カイロン(キロン)は魂の傷と癒しを表す小惑星で、「傷ついたヒーラー」という呼び名でも知られています。
ホロスコープ上のカイロンの位置に注目すると、あなたの人生において癒しを必要とするテーマや、癒すための糸口を紐解くことができます。
また、カイロンがアングル(アセンダント・IC・ディセンダント・MC)に合(コンジャンクション)を形成している場合、カイロンが人生にもたらす影響はより強いとも言えるのです。
この記事では、カイロンとアングルの合が人生においてどのような影響をもたらすのか、アングルごとにくわしく解説していきます。
Contents
アングルとカイロンの合(コンジャンクション)の意味
アングルとは、ホロスコープ上の縦軸と横軸のことを示します。
この2つの軸は、人生の2つの柱と解釈され、私たちの人生の大枠を表していると捉えることができます。
アングルとカイロンの合(コンジャンクション)というのは、アングル上にカイロンが重なっていることを意味します。
ホロスコープにアングルとカイロンの合(コンジャンクション)がある場合、その人にとって、傷と癒しが人生のテーマの1つであると読み解くことができるのです。
アングルは【アセンダント・IC・ディセンダント・MC】の総称
アングルは、ホロスコープ上の縦軸と横軸それぞれの4つの起点を意味します。
アセンダントとディセンダントを繋ぐ軸は「東と西」を表し、MCとICを繋ぐ軸は「天と地」を意味します。
2つの軸がもつ4つの起点を感受点と呼びますが、それぞれの感受点はアセンダント・IC・ディセンダント・MCと区別され、この4つの感受点の総称をアングルと言います。
各アングルには、それぞれに象徴するテーマがあります。
<4つの感受点の名称とポイント>
アセンダント(ASC)=物事の始め方
ミッドヘブン(MC)=キャリアや人生の方向性
ディセンダント(DSC)=対人関係
イムム・コエリ(IC)=安心感を得られること
アングルに天体の合がある場合、どのアングルに合があるかによって解釈は異なります。
カイロンは【魂がもつ傷と癒し】を司る天体
カイロンは、1977年に発見された新しい小惑星で、土星と天王星の間を巡っています。
占星術は、主に太陽を始めとした10天体を扱いますが、カイロンは10天体の次に重要な小惑星として、ホロスコープを読み解く際に重要視される天体です。
カイロンが示すのは、傷つきやすさや癒しを必要とする部分。
自分の傷や癒すポイントを知ることは、自分本来の力をより発揮することへと繋がっていきます。
合(コンジャンクション)は【エネルギーが強調される】アスペクト
アスペクトとは、2つ以上の天体の位置関係によって表される角度を意味します。
合(コンジャンクション)というのは、天体同士がぴったり重なった状態。
例えば、カイロンと太陽がホロスコープ上で重なり0度を形成している場合、その状態をカイロンと太陽の合(コンジャンクション)と表現します。
アスペクトには、90度や180度などいくつか注目する角度がありますが、0度を形成する合(コンジャンクション)は、アスペクトの中でもっとも強い影響力を持つ配置とされています。
アングルとカイロンが合の場合、いったいどのような影響が現れるのか、ここから詳しく見ていきましょう。
アングルとカイロンの合はある?あなたのホロスコープを読み解こう
カイロンが自分のホロスコープのどこにあるのか調べてみよう。
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ホロスコープが準備できたら、まずはアングルを探しましょう。
アングルを確認したら、次はアングル上にカイロンの合があるかを見てみましょう。
カイロンはこのような記号で示されています。
以下のホロスコープの場合は、MCの上にカイロンが乗っています。
この場合、カイロンがMCに合(コンジャンクション)を形成していると読み取れるわけです。
自分のホロスコープと照らし合わせながら読んでみてくださいね。
アセンダントとカイロンが合(コンジャンクション)のアスペクト
アセンダント(ASC)は、第1ハウスの起点を示します。
ホロスコープ上でアセンダントが示すのは、太陽や星座が昇ってくる東の位置で、4つの感受点のなかで最も重要なポイントとなります。
アセンダントは、表向きの姿を象徴します。例えばその人の第一印象や、基本的な行動パターン、持って生まれた性質や、社会に向けて見せている表向きの顔といったことがアセンダントから読み取れるのです。
アセンダントとカイロンが合(コンジャンクション)を形成している場合、出生時や幼少期に傷ついた経験があったり、
自分のアイデンティティや、容姿に関するコンプレックスを抱える傾向があるかもしれません。
繊細で傷つきやすい印象を与えたり、もしくは温かく寄り添ってくれる癒し系の人という印象を与えることもあるでしょう。
カイロンがアセンダントと合(コンジャンクション)を形成している場合、葛藤や罪悪感、深く傷ついた経験を内に秘めている人もいるかもしれません。
しかし、自分が辛い経験をしてきた分、他者への思いやりや共感力が高く、それによって自分と同じように傷ついた他者に手を差し伸べることができるのです。
また、人を癒す才能を活かし、医療従事者やセラピストとして活躍する人もいるでしょう。
人を助けようとしたことが、結果的に自分自身の癒しに繋がるという場合もあります。
ICとカイロンが合(コンジャンクション)のアスペクト
ICは、正確にはラテン語で「イムム・コエリ」と言い、頭文字をとってICと呼ばれています。
ICが示すのは星が最も沈む位置。あなたが生まれた瞬間に最も低い位置にあった天体を示しているのが、ホロスコープ上のICです。
ICから読み解けるのは、自分のよりどころや、心が落ち着く場所といった、自分の土台となる部分です。
ICとカイロンが合を形成している場合は、特に幼少期の家庭環境を象徴します。
家族に関する辛い経験があったり、幼い頃から心を落ち着ける環境がなかなか得られなかったなど、両親や家庭にまつわる傷を持っていることがあります。
また、自分には何の落ち度もなかったのに結果的に深く傷ついてしまった、という経験をひきずっている人もいるかもしれません。
カイロンとICの合を持つ場合、こういった辛い経験をきかっけに心理の分野に興味を持ち、何かを実践したり、哲学的な学びを深めて葛藤を才能に変える人が多いでしょう。
そういった自己探究を通して自らを癒していくわけですが、自分が経験した傷と癒しのプロセスを、他者の癒しのために使っていけるのも、カイロンとICの合(コンジャンクション)を持つ人たちなのです。
自分を癒す道を歩む中で得られるのは、かけがえのない知恵です。
ディセンダントとカイロンが合(コンジャンクション)のアスペクト
ディセンダント(DSC)は、第6ハウスと第7ハウスを分けるラインにあります。
アセンダントは天体や星座が昇る東を示していた一方、ディセンダントは星たちが沈む西を表します。
また、アセンダントは自分の第一印象やなど、自分自身に関わることを表しますが、ディセンダントはその逆で、他者を象徴します。
あなたがどのように人と関わっていくか、どういう人とご縁があるのか、人間関係を通して何を学んでいくのかといったことが、ディセンダントから読み取れるのです。
ディセンダントとカイロンが合のアスペクトをとっている場合、パートナーシップや人間関係を通して、傷と癒しを体験することを意味しています。
誰かに傷つけられた痛みが他者によって癒されたり、長年抱えてきたトラウマやコンプレックスが、誰かからのきっかけによって解消されていく、といったことを経験する人もいます。
そのほか、自分に縁のある相手がカイロンの性質を持っているケースもあります。
例えば深く傷ついた経験を克服した人や、医師や看護師などの医療従事者、ヒーラーやカウンセラーなど、人の心をケアする仕事をしている人とのご縁も意味します。
他者との関わりによって、本来の自分を見つめ直し、ありのままの自分をもっと受け入れられるような流れが、ディセンダントとカイロンの合(コンジャンクション)によってもたらされるでしょう。
MCとカイロンが合(コンジャンクション)のアスペクト
MCは「ミッドヘブン」の略で、星がもっとも高く昇るポイントを表していることから、人生という山の山頂を象徴します。
ホロスコープのアングルには、アセンダントで自分を表現し、ICで心の土台を作り、ディセンダントで他者との関係を学び、MCで社会的に完成するという流れがあります。
そのためMCをみることで、社会的地位や自己実現、ライフワーク、活躍のヒントなど、自分の社会性について読み解くことができます。
MCとカイロンが合のアスペクトをとる人は、お仕事や何らかの活動を通して人を癒したり、ケアすることに縁があると言えます。
MCとカイロンが合の人は、自分の内面と向き合い、癒してきた経験を自分の中だけに留めず、他者のために活かせる精神的な強さとしなやかさがあります。
そこに至るまでに、まずは自分自身の傷を乗り越えることが必要ですが、そのプロセスの中で得られる自らの癒しの体験こそが、その人にとっての宝となり、他者にとっての希望となっていくはずです。
【まとめ】アングルとカイロンの合(コンジャンクション)を活かそう
いかがでしたか?
アングルとカイロンの合(コンジャンクション)は、一見ネガティブなニュアンスが強いように感じられたかもしれません。
しかし悩みや苦しみ、辛い経験など、誰もが密かに抱える傷の場所を知らせ、優しく光を照らし、癒しの方へと導いてくれるのがカイロンです。
もし、あなたのアングルにカイロンの合がある場合、あなたの人生において「魂の傷と癒し」が一つの大きなテーマなのかもしれません。
傷と癒しのその先には、あなたがよりあなたらしく生きる未来が待っているはずです。そんな未来への歩みを、カイロンはいつも優しく、力強く見守ってくれることでしょう。