみを経験するほど、他の人への理解を深められ、人生の喜びもさらに感じられるようになります。このカードは、悲しみや痛みだけでなく、そこから立ち上がり、成長していくことの大切さも告げています。
小アルカナ【ソード3】正位置の解釈
- 全体
【ソード3】が正位置で出た場合、深く傷ついたり、悲しみを体験したりする可能性があります。生死に関わる重たい問題から、誤解や行き違いなど人間関係上のトラブルまで、何かつらい出来事に直面するかもしれません。でも、カードに人間が描かれていないことから、それは、誰か悪意のある特定の人によって引き起こされたような出来事ではなく、必然と、そうならざるを得なかったような出来事です。今は静かに悲しみを受け止めてみましょう。受け止めた後には、傷を癒す回復のプロセスが始まっていきますよ。
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- 恋愛
パートナーがいる人は、自分か相手か、どちらかの転勤や引っ越しで遠距離恋愛になる、どちらかに気になる人ができて心が離れるなど、ショックな展開を迎えるかもしれません。でも、環境の変化や心変わりは、自分ではどうしようもないものですよね。今は物事が変化していく過渡期ととらえて、悲観的になりすぎないでください。
パートナーを探している人や、気になる相手がいる人は、三角関係や不倫などに気をつけましょう。あらかじめ相手の素性をよく知る、軽はずみな行動は避けるなど、自分を守るための対策を立てて、トラブルに巻き込まれないようにしてくださいね。
- 恋愛
- 仕事、金運
職場でミスや失敗をする、上司や同僚、仕事の関係者と意見が分かれて対立するなど、難しい状況に直面するかもしれません。自分の言動で同僚を傷つけてしまう、単純な伝達ミスで取引先の信用を失ってしまうなどの可能性がありそうです。仕事へのモチベーションを失い、気持ちが沈んでしまうことも。でも、失敗は必ず糧になるもの。もう一段レベルアップするための経験だと捉えて、落ち込みすぎないでください。今はしっかり休んで疲れをとることが最優先です。失敗を取り返すチャンスは必ずまたきますよ。
金銭面ではお金を巡るトラブルに巻き込まれそうです。お財布を落としたり盗まれたりしないよう、しっかり管理してください。お金の貸し借りや投資は、今は控えたほうが良さそうです。
- 人間関係
グループやコミュニティの中で不協和音が聞こえてきそうです。剣(ソード)は言葉や思想を表すため、激しい言葉での言い争いや、考え方の違いによるケンカが起こり、相手を傷つけたり、傷つけられたりすることもあるかもしれません。疎外感を抱くかもしれませんが、時間が解決してくれることも多くあります。きつい言い方をしていないか、自分の言動を振り返ることは大切ですが、今は焦ったり悩んだりしすぎず、そっと静かに耐えましょう。分かり合えるタイミングはまたやってきます。
小アルカナ【ソード3】逆位置の解釈
- 全体
【ソード3】が逆位置で出た場合、精神的に不安定な状態になりそうです。ハートに刺さった剣(ソード)のダメージが大きく、悲観的に考えて悩みすぎてしまったり、心が乱れて何事にも集中できなかったりするかもしれません。仕事や恋愛に前向きになれなくても、これはもうワンランクあなたが成長する段階で起きやすい状況です。傷は必ず癒えていくことを信じて、回復への道を歩き始めましょう。痛みを経験したことで、もっとしなやかな強さを手に入れられるようになります。
- 恋愛
パートナーがいる人は、相手の浮気や心変わりなど、良くない妄想にとらわれて心が乱れてしまいそうです。もし、実際に別れや裏切りを経験したとしても、復縁を望むことでさらに傷つく可能性も。今は過剰に悲観的になったり、相手にすがったりせず、まずは大切なあなたを癒すことを最優先にしてくださいね。ゆっくり気持ちの整理をしてみると、心も落ち着いていきます。
パートナーを探している人は、傷つくことを恐れて心を閉ざしている状態のようです。過去の経験から、恋愛に対して前向きになれず、報われないという気持ちを持っている可能性も。心の痛みを長引かせるのは、過去へのこだわりや執着心かもしれません。まずは自分を癒しながら、不要なものを手放していくことで、未来は変わっていきますよ。
- 仕事、金運
関わっているプロジェクトが進まない、損益を出してしまうなど、厳しい状況に直面するかもしれません。誰かのせいにしたり、逆に誰かに責められたりするなど、争いごとも起きそうです。また会社自体の業績が落ち込み、減収や重労働など、働きにくい環境になる可能性も。混乱してしまいそうな事態ですが、まずはいったん受け入れてみましょう。試練は、乗り越えられる人にしか与えられません。落ち込みすぎず、状況を整理しながら進むことが大切です。
金銭面では、正位置よりさらにお金を巡るトラブルに要注意。もしお金を誰かに貸した場合は、返ってこない可能性も。また、傷ついた心につけ込まれて不必要なものを買ってしまわないように、お財布の紐は固く閉めておきましょう。
- 人間関係
あまり良く思っていない人からつきまとわれたり、付き合っていても疲れてしまうような関係性で悩むかもしれません。誰かに傷つけられたり、逆にあなたが誰かを傷つけてしまったりする可能性もあります。誰もが、心の中にはトラウマや傷を抱えているもの。でも、共感しすぎたり、一緒に傷つき悲しんだりするところから、もう一歩踏み出す勇気も必要です。苦しい関係を断ち切り、過去の傷を乗り越えた先に、あなたにとって、もっと居心地の良い関係が手に入るでしょう。
小アルカナ【ソード3】アーサー・E・ウェイトの解釈
雨模様の中、3本の剣(ソード)がハートに突き刺さるという直接的な絵柄は、タロットカードに親しみのない人にとっても、とてもショッキングです。「失恋」や「傷心」などの言葉が思い浮かびやすく、わかりやすいメッセージ性があります。
ウェイト氏も【ソード3】については、正位置や逆位置の意味を列挙しながらも、他の意味としては、「このデザインが自然と意味するものがすべてである」「単純で明白だ」と述べています。特定の意味をさらに列挙するほどではなく、このカードのシンプルなデザインとイメージから簡単に想像できると解説しています。
正位置で列挙されている意味は、除去、不在、遅延、分裂、破裂、分散などです。逆位置では、精神的疎外、エラー、喪失感、動揺、無秩序、混乱などの意味が列挙されています。いずれも、何か大切なものを失って胸が張り裂けそうな思いをしたり、誰かを傷つけたり傷つけられたり、関係性が崩れてバラバラになったりしそうです。あまり良い印象ではないかもしれません。
どんなに願っても、人生では避けられない試練や逆境があります。でも、痛みを知り、悲しい出来事をバネにすることで、精神的な成長を遂げることができ、他の人への理解も深まります。このカードは悲しいことが起こることへの注意を呼びかけながらも、痛みをただ避けるだけではなく、それを心の奥深くで受け止めることで、回復や成長へとつなげていくことの素晴らしさを伝えています。