占星術の複合アスペクト(アスペクト・パターン)とは、3つ以上の天体が形成するアスペクトのことです。
2つ以上のアスペクトが相互に作用している複合アスペクトを読み解けると、ホロスコープをもっと深く理解できるようになりますよ。
この記事では、占星術の代表的な複合アスペクトの種類や意味について解説します。
- グランド・コンジャンクション(ステリウム)
- グランド・トライン(大三角)
- Tスクエア(直角二等辺三角形)
- グランド・クロス(正四角形)
- メディエーション(調停)
- カイト
- ミニトライン(小三角)
※ ヨード(ヨッド)、セミヨード、ミスティック・レクタングル、グランド・セクスタイル、ホームベース、クレイドル、クリスタルについては、別の記事で紹介します。
Contents
【複合アスペクト】グランド・コンジャンクション(ステリウム)
グランド・コンジャンクション(ステリウム)とは、3つの天体が密集している複合アスペクトです。
ただし、3天体が単に近くにあればいいわけではありません。
次の2つの条件が揃っている場合なら、グランド・コンジャンクションを形成していると言えるでしょう。
①:2つの天体が通常のコンジャンクション(0度)を形成している
②:①のいずれかの天体の5度以内にもう1つの天体がある
5度以上離れている場合でも、3つの天体が同じサインにあれば「グランド・コンジャンクション的な意味合いがある」と考えます。
グランド・コンジャンクションでは、3つの天体のエネルギーが強調され、さらにパワーが強まります。
複合アスペクトの中でも非常に大きな強い影響力を持つとされています。
それぞれの天体が良い部分を高め合う一方で、悪い部分も強め合うことが特徴です。
【複合アスペクト】グランド・トライン(大三角)
グランド・トライン(大三角)とは、四区分(火・風・地・水)が同じである3つの天体がそれぞれトライン(120度)を形成して、正三角形になっている複合アスペクトです。
調和のとれた関係であるグランド・トラインは、「幸運の三角形」と呼ばれます。
調和がとれすぎていることから、現代占星術や心理占星術では、「現状から抜け出せない」「打たれ弱い」と解釈することもあります。
グランド・トラインが持つエネルギーは、区分によって異なります。
四区分 | エネルギー |
火 | 活発・積極的 |
風 | 理解力・発想力・つながり力 |
地 | 習慣化・安定化・現実化 |
水 | 感情の豊かさ・共感力 |
【複合アスペクト】Tスクエア(直角二等辺三角形)
Tスクエア(直角二等辺三角形)とは、3つの天体が、2つのスクエア(90度)と、1つのオポジション(180度)を形成している複合アスペクトです。
「葛藤」を意味するスクエアが2つあり、オポジションも「対立・緊迫したムード」を意味するので、Tスクエアは安定性に欠けると言えます。
しかし、葛藤から抜け出す解決策を見出そうとしたり、お互いに高め合おうとしたりする力が働いたりするので、生産的に活用していくことができます。
Tスクエアでは、いずれの天体も三区分(活動宮・固定宮・柔軟宮)が同じです。
Tスクエアの力を生産的に活用するには、それぞれ次のような課題があります。
三区分 | 課題 |
活動宮 | 3天体を連携させるまでに葛藤が生じる配置。 活発なエネルギーをいかに生産性につなげるかが課題。 |
固定宮 | 柔軟性を失わせてしまう配置。 3つの天体のサインを尊重しつつ、柔軟に対応することが課題。 |
柔軟宮 | 試行錯誤が過剰になり、生産性が損なわれる可能性がある配置。 一貫性を持って進むことが課題。 |
【複合アスペクト】グランド・クロス(正四角形)
グランド・クロス(正四角形)とは、4つの天体が、4つのスクエア(90度)と、2つのオポジション(180度)を形成している複合アスペクトです。
グランド・クロスを持つ人は「波乱に満ちた人生になる」「十字架を背負って生きる」と言われることもあります。
たしかに、すべての星が緊張を伴う関係性のため破壊的になってしまう場合もありますが、グランド・クロスの良い面を使うことができれば建設的に作用するアスペクトです。
グランド・クロスでは、いずれの天体も三区分(活動宮・固定宮・柔軟宮)が同じです。
グランド・クロスの力を建設的に使うためには、それぞれ次のような行動が重要です。
三区分 | 課題 |
活動宮 | 行動を起こすエネルギーが強いが、4つの天体が異なる方向を目指すため収集がつかない。 「自分らしさ」を軸に一貫性のある行動にすることが大切。 |
固定宮 | 物事を安定・固定させようとするため、途中で変更・中止することが難しく、身動きがとれなくなることもあります。 じっくり丁寧に進めることが大切。 |
柔軟宮 | 状況に応じて4つの天体がさまざまな反応をするため、調整がつかないことも。 柔軟すぎて定まらないと物事が進まないので、目的を絞ることが大切。 |
読者アンケートでいただいたオススメ勉強方法をまとめているわよ♪
【複合アスペクト】メディエーション(調停)
メディエーション(調停)とは、オポジション(180度)の2つの天体に対し、もう1つの天体がトライン(120度)とセクスタイル(60度)を形成する複合アスペクトです。
オポジションは緊張のムードがただよう関係ですが、調停を形成するもう1つの天体にムードを和らげて対立を収束させるヒントがあります。
例えば、【太陽:獅子座】と【月:水瓶座】がオポジション、そこに【金星:天秤座】が調停している場合を見てみましょう。
自分が主役となって世界観を表現したい太陽と、客観的で全体のことを大切にしたい月の間には緊張感が漂います。
これに対して、バランス感覚に長けて豊かな人間関係を築ける金星が調停することで、緊張感を和らげる働きをするのです。
【複合アスペクト】カイト
カイトとは、グランド・トラインにいずれかの頂点とオポジション(180度)を形成する天体が加わった複合アスペクトです。
カイトは、四区分(火・風・地・水)が同じで調和がとれたグランド・トラインに、緊張したムードが加わることで、
現状に甘んじることなく挑戦する力、目的意識、視野の広がりなど、才能を磨くきっかけがプラスされます。
カイトを上手く活用するには、オポジションの天体のエネルギーを使えることが大切です。
例えば、火のグランド・トラインに【太陽:牡羊座】と【土星:天秤座】がオポジションを形成しているカイトの場合、
活発で積極的なエネルギーに満ちあふれているという才能を開花させるには、自分の思うままにやるだけでなく、広い世界でさまざまな人と関わり洗練されることが課題となるでしょう。
【複合アスペクト】ミニトライン(小三角)
ミニトライン(小三角)とは、トライン(120度)を形成する2つの天体に対しセクスタイル(60度)を形成する天体がある複合アスペクトです。
トラインはほとんどの場合で四区分(火・風・地・水)が同じで、2つの天体がお互いにフォローし合い、良いところを引き出し合える調和の関係です。
しかし、調和は時として妥協したりマンネリぎみになったりする面もあります。
ミニトラインでは、ここにトラインと相性が良い組み合わせ(火と風、地と水)のセクスタイルが加わって、努力や試行錯誤による発展をもたらすのです。
- ヨード(ヨッド)
- セミヨード(セミヨッド、変則ヨッド)
- ミスティック・レクタングル
- グランド・セクスタイル(六芒星)
- ホームベース
- クレイドル(ゆりかご)
- クリスタル