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小アルカナ【ソード7】絵柄の意味・世界観
赤い帽子と赤い靴が印象的な男性が、大きな剣(ソード)を抱えて立ち去っていきます。男性の歩き方は、まるで泥棒のような「抜き足差し足忍び足」。男性は剣を2本だけ残し、残りの5本を抱えています。どうやら剣をこっそり奪っていく様子。他に人物は描かれておらず、まだ誰も男性の行為には気づいていないようです。男性の目線は背後を、足は前を向いています。このように不自然にねじれた体は、裏と表、本音と建前などを表しています。あなたは今、内面と外面を使い分け、策略を練って何かを進めようとしていませんか?
絵柄の意味 | 解説 |
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テーマ | 機転 |
ソードの7 | 剣(ソード)は情報や言葉、思考を表す「風」のエレメントに属します。7は、創造や発展を表す「3」と、安定を表す「4」を足した数字です。7は、安定した基礎の上だからこそ広がる創造性によって「飛躍」「向上」「探求」していくことを示します。 ソード7では、剣という言葉や思考を使いこなせる域に達した人物が、テント(野営地)にあえて剣を2本残し、5本のみ持ち去るという策略をめぐらせる姿が描かれています。 |
剣を持ち去る男性 | ニヤリとほくそ笑むような表情から、悪知恵を働かせていることがわかります。帽子や靴の赤色はワクワクした情熱を表します。足は泥棒のような「抜き足差し足忍び足」で、剣を盗むのが後ろめたい行いであることを示しています。目線は背後のテント(野営地)を、足は前を向いていることから、裏と表の使い分けが暗示されています。 |
テント(野営地) | 剣を持ち去る男性の敵陣と思われる野営地が広がっています。テントの外に人物は描かれておらず、男性が剣を盗む姿に誰も気づいていないことや、誰にも影響を与えていないことを示しています。 |
7本の剣(刺さった2本・男性の持つ5本) | 剣(ソード)は情報や言葉、思考を表します。7本のうちあえて2本を残し、5本を持ち去る男性は、彼が情報や思考の使い手であり、巧みな話術や要領の良さを持っていると考えられます。 |
背景の黄色 | 背景は「祝福」や「希望」を表す鮮やかな黄色で塗られています。剣を盗む男性の姿は一見ただの「泥棒」です。でも、男性の行いによって誰かが傷つけられている様子ではありません。男性の行い自体を批判している意図はないようです。 |
小アルカナ【ソード7】の物語
【ソード7】の「ソード」は、情報や言葉、思考など、人間の知性を表す「風」のエレメントに属しています。「7」は、安定を表す「4」に、創造や発展を表す「3」が加わった数字。安定した土台の上でこそ、豊かな創造性が発揮されます。7は、創造性をさらに「探求」し「向上」「飛躍」していくことを表します。【ソード7】では、言葉や思考など知性が向上し、知恵を操れるレベルであることを示しています。
【ソード7】は、ニヤリとした表情の男性が大きな剣(ソード)を抱えて立ち去っていく絵柄が印象的です。男性は敵陣のテント(野営地)をにらみつつ、足を忍ばせながら、要領良く剣を奪っていきます。7本のうち5本の剣のみ持ち去るのは、両手に抱えきれないからというより、あえて2本をカモフラージュとして残したか、とりあえず5本の剣を持ち去るだけで優位に立てることを理解しているか。そこには高度な策略があるようです。
敵陣の野営地が広がっていることから、戦争の最中なのかもしれません。情報や言葉、思考を表す剣による戦いは、口論や誹謗中傷、陰口、言葉による暴力などが考えられます。そんな中、戦いの武器となる剣を奪う男性は、相手の戦力を削ぐことができる、狡猾で戦い上手な人物でしょう。一方で、いつ見つかるともわからない大胆な行動に出るあたり、どこか浅はかさも感じられます。
このカードは、悪知恵を働かせたり策略を練ったりして、何かをごまかす、ルールを守らないなど「ちょっとした悪事」を示しています。後ろめたさを感じつつ、「このくらいなら大丈夫」と思って、ついやってしまうことはありませんか? 周囲に流されたり、本音と建前の使い分けをしなくてはならなかったりするシーンもありますよね。誰も傷つけなければ、大ごとにはならないかもしれません。でも自分自身だけはごまかせないことを、忘れないでいたいですね。
小アルカナ【ソード7】正位置の解釈
- 全体
【ソード7】が正位置で出た場合、仕事や恋愛など、さまざまな事柄において、正攻法ではないやり方で成功するかもしれません。本音と建前をうまく使い分けてトラブルを避けられたり、ちょっとした嘘をつくことでライバルより優位に立てたり。ひとまずその試みは成功しそうな予感です。でも、自分の良心や自尊心には反するかもしれません。目先の利益だけではなく、自分の心の声にも耳を傾けながら行動することも大切ですよ。
- 恋愛
パートナーがいる人は、不倫や略奪などにご用心。他の人に目移りしたり、相手を試すような言動で振り回したりして、恋の駆け引きを楽しんでいるのかもしれません。でも相手を大事に思う素直な気持ちを、思い出してみてください。駆け引きは2人の関係を盛り上げるために使いましょう。相手を傷つけるようなやり方では、自分の良心も傷つくことを忘れないで。
気になる人がいる場合、相手に近づくための計画は入念に。ライバルとの恋の勝負には勝てそうです。パートナーを探している人は、自分がどんな恋愛をしたいか、よく考えてみるタイミングかもしれません。行動に移すときは慎重に。
- 仕事、金運
要領よく仕事をこなして、成果を上げられそうです。機転を利かせ器用にふるまうあなたの姿に、周囲からの好感度はアップ。でも実際のところ、成果に結びついた要因は、周囲の協力のほか、裏のコネなど、あなたに策略があったからかも。実力以上に自分を大きく見せたり調子に乗ったりせず、慎重に仕事を進めましょう。
金銭面では、見栄をはるための浪費や、お金を得るための不正行為に誘惑されそうな暗示です。大きなトラブルにならないよう、お金に関わることには気を引き締めてくださいね。
- 人間関係
周囲とは穏やかで良い関係が築けそうです。仲良くやっていくためにサービストークをしたり、良い人を演じたりしているからかもしれません。深い信頼や熱い友情はなく、あくまでもうわべだけの関係性です。でも今はあなたもそれで良いと感じているようです。本音は隠し、人との関わりをうまくコントロールしている状態といえます。ただ行き過ぎて、二枚舌や偽善者などの悪評は立たないようにしましょう。
小アルカナ【ソード7】逆位置の解釈
- 全体
【ソード7】が逆位置で出た場合、誰かの卑怯な手段や策略にはまらないよう、アドバイスを与えてくれる人が現れる予感です。信頼していた人からの裏切りに気づけたり、嘘を見破れたり。トラブルを避けるためには、アドバイスを生かして予防策を立て、慎重に行動していきましょう。自分の身を守るには、正攻法ではない手段が必要なときもあるでしょう。事前の根回しや水面下での戦略が功を奏することもあります。
- 恋愛
パートナーがいる人は、今の恋に本気で向き合おうとしているようです。もし相手とのマンネリや心変わりなどに悩んでいる場合は、信用できる人に相談してみて。強い味方になって、良いアドバイスをくれる可能性があります。
パートナーを探している人は、相手の素性をよく確かめてから行動しましょう。不倫には要注意です。気になる人がいる場合は、正面からアタックせず、相手の友達と先に仲良くなるなどの根回しが効果的。衝動的な行動は控えて、まずは相手に近づくための計画を立ててみましょう。
- 仕事、金運
これまで私利私欲に走った行動をしてきた場合、それが露呈して批判を受ける可能性があります。また一匹狼のように単独で動いてきた場合も、行き詰まることに。今は周囲に頼り、協力者を募りましょう。助言から新しい視点を得られたり、一人でできなかったことがチームワークで成し遂げられたりしそうです。評価や喜びはみんなで分かち合いましょう。
金銭面では、正当ではない方法で得たお金がトラブルのもとに。周囲の反感には気をつけてください。お金の使い方はプロに相談するのも一つの手。良いアドバイスをもらえそうですよ。
- 人間関係
同僚や友達、家族など、周囲と穏やかに築いてきた関係に、ひびが入る可能性があります。隠してきた本音がバレてしまう、嘘や隠し事が露呈するなど、何かが明るみに出ることが原因のようです。素直に説明したり謝ったりすることで、ことなきを得るでしょう。また、親身に相談できるような人が現れるかもしれません。逆に、あなたが誰かの相談に乗ることも。うわべだけではない信頼関係が築けそうです。
小アルカナ【ソード7】アーサー・E・ウェイトの解釈
【ソード7】について、ウェイト氏は「素早く5本の剣を運び去る男がいる。他の2本の剣は地面に突き刺さったままだ」と描写しています。泥棒行為をしている男は、敵の発見が遅れるように、あえて2本の剣を残していくのかもしれません。もしくは、とりあえず5本の剣さえ奪えば事足りるとも解釈できます。続けて、ウェイト氏は「陣営が間近に迫っている」と描写しています。男性の泥棒行為が、実はとても大胆な行動であるとわかります。
【ソード7】では、背景に塗られた鮮やかな黄色が目を引き、一見、泥棒行為を描いたカードの内容にそぐわない明るさがあります。黄色は「祝福」や「希望」を表すことから、泥棒行為が祝福されているのかと疑いたくなります。でもそうではなく、泥棒行為は武器を奪うという狡猾な戦略ではあるものの、誰かを深く傷つけるほど重たい罪を犯していないからと考えられます。
ウェイト氏が正位置で列挙している意味は「計画、試み、願い、希望、自信、または口論、失敗するかもしれない計画、迷惑」です。策略が成功する場合も、失敗する場合もあるということですね。注目したいのは、その後ウェイト氏が「このカードの絵柄が示している意味は、それぞれ互いに大きく異なっているので、不確かなものである」と述べていること。周囲に出たカードや相談者の状況などから、この絵柄の解釈を自分なりに考える必要がありそうです。
【ソード7】の逆位置でウェイト氏は「良いアドバイス、助言、指示、中傷、喃語(なんご)」としています。喃語とは、ぺちゃくちゃしゃべることや、赤ちゃんの発する「あーあ」などの意味を伴わない言葉を指します。逆位置の場合、良い助言を与えてくれる人が現れ、誰かの策略にはまったり、自分の悪事が表に出ないよう対処できたりするかもしれません。でもやはり自分の行いについて、中傷や批判を受ける可能性も示されているようです。