占星術のChiron=カイロン(キロン)とは、あなたの魂の傷や癒やしを表しています。
ホロスコープのカイロンが位置するハウスには、あなたの魂が持つ傷のありかが示されています。
自分の魂の傷を知ることは、癒やしの方法を知るということ。
この記事ではカイロンの司る意味、カイロンが位置するハウス別の特徴について解説します。
Contents
- 占星術のホロスコープのカイロンとは【魂の傷・癒やし】
- 【12ハウス別】カイロンが教えてくれるあなたの【魂の傷・癒やし】
- 【第1ハウスのカイロン】自我やアイデンティティに揺らぎを感じる
- 【第2ハウスのカイロン】物理的な所有欲や嫉妬心が強い
- 【第3ハウスのカイロン】自分の知性や発言に自信が無い
- 【第4ハウスのカイロン】自分の居場所に対して不安感をもつ
- 【第5ハウスのカイロン】承認欲求が強く自分を見失いがち
- 【第6ハウスのカイロン】肉体や健康に問題を持ちやすい
- 【第7ハウスのカイロン】人間関係や結婚に対する恐怖心をもつ
- 【第8ハウスのカイロン】秘められた暗い感情を持て余す
- 【第9ハウスのカイロン】高尚な分野へ深く傾倒しすぎる
- 【第10ハウスのカイロン】義務や責任感のバランスを取るのが苦手
- 【第11ハウスのカイロン】社会や集団になかなか馴染めない
- 【第12ハウスのカイロン】現実世界からの逃避願望がある
- 【まとめ】カイロンの位置するハウスで魂の傷と癒やし方を知ろう!
占星術のホロスコープのカイロンとは【魂の傷・癒やし】
カイロンは、土星と天王星の間を約50年の周期で運行する小天体です。
カイロンは「傷ついたヒーラー」
占星術では太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星という10の天体をもとに星を読み解いていきます。
カイロンは10の天体の次に重要な小天体としてよく知られています。
占星術でカイロンは「傷ついたヒーラー(wounded healer)」とも呼ばれ、あなたの魂が持つ傷や癒やしをあらわします。
「魂の傷や癒やし」と聞くと、異なる2つの物事であるように感じる人もいるかもしれません。
しかしながら、弱点を克服することでやがて強みになっていくように、魂の傷と癒やしの関係性はまさに表裏一体と言えます。
あなたの魂が持つ傷について知ることは、癒やし方を知ることでもあるのです。
そのため、ホロスコープのどのハウスにカイロンがあるのかを知ることは、あなたの魂が持つ傷がどんなものであるのかについて自覚し、傷を癒やす力を得る手助けになります。
カイロンとギリシャ神話の繋がり
カイロンが魂の傷と癒やしを司るという話は、ギリシャ神話に登場するケイロンの逸話に由来します。
ケイロンはゼウスの父クロノスとニンフのピリュラーの間に出来た子どもです。
クロノスは妻・レアーの目を逃れるために馬に姿を変えて、ピリュラーと交わったことから、ケイロンは不死の半人半馬で生まれました。
ケイロンの半分が馬、半分が人間という姿を見てショックを受けた母のピリュラーはケイロンを見捨ててしまいます。
肉親に見放されたケイロンでしたが、幸運なことに他の神々に育てられました。
アポロンから医学や音楽を学び、アルテミスから狩猟を学ぶなど神々から様々な智慧を授かります。
特に癒やしの力に秀でたと言われています。
ところがある日、ケイロンはヘラクレスのせいで毒矢に刺さってしまいました。
ケイロンは不死身なので、毒に苦しみつつも死ねないという悲劇が待ち受けています。
苦しみ抜いたケイロンは自ら死を選び、のちに星座として生まれ変わったと言われています。
ギリシャ神話におけるケイロンの逸話には、親から見捨てられたという傷、他の神々から学んだ癒やしの力といった要素が象徴的にあらわれます。
カイロンが傷と癒やしの星と言われる理由はこの神話から来ているのです。
【12ハウス別】カイロンが教えてくれるあなたの【魂の傷・癒やし】
【第1ハウスのカイロン】自我やアイデンティティに揺らぎを感じる
第1ハウスがあらわすのは、自分自身や個性・容姿・体質・生命力です。
第1ハウスにカイロンを持つ人は、自我やアイデンティティに揺らぎを感じる傾向があります。
自分自身や個性・容姿といった個人の根本的な柱となる部分に対してなんらかの傷を受ける経験や体験があり、人格形成上でも大きな影響を受けることになるでしょう。
この配置を持つ人は自分自身が受けた傷の痛みをよく知っているので、他人の痛みにも敏感になれる人です。
そのため、セラピストや精神科医、占星術師といった誰かの悩みに寄り添う仕事をする人の中には第1ハウスにカイロンを持つ人が多いと言われています。
第1ハウスにカイロンを持つ人は、自分らしさを受け入れることを意識するといいでしょう。
自分自身に対しての信頼や自信を取り戻すことが、自分だけでなく他人を癒やすことにも繋がっていきます。
【第2ハウスのカイロン】物理的な所有欲や嫉妬心が強い
第2ハウスがあらわすのは、自分の資質と価値観、お金や収入です。
第2ハウスにカイロンを持つ人は、自分の資質と価値観に対してコンプレックスを抱きやすくなります。
そのため不安の裏返しとして、物理的な所有欲や嫉妬心が人よりも強くなる傾向があります。
物やお金、ときには自分自身の肉体に対しても強い執着を持ちますが、コントロールが苦手な側面があるので度を越した事態を引き起こしてしまいがちです。
第2ハウスにカイロンを持つ人は、物質的な事柄の仕組みについて学び、自分でコントロールする方法を身につけるといいでしょう。
物質的な事柄に対しての適度な加減を知ることで、所有欲や嫉妬心に苛まれることなく上手な付き合い方をすることが出来ます。
【第3ハウスのカイロン】自分の知性や発言に自信が無い
第3ハウスがあらわすのは、知性やコミュニケーション、情報です。
第3ハウスにカイロンを持つ人は、自分の知性や発言に自信を持ちにくくなる傾向があります。
この配置を持つ人は、基本的に自分の能力に自信がありません。
自身が発する言葉やコミュニケーションの能力に対して猜疑心が強くなります。
物事をなんでも論理的に分析しようとしすぎるという形であらわれる場合もあります。
第3ハウスにカイロンを持つ人は、より実感のこもった言葉や心を尽くしたコミュニケーションをとるようにするといいでしょう。
誠実で丁寧なやり取りは自身の癒やしになるだけではなく、自分のように自信が持てない立場の人を勇気づけることにもなります。
【第4ハウスのカイロン】自分の居場所に対して不安感をもつ
第4ハウスがあらわすのは、自分の居場所・帰る場所・家庭です。
第4ハウスにカイロンを持つ人は、自分の居場所・帰る場所・家庭環境に対しての不安感をもつ傾向があります。
天涯孤独な境遇で物理的な故郷がない場合もあれば、実家や家族がいたとしても安心感を与えてくれるような場所でない場合もあります。
心の拠り所との縁が薄いので、賑やかな場所にいてもどこかふとした寂しさに襲われることがあるでしょう。
第4ハウスにカイロンを持つ人は、同じような望郷感や疎外感をもつ立場の人に心からの共感をすることが出来ます。
誰かの境遇に優しく寄り添うことで、相手の孤独を和らげられる人です。
また、他人への救済が自分の孤独を癒やすことにも繋がります。
【第5ハウスのカイロン】承認欲求が強く自分を見失いがち
第5ハウスがあらわすのは、自己表現・創造・個人的な楽しみ・恋愛・趣味です。
第5ハウスにカイロンを持つ人は、子ども時代に自己表現や創造性を抑えつけられた経験から承認欲求が強くなりすぎる傾向があります。
かつての抑圧された経験から自分という存在が認められなかったかのように感じているので、他人からの評価や賛辞を得ることに飢えています。
他人から認められることを重視するので、本当に自分がやりたいことを見失ってしまいがちです。
第5ハウスにカイロンを持つ人は、本来の自分に立ち返り個性を発揮するように努めるといいでしょう。
人目を気にせずに自分の心の声を聞くことは、勇気が必要かもしれません。
しかし、一歩踏み出し、独創性や創造性を存分に発揮することで癒やしの感覚を得られます。
【第6ハウスのカイロン】肉体や健康に問題を持ちやすい
第6ハウスがあらわすのは、労働・奉仕・健康・労働による報酬です。
第6ハウスにカイロンを持つ人は、肉体や健康といった身体に関することに問題を持ちやすくなります。
身体とは本来生きていく上での柱とも呼べる大切なもので、日常的に手入れすることが欠かせないものです。
しかし、この配置を持つ人はコンプレックスを持つあまり身体の手入れをし過ぎたり、逆に自分を大切にすることに無関心で身体の手入れをしなさ過ぎたりする傾向があります。
具体的には潔癖症や過度なダイエット、摂食障害などの形であらわれることがあります。
第6ハウスにカイロンを持つ人は、自己批判をほどほどにして健康や体調を穏やかに整えることを意識してみましょう。
自分の身体に向けているストイックさを、社会へ奉仕するなどして外に向けてみると充足感が得られるでしょう。
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【第7ハウスのカイロン】人間関係や結婚に対する恐怖心をもつ
第7ハウスがあらわすのは、結婚・パートナー・対人関係です。
第7ハウスにカイロンを持つ人は、幼少時代に対人関係に関連する傷を受けています。
そのため、深い人間関係を築くことや結婚に対する恐怖心を持つ傾向があります。
相手に対して大きな理想像を押し付けたり、自分のことを過度に批判したりするので健全なパートナーシップを築きづらいかもしれません。
総じて人間関係に対してネガティブな印象を持っています。
第7ハウスにカイロンを持つ人は、人間関係に対してのポジティブな面に意識を向けてみましょう。
人と共に時を過ごす楽しさや尊さについて理解していく中で、バランスの取れた人間関係を育むことが出来ます。
【第8ハウスのカイロン】秘められた暗い感情を持て余す
第8ハウスがあらわすのは、遺産・相続・血縁関係・霊界です。
第8ハウスにカイロンを持つ人は、子ども時代に本能的な欲求が抑圧された経験から生や死、破壊衝動といった事柄に敏感な傾向があります。
悲観的なものの見方に感化されやすく、秘められた暗い感情を持て余しがちです。
心の奥底に横たわる重々しい感情は、性的な衝動や破壊的な衝動を伴うこともあるでしょう。
第8ハウスにカイロンを持つ人は、本能的な欲求や暗い一面は自分だけが持っているわけではないことに気付くことが大切です。
同じ経験や感情を持っている人のよき理解者になることで、自他ともに癒やしの手を差し伸べることが出来ます。
【第9ハウスのカイロン】高尚な分野へ深く傾倒しすぎる
第9ハウスがあらわすのは、理想・哲学・専門的な学び・海外です。
第9ハウスにカイロンを持つ人は、理想や哲学といった高尚な分野へ深く傾倒しすぎる傾向があります。
成長過程において、自分の価値や生きる意味について考えさせられる出来事にぶつかることが多いでしょう。
自分はなぜ存在しているのか、自分には何が出来るのかといった根源的な思索に耽ります。
そのため、自分の人生が無価値なものや無意味なものになることを過剰に嫌います。
知的な分野への造詣は深いものの、理論に現実性が伴わず机上の空論に終始してしまったり、知的コンプレックスが物事の真実の姿を覆い隠したりしてしまう場合があります。
第9ハウスにカイロンを持つ人は、自分の生きる価値をありのままの姿で再定義することが必要です。
自分の人生が空虚なものになってしまうのではないかという恐れからではなく、真なる理想の追求が精神的な高みへの道を切り拓きます。
【第10ハウスのカイロン】義務や責任感のバランスを取るのが苦手
第10ハウスがあらわすのは、人生の目標・使命・社会的な地位や役割です。
第10ハウスにカイロンを持つ人は、仕事における義務や責任感のバランスを取るのが苦手です。
子どもにとって両親の存在は絶対的なものです。
しかし、この配置を持つ人はなんらかの形で両親(または両親のどちらか)が完璧ではないことに気付いたという経験が幼少期にあり、権威的な存在が失墜したという傷となって残っています。
仕事における義務や責任感といった感覚が強すぎたり弱すぎたりするので、結果的に社会的な地位や役割を築くのが困難になります。
第10ハウスにカイロンを持つ人は、自分と両親とは別々の個人であると認めることが重要です。
自分は独自の価値観を持っていて良いのだと意識することで、自分なりの義務や責任の範囲を学んでいくことが出来ます。
自分以外の傷ついた人にも癒やしの手を差し伸べることが出来る配置です。
【第11ハウスのカイロン】社会や集団になかなか馴染めない
第11ハウスがあらわすのは、同じ志を持つ仲間・ネットワーク・改革・未来です。
第11ハウスにカイロンを持つ人は、伝統的な社会集団になかなか馴染めない傾向があります。
社会から疎外された孤独感から同じような志や境遇をもつ仲間と集い、新しい思想や改革を実践しようとします。
しかし、新しい集団にも結局のところ居心地の良さを感じられません。
しばらくして後に同志との縁も切れてしまうということが起こります。
第11ハウスにカイロンを持つ人は、自分の考えが社会や集団にそぐわなくても動じない心を持つことが大切です。
他者との違いを認められる度量の深さを身につけることで、自分自身を見失うことがなくなります。
社会や集団の中で自分の良さを発揮することが癒やしに繋がっていきます。
【第12ハウスのカイロン】現実世界からの逃避願望がある
第12ハウスがあらわすのは、潜在意識・実体のない世界・スピリチュアル・イメージです。
第12ハウスにカイロンを持つ人は、潜在意識や前世といった魂の原始的な段階で傷つけられた感覚を持っています。
非常に繊細な感覚を持っているので、現実世界からの逃避願望があります。
この配置を持つ人にとって、現実の世界と幻想の世界との区別はしばしば曖昧です。
現実の痛みと架空の痛みを混同してしまったり、他人の苦痛をまるで自分のことのように引き受けてしまったりすることがあります。
厳しい現実世界から逃避する手段として、空想に耽ったり、恋愛やお酒に溺れてしまったりする場合もあります。
第12ハウスにカイロンを持つ人は、豊かな想像力を現実世界で活かすことを心掛けましょう。
セラピストなどの人を癒やす仕事や、占いなどのスピリチュアルな仕事で才能を発揮出来ます。
傷ついた人を回復させる能力に長けているので、自分の傷にも恐れずしっかりと向き合えば癒やすことが出来ます。
【まとめ】カイロンの位置するハウスで魂の傷と癒やし方を知ろう!
占星術のカイロンとは、自分の魂が持つ傷と癒やし方をあらわします。
カイロンは「傷ついたヒーラー」とも呼ばれる通り、傷と癒やしという2つの要素を持っています。
ホロスコープのどのハウスにカイロンが入っているかを知ることは、自分の中で傷ついていて、癒やしが必要な場所を知ることに他なりません。
私たちは誰しも異なる性質を持ってこの世に生を受けています。
魂の傷もあなたの立派な個性のうちの1つです。
傷ついた経験があるからこそ、自分だけでなく他人をも救う癒やしの力を得ることが出来るのです。
ホロスコープに隠されたカイロンの意味を紐解き、あなたの魂に刻まれた傷を癒やしの力に変えていきましょう。