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小アルカナ【ペンタクル10】絵柄の意味・世界観
3世代の親子と2匹の犬が描かれた、賑やかな印象のカード。身につけた衣類の豪華さからもわかるように、とても裕福な家族のようです。経済的な安定は、親から子へと着実に継承されています。あなたが何不自由のない生活を手に入れたとしたら、何をしてみたいですか?
絵柄の意味 | 解説 |
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テーマ | 継承 |
ペンタクルの10 | ペンタクル(金貨)は、お金や物質、現実的な考え方や堅実な行動を表す「地」のエレメントに属します。このことから、家族が地に足をつけて着実に富を築いてきたとわかります。 数字の10はレベルアップや繁栄を意味しており、カードに描かれた富が、今後さらに繁栄していくことの象徴です。 また、カバラの生命の樹を彷彿とさせる10枚のペンタクルは、経済的な安定を維持するための仕組みが完成していることを表しています。 |
老人と3人の親子 | 手前に描かれている老人が身に着けている服は、「ペンタクルキング」が身に着けている豪華な服にとてもよく似ており、老人は自らの力で富を築いてきたことが伺えます。 奥にいる男性が手にしているワンドは、老人から受け継いだ意志を象徴しているのでしょうか。男女は富だけではなく、経済的な安定を継続させるための考え方を老人から学び、受け継いだのかもしれません。 そして、男女が老人から受け継いだものは、やがて子どもに受け継がれていくと想像できます。 老人が築いた富が、その手法とともに脈々と継承されることを表したカードなのです。 |
大きな門 | アーチを描く大きな門は、大アルカナの「女教皇」や「月」で描かれている二元性を示すものとは少し意味が異なります。門は聖域を示しており、3世代の家族と犬達がいる場所は、安全に守られた場所であることを示しています。 |
小アルカナ【ペンタクル10】の物語
【ペンタクル10】の「ペンタクル」は、お金や物質、現実的な考え方や堅実な行動を表す「地」のエレメントに属します。結合やレベルアップ、繁栄を意味する数字の10は、カードに描かれた世界が、今後も繁栄しながら続いていくことを表しているようです。
カードに描かれたペンタクルの位置は、「完成」を意味するカバラの生命の樹を彷彿とさせる形をしており、達成や完成に焦点があたっていることがわかります。
1人の女性が描かれた【ペンタクル9】は、1人で成し遂げられる成功の限界でした。ですが【ペンタクル10】はチームや人との関わりによって豊かさが循環し、さらに繁栄していく様子が描かれているのです。
知恵の象徴である老人が築いた富と、富を継続させるための知恵やシステムは、奥にいる男女に受け継がれ、さらなる繁栄をしていくことでしょう。そしていずれ男女の足元にいる子どもに受け継がれていくことが想像できます。
同じ「完成」を意味する大アルカナの「世界」とは異なり、更なる繁栄に向かって継承していく事柄を描いたカードであることも、読み解きのポイントにしてみてくださいね。
小アルカナ【ペンタクル10】正位置の解釈
- 全体
【ペンタクル10】が正位置で出た場合、恋愛や仕事などさまざまな面で、更なる発展に向かう準備が整った状態を表しています。周囲の人の協力によって成果が出たり、人から受け継いだスキルをうまくつかって成功を得たり、周囲の人との連携によって豊かになっていく兆し。人とのかかわりや先人たちの知恵によって、成功を循環させるシステムが完成した状態も表しています。
- 恋愛
パートナーのいる人は、結婚など次のステージへ進む準備が整ったことを表しています。結婚や同棲などに向けて心配事があった人は、その心配事が解決する兆し。2人の将来について建設的な会話ができる時期なので、時間を作ってゆっくりと話し合ってみるのがおすすめです。
パートナーを探している人は、以前から知り合いの人の中に運命の人がいるかもしれません。将来についての考え方や、目標とするものが似ていることに気づき、お互いを意識しはじめる可能性も。関係が発展する兆しですので、心当たりのある人は率先して行動してみてくださいね。
- 仕事、金運
仕事では、プロジェクトが成功しそう。更なる発展に向けて動き出せる時でもあるので、チーム全体で知恵を出し合い、仕事がうまく循環する仕組みを生み出すことができそうです。
金運ではお金を上手に運用し、更なる利益を得られるかも。しっかりと下準備をしたうえで投資をするとうまくいきそうです。ただし、目先の利益に安易に飛びつくのは控えたほうがよさそう。入念な準備をしてから取り組むことが成功の秘訣です。
- 人間関係
家族や親族から大切なものを受け継ぐ機会に恵まれそう。受け継いだものを、更に発展させられるように考えてみると、運気が上昇していきそうです。また、家族間で昔からの習慣やルールがある人は、そのルールを大切にすると家族仲がさらに深まります。
家族や親族以外の人間関係では、長年の信頼関係が際立つとき。昔からの友人と一緒に行動する機会を設けると絆が深まり、今後もお互いに助け合える関係になれそうです。
小アルカナ【ペンタクル10】逆位置の解釈
- 全体
【ペンタクル10】が逆位置で出た場合、さまざまな人との関わりによって問題が生じる時期。受け継いだものをうまく活かせなかったり、過去へのこだわりが原因で、バランスを崩してしまいそう。
一見安定しているように見えるルールを、あらめて見なおす機会を作るのがおすすめです。どこかに問題が生じていないか、何か改善できることはないか、俯瞰して物事を見ることでトラブルを回避できそうです。
- 恋愛
パートナーのいる人は、先の見えない関係に嫌気がさしてしまうかも。煮え切らない相手の態度にモヤモヤしてケンカに発展してしまうなど、雲行きが怪しくなってしまいそうです。大きなケンカになる前に、お互いの思いを確認しておくのが吉。
パートナーを探している人は、家族の問題が原因で恋の発展にストップがかかってしまう可能性も。家族からの反対がある場合は、家族間できちんと話し合いをしてから、恋を発展させるように動くとうまく進みそうです。
- 仕事、金運
仕事では、管理の行き届かない職場に嫌気がさしてしまう兆し。プロジェクトの方向性を見失ってしまうなど、仕事の進め方で迷いが生じ、なかなか先に進めることができなくなる可能性もあります。任された仕事に消極的にならず前向きに取り組むことで、周囲からの協力を得られるかも。
金運では、お金の管理がずさんになってしまう時期。今は大きな買い物を控えたほうがよさそうです。投資などを考えている人も、今は動かない方が吉。しっかりと計画を立て、お金を使うようにしてみてください。
- 人間関係
家族や長い付き合いの友人関係などでトラブルが起こってしまいそう。言い争いがヒートアップして、一緒に過ごすことが難しいと感じてしまうかもしれません。人間関係に対してネガティブな捉え方をしてしまう時期でもあります。関係の改善が難しいと感じる場合は、少し時間をおいてから話し合いの場を設けた方が良さそうです。
小アルカナ【ペンタクル10】アーサー・E・ウェイトの解釈
【ペンタクル10】について「家の領地を示すアーチの下の男女」とウェイト氏が述べているように、大きな門は奥にいる男女の家の入口であることがわかります。
全貌が見えないほど大きな門は彼らの富の象徴。その敷地内で家族が各々に過ごしている様子が描かれているようです。
彼らは家族というチームで富を築き、老人から男女へ、男女からその子どもへと、その富を脈々と継承していくのだと想像することができます。
正位置では「利益」「富」「家系」「家族問題」「家族の住居」などを意味しており、家族を中心に富や利益が築かれていくことを表しています。
逆位置では「チャンス」「危険なゲーム」「強盗」などを意味し、家族に経済的な問題が起こる可能性を示唆していると捉えることもできそうです。
家族を大切にしてチームワークを築くことで、後世に受け継ぐものを作り上げていくことの重要性を、【ペンタクル10】は示してくれているのかもしれませんね。