Contents
小アルカナ【ソード2】絵柄の意味・世界観
目隠しをした女性が胸の前に剣(ソード)を交差させ、石のベンチに座っています。硬直した様子からは、誰も近寄らせず自分一人の世界にこもりたいという拒絶感と、ただ静かに深く集中したいという意志も受け取れます。凪いだ海と夜空に浮かぶ月は、女性の冷静な感情の状態も表しているようです。しかし、肩に置かれた剣は重く、腕の力だけでバランスをとる姿勢は、少し厳しそうな印象。今、あなたが内にこもり、バランスを取ろうとしていることは、何ですか?
絵柄の意味 | 解説 |
---|---|
テーマ | 均衡を保つ |
ソードの2 | 剣(ソード)は情報や言葉、思考を表す「風」のエレメントに属します。2は、1が分裂したあとに生まれる「調和」や「対立」など関係性を表します。そこから、目隠しをして情報や思考を遮断し、2本の重い剣、つまり知性によってバランスを取り、内面に集中して調和を保とうとする女性の姿が描かれています。 |
月 | 月は潜在意識や感情のほか、満ち欠けを繰り返すため、変化し続けるものや、時の移ろいも象徴しています。 |
グレー(灰色)の洋服 | グレーであるということは、まだ物事が発展途中の段階にあり、白か黒かはっきりしていない状態にあることを示しています。 |
海 | 「水」は心や感情を表すエレメントです。海は荒波も立っておらず静かに凪いでいる様子のため、女性が穏やかで冷静な感情の状態にあることを象徴しています。 |
海にある岩山と遠くの山 | ギザギザとした手前にある岩山は、現実の厳しさを象徴しています。遠くに見える山や陸地は目的地や目標を示しますが、行き方は示されていません。 |
小アルカナ【ソード2】の物語
【ソード2】の「ソード」は、情報や言葉、思考など人間の知性を表す「風」のエレメントに分類されます。「2」は、「二者択一」の言葉通り、2つのものの間に生まれる「調和」や「対立」などを象徴する数字で、「陰陽」など対極的な概念もイメージさせます。1つが分裂し2つとなることで、初めて物事に選択肢が生まれます。しかし同時に、情報が増えたことで、方向性に迷いが生じやすくなるともいえます。
目隠しをされた女性は、剣を下に置き、自ら目隠しを取ることもできますが、そうしていません。そこから、選択肢が増えたことで、あえて情報を遮断して心を閉ざし、内面の世界にこもって集中することで、重要な決断をしようとしている様子が描かれています。凪いだ海は、女性の穏やかで冷静な感情の状態を表します。2つの選択肢の間で揺れつつも、表面的には強い集中力で、選択の間の均衡を保っているのです。
しかし、目隠しをしていることで、目の前に近づいてくる相手がいれば、それが誰かを確かめずに剣を振るうことができます。またバランスを崩して後ろの海の中へ簡単に落ちてしまいそうです。長い剣を支える厳しい姿勢を長く保つのは、至難の技なのです。今、剣を振るうタイミングなのかどうか、判断を保留にしながら、この後の出方を真剣に考えていることを示しています。
小アルカナ【ソード2】正位置の解釈
- 全体
【ソード2】が正位置で出た場合、表面的には、周囲や状況に合わせた言動をとっているため、穏やかな協力関係や、平和な状態を築けています。いろいろな考え方や選択肢がある中で、冷静で合理的な判断力を生かし、相手の出方次第で物事を進めている状態です。平和や調和のためにバランス良く立ち回っていますが、一方で、あなた自身の本当の気持ちは、水面下で少し抑圧されているかもしれません。ときにはあなたの感情や感覚も大切にしてくださいね。
- 恋愛
パートナーがいる人は、交際は順調ですが、まだ相手と本音を言い合うほどの関係ではないかも。少し距離を置いて相手の気持ちを探りながら、反応を見て関係を進めようとしている、受け身の状態ともいえそうです。一歩踏み出したいなら、ときにはあなたから勇気を出すことも必要です。ただし、タイミングは見極めてくださいね。
パートナーを探している人は、気になる2人のうち1人を選択するという状況や、気になっていても、心をさらけ出すことはできないという関係に悩むことになるかもしれません。あなたがどうしたいか、まず自分自身と対話して、気持ちを整理してみましょう。
- 仕事、金運
表向きは、同僚や取引先など関係者と波風も立たず、穏やかに仕事を進められている状態です。ただしこの関係性は情を介さず、合理的で一時的なものです。水面下では、それぞれの人が自分の意見や思いを抑圧し、腹の探り合いをしているかもしれません。淡々と無感情で仕事を進めるだけでなく、周囲を静観しながらも、あなたのプランは計画的にまとめておくのがおすすめです。金銭面では、収入と支出のバランスをうまく取れそうです。でも、油断は大敵。いざお金を使うときは、慎重に検討してくださいね。
- 人間関係
適度な距離感を持ち、バランスの良い関係性が築けている状態です。相手に立ち入りすぎず、ほどほどに親しく付き合っているため、表面的には穏やかで仲が良く、トラブルも起きません。本音と建前の二重性がある、割り切った関係ともいえるかもしれません。対立する立場の場合では、互いに相手を拒絶し続けて、こう着状態に陥っているようです。あなたから、相手の意見や気持ちを聞こうとすることで、状況を打開できるかもしれません。
小アルカナ【ソード2】逆位置の解釈
- 全体
【ソード2】が逆位置で出た場合、利己主義的な考え方が出てきてしまい、自分にとって都合の良い判断をしてしまうかも。相手の気持ちや状況、先々の結果を考えず、見切り発車で行動してしまうことで、周囲だけでなく自分自身も傷つけてしまう可能性があります。難しい状況の中でも、独断と偏見に陥らず、場当たり的な行動は避けましょう。まずは冷静になって、少しずつ判断材料を集めていくと良いですね。
- 恋愛
パートナーがいる人は、相手の気持ちを信じられず、心が不安定な状態かもしれません。「浮気されているかも」と心配したり、あなた自身も他の人に魅力を感じたりするなど、心がザワザワすることもありそうです。どこかで本心を隠して進めてきた関係ならば、向き合うタイミングがきたのかもしれません。ただし、別れなど大きな決断は思いつきでせず、冷静になって、状況をよく見てから慎重に判断してくださいね。
パートナーを探している人は、「友達でいるか、恋人になるか」「この人と付き合うか、あの人か」など二択に直面するかもしれません。また、心と行動が一致せず、あまのじゃくな態度をとって相手に誤解されてしまう予感です。自分の気持ちに素直になるのが吉。
- 仕事、金運
「何かを判断するタイミング」に迫られています。でも、これまで情報を集めてこなかったために判断材料が少なかったり、逆に情報過多で重要なポイントが見えなかったりして、判断を誤り、損失を出してしまうかもしれません。自分本位で進めず、周囲の意見に耳を傾けてみましょう。正確な情報を集めて、分析し、慎重に取捨選択していくことが肝心。不公平な契約内容や仕事の遅延にも、感情的にならず、冷静な対応が吉です。金銭面では、収支のバランスが崩れそうな予感です。ボーナスをあてに散財したり、気分に任せて大金を使ったりすると、後悔する結果に。今は投資も控えておきましょう。
- 人間関係
これまでの人間関係のバランスが崩れ、それぞれの人が言いたいことを感情的に言い合うような場面に遭遇しそうな予感です。それぞれの主張に揉まれて、大変な思いをするかもしれません。また家庭と仕事、友人と恋人、上司と部下など2つのものの間で板挟みになる可能性も。疑心暗鬼に陥らないために、裏切りや嘘には目を光らせながら、自制心は強く持っていてくださいね。あなたが発言と行動を一貫させ、誠実な態度で向き合うことで、事態は改善していきます。
小アルカナ【ソード2】アーサー・E・ウェイトの解釈
【ソード2】で、ウェイト氏は女性のことを「A hoodwinked female」と表現しています。「hoodwink」には、「騙す」と「目隠しをする」という2つの意味があるため、この女性が自ら目隠しをしたのか、目隠しをされたのか、解釈が分かれるかもしれません。
背景に広がる凪いだ海や月の様子から、心は平静な状態であることは示されていますが、「騙された」場合は、重たい剣を持たされ服従に耐えているという印象に変わります。
また正位置の意味として、均衡、勇気や友情と、愛情、親密さなどの意味を挙げています。一見、友好的で、調和的なイメージを持ちますが、直後にすぐ、このような「調和」や「好意的なリーディング」は、限定的であることを述べています。剣は剣であって、その存在は、人間の世界において、慈悲深い力を表すようなシンボルではないからです。
逆位置の意味として「詐欺、虚偽、二枚舌、不誠実」が挙げられていることからも、【ソード2】は、リーディングにおいて、他に出た周囲のカードと合わせて解釈していくことが特に大切なカードといえます。