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小アルカナ【ペンタクル6】絵柄の意味・世界観
赤い服を着た男性が、2人の貧しい人に情けをかけているシーンに見えますが、実はそうではありません。男性は支援を求める声に応え、天秤でお金を測り、必要な人に分け与えることで2人をサポートしています。お互いにサポートする側、される側と利益が合致しバランスの取れた関係なのです。あなたはどんなことを人と分かち合いたいですか?
絵柄の意味 | 解説 |
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テーマ | バランス |
ペンタクルの6 | ペンタクル(金貨)は、エレメントでは「地」に属し、物質的な豊かさや、地に足の着いた現実的な考え方などを表しています。 2が調和の第一段階だと言われており、6は2が3つ重なってできた数字。自分1人だけではなく、周囲の関わりとの調和を意味しており、カードに描かれている3人の関係が調和のとれた平等な関係であることを表しています。 |
赤い服の男性 | 恰幅がよく、とても裕福に見える男性。赤い服は「情熱」や「自主的」であることの表れ。このことから、男性は自らの意思で、貧しい人達にお金を分け与えていることがわかります。 |
貧しい人達 | 【ペンタクル5】で、雪の中をさまよっていた人物ととてもよく似た2人が描かれています。すぐそばにある教会に気づいていなかった2人が、赤い服の男性と出逢い、ようやく救いがあることに気づいたようです。お金を分け与えている赤い服の男性は、貧しい人たちをサポートをする喜びで心を満たし、貧しい人たちは、お金を受け取ることで、生活を満たすことができる。そんな相互関係が描かれているのです。 |
天秤 | 男性が天秤できちんとお金を測り、自分には必要ない余った分を、必要な人に分けていることがわかかります。平等や均衡の象徴である天秤は、3人の関係は平等で、バランスが取れていることを象徴しています。 |
小アルカナ【ペンタクル6】の物語
地の性質をもつペンタクルは、お金や労働によって人々が得る喜びや苦労を描いており、【ペンタクル6】は、慈善活動を積極的に行っている様子が描かれています。
中央に立つ赤い服の男性は恰幅もよく、その身なりからもとても裕福な人物のようです。穏やかな表情で貧しい人達にお金を分け与えている様子からも、彼が善良な心の持ち主であることがわかります。
彼は、ひざまずく2人に情けをかけ、偽善的な気持ちで施しをしているわけではありません。貧しい2人が男性に支援を求め、男性は2人の声に応えるかたちで、自分には必要ない分を分けているだけなのです。また、きちんと天秤でお金を測って2人に渡している様子からも、必要以上の手厚いサポートをしているのではないことがわかります。そして、貧しい2人の人物も、自分たちに必要な分だけを受け取っているようです。
数字の6は「調和」を意味しています。同じ調和の意味をもつ2は、1人でバランスを取るという「調和」でしたが、その2が3つあつまった数字である6は、周囲との調和を表しています。このことから彼らが上下関係などではなく、対等な関係だとわかります。男性が手に持った天秤が左右のバランスを崩すことなく保たれている様子も、その表れです。
周囲との関係を大切にし、自分には不要なものを必要な人に差し出すという行為は、なかなかできることではありません。ですが、心に余裕を持ち、見返りを求めずに行動することでバランスが取れることもあるよと、【ペンタクル6】が教えてくれているのかもしれませんね。
小アルカナ【ペンタクル6】正位置の解釈
- 全体
あらゆることが調和し、うまくいきはじめる兆し。そのきっかけとして、率先して行動を起こしたくなる時期です。誰かに「なにかしてあげたい」という気持ちが湧いてきたら、率先して行動を起こしてみるとよさそう。また、精神的にも余裕が持てる時なので、助けが必要な人はいないか、周囲を見渡してみてください。あなたの助けを必要としている人が身近にいるかもしれません。表面上の損得に囚われずに行動すると、物事がスムーズに運んでいきそうです。
- 恋愛
パートナーを探している人は、身近な人から好意を示されることがあるかも。あるいは、以前から気になっていた人が、あなたの愛を受け止めてくれそうです。急なことにびっくりしてしまうかもしれませんが、相手の気持ちを疑わずに素直に受け止めてみてくださいね。
パートナーのいる人は、持ちつ持たれつの関係が深まる時です。経済的な面での助け合いや、精神面での支えなど、お互いになくてはならない存在になっていきそうです。
パートナーがいる人もいない人も、サプライズでプレゼントを用意するなど、相手が喜んでくれそうなことをしてみると、よりいっそう仲が深まっていくのでおすすめですよ。
- 仕事、金運
経済的に安定する兆しです。自分の利益だけではなく、組織全体のことを考え、広い視野で周囲を見渡すことが成功の秘訣。ボランティアなど、直接の利益にはならない活動も取り入れてみると、思わぬチャンスに恵まれるかもしれません。
金運では、大きな臨時収入を得られる予感ですが、使いすぎには注意が必要です。今後の見通しを立て、計画的にお金を使ってくださいね。もし、余ったお金があるなら募金や寄付など、お金を通じて社会とつながることで、気持ちに余裕がうまれそうです。
- 人間関係
居心地のよい人間関係が築ける時期です。同じ趣味の人と出会ったり、似たような考え方の人とめぐり合ったりするなど、長期的なお付き合いができる人間関係を築くことができそうです。また、フィーリングが合いそうな人同士を引き合わせるなど、仲介役を買って出ると、あなたを介してコミュニティの輪が広がっていく兆しもあります。よりいっそう楽しめる関係を築くために、周囲を見渡してみるとよいでしょう。
小アルカナ【ペンタクル6】逆位置の解釈
- 全体
支配欲が強くなってしまう時期かもしれません。思い通りに物事を進めようとしたり、自分の利益を優先した利己的な行動を取ることで裏目に出てしまう可能性があります。また必要以上に手助けしようとしていらないお節介を焼いてしまっている可能性も。相手が何を求めているのかを見極めて、応えていくようにしましょう。
全体にとって、何が一番理想的な状態なのか考えてみると、打開策が見えてきそう。利害関係や、損得勘定は抜きにして行動した方がよさそうです。
- 恋愛
パートナーを探している人は、優しく声をかけてくれる人が現われそう。ですが、身の回りの世話を焼きすぎたり、過度に心配してしまったりすると、お節介だと思われてしまいそうです。また、関係を進めることを焦ってしまうと裏目に出てしまう可能性も。利己的にならず、相手の状況にも目を向けてみてくださいね。パートナーのいる人は、お互いに多くを求めてしまう時期。見返りを期待して行動してしまうと、相手が思った通りに動いてくれないことにイラ立ってしまいがち。お互いに思っていることを素直に打ち明けるなど、話し合いの場を設けることで、ギクシャクせずに過ごせそうです。
- 仕事、金運
一生懸命取り組んだことが徒労に終わってしまうなど、仕事がうまくいかないと感じることがあるかも。仕事仲間や上司との関係性でパワーバランスが崩れていませんか?不当な扱いを受けたり、気が進まないことをお願いされてストレスを感じているなら、自分の意志をしっかりと表示してみましょう。対等な関係を築くことで、スムーズに仕事を進められそうです。
金銭面では、パーッとお金を使いたくなり、衝動買いをしてしまうかもしれません。本当に必要なものかどうか、しっかりと見極めてから買い物をするようにすると、浪費をおさえられますよ。
- 人間関係
信頼していた人の裏切りにあうなど、人間関係に亀裂が入りやすい兆候。うまい話を持ち掛けられ、そのことが原因で損をしてしまう可能性も。一時的な感情で返事をせず、きちんと考えてから返事をするようにすると、トラブルを回避できますよ。
また、優劣をつけて人に接してしまいがちな時期でもあります。人によって対応を変えてしまうと、周囲から反感をかってしまうかも。平等に人に接することを心がけてみてくださいね。
小アルカナ【ペンタクル6】アーサー・E・ウェイトの解釈
【ペンタクル6】についてウェイト氏は「「商人を装った人物は、天秤でお金を図り、貧しい人や苦しんでいる人に分けている。それらは彼の成功と、善良な心の証である」と語っています。赤い服の男性は商人として成功しており、善意で必要な人にお金を分け与えているとわかる一文です。
【ペンタクル6】は物事の成功を意味しており、その成功を周囲の人に分け与えることで善意を満たし、善意を受け取った人と調和していく相互関係が描かれているのです。
ウェイト氏は正位置の解釈を「贈り物や満足」とする一方で「注意、警戒」の意味もあるとしており、調和の取れた関係性を継続する難しさを表しているかのようです。
逆位置では「欲望や幻想」とウェイト氏は記しています。欲望のままに一方的に求めてしまったり、必要のない人に自らの思い込みで施しをしてしまうなど、関係性が崩れてしまうことを意味しているのでしょうか。
どちらにしても、一見バランスのよい関係も、気を抜くと立場が一転してしまうことに対し、注意を促してくれているカードなのかもしれませんね。