世の中は空前の風の時代ブーム! 新しい時代にワクワクする一方で「ちゃんとついていけるかな……」という不安もありますよね。風の時代と心地よくひとつになる方法とは?
「星読みの専門家なのに、風の時代疲れになっちゃった!」
その経験から「風」の本質を見つめ直して大切な気づきを得たという、やなかえつこさん。
風の時代に不安やプレッシャーを感じている人に伝えたいこととは?
星読みテラス監修のかげした真由子さんと、風の時代ブームが見落としていたことについて、語り合っていただきました。
やなか えつこ
十数年の専業主婦時代から独学・講座受講などを経て、現在は個人事業主として四柱推命・西洋占星術を用い鑑定や講師の活動をおこなう。東洋と西洋の占術をどちらもバランスよく使用する鑑定スタイルが人気。占いを学ぶことで自身の人生が大きく変わった経験から、現在は鑑定師の育成にも力を入れている。
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かげした真由子(かげした・まゆこ)
太陽双子座、月乙女座。愛称「まゆちん」。サウンドクリエイター、ベンチャー企業の立ち上げ、保険営業マンの秘書などを経てタロット占い師に。2008年より占い師・心理セラピストとして独立。現在までの鑑定数はのべ1万4千件。2018年からは星よみ協会の無料講座制作にたずさわる。一人ひとりが安心して自分らしく生きるための占い活用を日々研究しつつ、占い師の先生として後進の育成に取り組む。著書『命日占い』『命日占い〈未来編〉』(サンマーク出版)は累計10万部のベストセラー。
Contents
風の時代疲れとは? 時代についていけない不安やプレッシャー
――2020年末からの「風の時代」ブームは、すごかったですよね。
もともと星読み(占星術)が好きな人以外にも広がってましたよね。
カフェで、サラリーマン風の男性たちが風の時代を話題にしていて、驚いたことがあります。
私は職業柄、どこに行っても風の時代について聞かれましたね。
おもしろいことに、「風の時代は星読みの由緒正しい考え方なんです」って説明するとビックリされるんですよ!
もはや星読みを離れて独り歩きしてるみたい(笑)。
2020年は私たちの暮らしが一変した年だったから、本当に多くの方が新しい時代の幕開けを実感しているんでしょうね。
やなか
でも私、実は……ブームの陰で「風の時代疲れ」になっちゃったんですよ。
――えっ、星読みの専門家なのに??
やなか
そうなんです(笑)。もともと一人が好きな性格で、「ネットワーク」「仲間」といったことが苦手なんです。
それなのに、ネットを見れば「風の時代はつながろう!どんどん発信しよう!」という情報が押し寄せてきて……。
「 私、このままじゃ新しい時代についていけないの?」ってプレッシャーを感じちゃいました。
かげした
うんうん、そういう人は多いですよ。
風の時代の情報は「時代に乗れる人・乗れない人」という切り口で語られることが多かったですしね。
私のところに寄せられた質問からも、どうしたら乗り遅れないかという不安を感じました。
「人づきあいが苦手だけどどうすればいいですか?」「どんどん発信しないと置いていかれますか?」とか。
やなか
でもね、ちょっと待てよ、と。
そもそも風の時代の「風」ってどんな性質だっけ?って考えてみたんです。
すると、風の時代ブームは大事なことを見落としている!と気づきました。
地と風には共通点がない!風の時代ブームが見落としていたこと
――風の時代ブームが見落としていたこと、ってなんですか?
2020年末まで続いた「地の時代」から風の時代への切り替えって、思っている以上にハード! ということです。
地や風は、星読みのエレメント(四区分)のひとつですよね。ちょっとマニアックな話になりますが、古典(伝統的)占星術の考え方だと、火・地・風・水の各エレメントは
- 温度(ホット/コールド)
- 湿度(ドライ/モイスト)
の組み合わせでできています。
――聞いたことはありますが、具体的にはそれぞれ何を意味するんですか?
やなか
かんたんに言うと、ホットは外向き、コールドは内向き。ドライは自立、モイストはつながりです。
地の性質は【コールド ✕ ドライ】。地の時代は【内向き ✕ 自立】の時代だったんですね。
やなか
そうです。一方、風は【ホット ✕ モイスト】だから【外向き ✕ つながり】。つまり、地と風には共通する要素がないんです。
やなか
たとえるなら、地の時代から風の時代への移行は、大きな「がけ」の間を飛び移るようなもの。
エイッ!と頑張らないと向こう側に行けない。
それくらい、大きなインパクトがある時代の切り替えなんです。
かげした
なるほど。風の時代疲れで「新しい時代についていけない……」って不安を感じるのは、
地と風のあいだに大きなギャップがあるのが、理由のひとつなんですね。
地から風へ 時代をつなぐのは【水】
――地から風へエイッ!と渡れなくて風の時代疲れになっている人は、どうすればいいですか?
必要なのは「橋」。地と風を橋渡ししてくれるのは、それぞれと共通する要素をもっている「水」なんです。
水は【コールド ✕ モイスト】だから、地の【コールド】、風の【モイスト】を両方もっているんですね。
――共通という意味では「火」じゃだめなんですか?
やなか
時代の移り変わりをすご〜く大きな視点からとらえると【火→地→風→水】の順になっているのですが、
風の時代が向かう先は水の時代ですよね。
時間は常に未来へと進み続け、時代に乗って成功する人は常に次の時代のエッセンスを取り入れています。
たとえば地の時代は、メディアやインターネットといった風のエッセンスを取り入れた人が成功しました。
だから、風の時代にうまく乗るには、次の時代のエッセンスである水を取り入れることが大事なんです。
――水を取り入れるには、どうすればいいですか?
やなか
「取り入れる」っていうより、そもそも風は水を帯びたものだってことに気づけば大丈夫です!
日本語で風って言うと、涼しげでカラッとした印象ですが、星読みの風は【ホット ✕ モイスト】。
あたたかくて、うるおっているものです。
かげした
星読みの風は、英語では「Wind(風)」じゃなくて「Air(大気)」なんですよね。
ビューッとふく風だと思ってると、風の時代の本質からズレちゃう。
水は【やさしさ】 風の時代はもうつながっている
――やなかさんが考える「水」ってなんですか?
水は「やさしさ」ですね。
じゃあどうやったら、やさしくなれるのか。やさしさは想像力のたまものだと思うんです。
誰かのやさしさを感じるときって、自分の気持ちや立場を想像して手を差しのべてくれたときですよね。
こんなふうに人や社会に対して想像力をはたらかせることが「水」を取り入れる生き方だと思います。
やなか
風の時代は「個性」の時代ではあるけれど、【モイスト(つながり)】が含まれているから、みんな心でつながっているはずなんです。
相手を思いやったり、困った時は助け合ったりできるやさしさが、根底に流れている時代。
だからこそ、安心して「一人ひとり違っていていい」と言える個性の時代なんだと思います。
みなさん「風の時代はつながらなきゃ」って焦っちゃうけど、本当は「もうつながってる」んですね。
仲間やコミュニティが苦手って人は、安心して孤独になれる時代ですよ。
ネットで情報もモノも手に入るから、無理につながらなくても生活はできる。
そして「一人ひとり違っていい」っていうやさしさに気づけば、自分の価値観に合うコミュニティにだけ、たまに顔を出せばいい。
やなか
そうそう、つながりも流動的でいいんですよね。ベースにやさしさがあるから、つながりたいときに、好きなところにつながればいい。
そう思うと、基本は一人で過ごすのが好きな私も、風の時代疲れから解放されました。
つながりがなくて不安だという人にも、「風の時代はどうせつながっちゃうよ〜」って言いたいです(笑)。
企業や組織レベルでも、自然とつながってく流れがあるはずですよ。
これからは、個人が才能を持ち寄って、やさしさや安心感をベースに互いにゆだねることができるチームが成功していくはず。
「一人では限界がある。みんなでやったらもっとできる」と気づくから、自然とつながっていくんです。
かげした
風の時代疲れには、「発信しなきゃ」というプレッシャーもありますよね。ここも次の時代の「水」を取り入れるといいですよね。
やなか
そうですね。「有益な内容にしなきゃ」とか「毎日やらなきゃ」と焦っている人には、そうじゃないから安心してね、って伝えたいです。
「水」は感情を重視するものだから、「私はこうしたい、こう思う」という思いをのせた発信をする人が時代に乗れます。
かげした
逆に、「自分がこうしたい」という思いがない発信をしていると、もう終わった地の時代っぽくなっちゃう。
自分軸がなくて「時代の流れに合わせなくちゃ」という発想だから。
やなか
「なぁんだ、心から伝えたいことを伝えれいいんだ」って気づくと、ふっと楽になりますよね。
風の時代はあなたが作るもの やさしい時代にしよう
――お二人のお話を聞いて、「風」のイメージがガラッと変わりました!
あとは「時代」と「自分」の関係も気づけると、もっと心地よく生きていけます。
風の時代に疲れちゃった人は、「時代は自分の外に流れている」と考えているかも。
そうすると、どうにか乗りこなさなきゃと対立したり、どうにもならないものだと諦めちゃったり……。
でも本当は、時代はそこに生きる一人ひとりが作っているものですよね。
時代と自分はひとつなんです。
自分が作っていると思うと、時代っていう大きなものも急に身近な感じがしますよね。
「風の時代って怖くない。本当はやさしい時代なんだ」ってみんなが気づいて行動していけば、
やさしい時代を現実に作っていくことができると思います。
――風の時代のヒント、ありがとうございました!