命日のホロスコープから故人のメッセージを読み解く「命日占い」。大切な人の死の悲しみから解放され、生きる意味を見つけられたら…という想いから生まれた、かげした真由子先生発案の新しい星読みです。
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この記事では、かげした真由子先生に寄せられたご相談から、亡くなった方の命日のチャートを読み解き、生きているご依頼人の魂との関わりを紐解いていきます。
第1回目は、「祖母の命日と自分の魂の関係性を読み解きたい」というM子さん(30代女性)からのご相談です。
※ かげした真由子先生のブログの過去記事を再構成して掲載させていただいています。
※ 現在、かげした先生は命日占いの鑑定を受け付けておりません。
Contents
命日占いとは?星読みで亡くなった人からのメッセージを読み解く
命日占いは、星読みの知恵をベースに、命日のホロスコープから故人が今を生きる私たちへ向けたメッセージを読み取ろうという新しい試みです。
命日を「もう一つの誕生日」として捉え、かげした真由子先生が独自の解釈を加えて、命日のホロスコープから亡くなった人と残された人との関係性やメッセージを読み解きます。
私たちにとって受け止めることが難しい「死」を、生も死も人間にとって大切な節目であることをあるがままに受け止めようとする、かげした真由子先生の祈りの気持ちがベースになっています。
【相談内容】大震災の混乱の中突然訪れた死 何を残したのか知りたい
M子さん(30代・女性)からのご相談です。
祖母が亡くなったタイミングが、私にとってとても大きな何かを残そうとして亡くなったのではないかという気がしています。でもそれが何なのかわからず、今もまだどこかで祖母のことが曖昧になっている自分がいます。
私はおばちゃんっ子で祖母が大好きだったのですが、そんな祖母が亡くなったのが東日本大震災の直後でした。当時、私は東京で仕事をしていたので、地震の時はしばらく通信も途絶え電話ができない状態でした。そんな中、ようやくつながった電話で母からいきなり「祖母が危篤状態だ」と聞かされ、呆然としてしまいました。
その後、地元と東京を行ったり来たりしましたが、地震の混乱もあって、当時の記憶はほとんど残っていません。タイミング的にも祖母の死はなかなか受け入れられず…。でも、確かに祖母の死後、私の中で何かが変わって、人生の流れが大きく変わっていったように思えるのです。
(M子・30代・女性)
かげした真由子の死生観 死はおわりと同時にはじまりでもある
出生時のホロスコープ(生まれた時の星の配置)は、その人が地上でどんな成長を遂げていく可能性があるのかを教えてくれます。
それと同じように、命日のホロスコープ(この世を旅立たれた瞬間のチャート)にも何らかの意味があると私は捉えています。
命日占いは、死を肯定するものでも、ましてや否定するものでもありません。
命について色々な思想を伝えたいわけでもありません。
強いて言うなら、自分らしい死生観を表現したいし、みなさんそれぞれが独自の死生観をもっと持ってもいいのではないか?という提案なのです。
私が持っている「死生観」は、地上で生きている人間にとって「死」はおわりであると同時に、はじまりだというものです。
私が普段行っている星読みは、よりよく生きるためでもあるけど、本当は死も生もまるっと含んでいる世界を読んでいるのだと思います。
星読みを通して、死を超えた魂の声や営みを星が教えてくれるのではないかと私は考えています。
祖母の命日ホロスコープが伝えるメッセージとは
では、M子さんの生年月日・出生時間と、お祖母様の命日から、お祖母様のメッセージを読み解いていきましょう。
まず、M子さんの出生ホロスコープとお祖母様の命日ホロスコープを重ねます。
お二人のホロスコープには、次のような特徴がありました。
1.お祖母様の命日はM子さんのソーラーリターン(お誕生日)前
2.M子さんの出生ホロスコープの金星に、お祖母様の命日ホロスコープの木星が重なっている
3.お祖母様の命日は、天王星が牡牛座に入った直後
占星術を学んでいる方であれば、ここから色々解釈していくことができるかもしれません。
私の世界観に基づいた解釈をお伝えしていきましょう。
祖母の命日は祝福を与え、亡くなった今もエールを送り続けている
ふたつのホロスコープを重ねると、M子さんの成人をお祖母様が祝福しているかのように見えます。
命日なのに「祝福」とは不謹慎かもしれませんが、私にはそう思えたのです。
M子さんのお話では、震災などの影響もありお祖母様の死を受け入れるのが少し困難だった、とのこと。
確かにM子さんにとっては受け入れるのが難しかったとは思うのですが、お祖母様はどこか安心して旅立ったように読めました。
おそらく当時のM子さんは、現実と向き合い、色々頑張っていらっしゃったのでしょう。
お祖母様はそんなM子さんを心配するというよりは、どこか「あの子も大人になったな…」という視線で見守っていたように思います。
M子さんのご相談には、「今もまだどこかで祖母のことが曖昧になっている自分がいます」「地震の混乱もあって、その辺りの記憶はほとんど残っていません」とありました。
きっと生前のお祖母様の存在は、M子さんのアイデンティティを作る上で大切な影響を与えていたのだと思います。
そして、お祖母様との別れと同時に、M子さんはアイデンティティの一部まで失ってしまった感覚になってしまったのでしょう。
もしかしたら、今もふとお祖母様とのお別れを思い出すことがあるかもしれません。
それはM子さんが自分のアイデンティティを実感したい時なのだと思います。
「私は何者なのだろう…」「この世で何を成したいのだろう…」
そんなM子さんに、今もなおエールを送り続けているのが、お祖母様の存在だと感じられます。
12年に一度のタイミングで訪れた死は孫娘の成長を見守るものだった
下の図は、外側がお祖母様の命日ホロスコープ、内側がM子さんの出生ホロスコープです。
お祖母様の命日は、M子さんのお誕生日前だったので、お祖母様の命日ホロスコープの太陽はM子さんの出生ホロスコープの太陽星座と同じ牡羊座にいました。
さらにお祖母様が亡くなったさらにこの年は、木星と天王星も牡羊座に滞在していて、星が牡羊座に集合していた時期でした。
中でも木星は、ひときわ祝福のカラーが強く、おおらかさや善のエネルギーに満ちている星です。
その木星が、M子さんの金星の上にちょうど重なっています。これは12年に一度だけのことです。
このタイミングに命日を迎えられたのも意味があるのでしょう。
木星はお祖母様で、同じ位置にあるM子さんの出生ホロスコープの金星は、お祖母様からみたM子さんと言い換えることもできます。
金星は女神性でもあり、少女性でもある。つまり木星から見た金星は女の子のお孫さんそのものです。
そして、金星だったM子さんが太陽という「大人の女性」へと脱皮したのもこの時でした。
なので「成人式のお祝い」のように見えたのです。
占星術には天体の年齢域という考え方があり、出生ホロスコープの金星というのは、その人にとって17〜24歳ぐらいまでの成長過程を表します。
24〜25歳は金星期から太陽期へと移行していくタイミングで、当時のM子さんはちょうど25歳でした。
そこにやってきたお祖母様との突然のお別れ。
つまりM子さんが、金星の時代(少女)から太陽の時代(大人の女性)になるのと入れ違いで、お祖母様は天国に旅立たれたことになります。
一人の女性が大人の社会人、女性になるようなタイミング。
だからこそなのか、この星の二人の重なった金星と木星の配置から、旅立たれたお祖母様がM子さんに託されたにものが浮かび上がってきます。
M子さんの逆行している金星からわかる!祖母が託したものとは?
お祖母様は、M子さんに「女神性」を託したのだと思います。
「女神性」といっても、スピリチュアルな雰囲気というより「真・善・美」という言葉の方がしっくりきます。
「善き心、美しい心」を持った女神のようなイメージでしょうか。
さらに、M子さんが生まれた時の金星が逆行しているのがとても印象深かったです。
出生ホロスコープに逆行した金星を持つ方の特徴は人それぞれです。
あくまで私の推測ですが、M子さんは「愛についてちょっぴり不器用さん」という印象を受けました。
お祖母様はそんなM子さんを愛おしいと思うと同時に、内気な少女のように不器用なM子さんに「もっと自信をもってよいのにねぇ…」なんて思われていたようにも感じます。
お祖母様はM子さんが持つ美しさをちゃんと知っていて、照らし出している存在でした。
それはもちろん亡くなった今も。
そして、この命日を境にM子さんの内面には「強さ」のようなものが育まれていったのだと思います。
お祖母様がM子さんの美しさを照らし出していたように、M子さんも太陽となり多くの人を照らし出していくことを、とても喜んでいるのが伝わってくるチャートです。
そのような思いをすべて含む「女神性」を託されたのだな、と伝わってきました。
M子さんは「私の中で何かが変わって、その後人生の流れが大きく変わっていった」とおっしゃっています。
お祖母様の命日は、まさにその変わり目の時期を祝福するかのような日なのです。
もしM子さんが、「おばあちゃんの死を受け入れられない私がいる」と感じた時は、
お祖母様が「M子ちゃん、自信持ちなさいね。あなたは実際に多くの人から愛されてますよ」とメッセージを発しているのかもしれません。
さらに、お祖母様の命日ホロスコープは、M子さんの明るく輝く金星に、お祖母様の木星から拡大のエネルギーが注がれていました。
金星はその人の感性、芸術性、調和する力、愛し愛される力を表します。
「自分の感性、審美眼、美的、芸術的なセンスなどももっと信じなさい。あなたは女神ですよ」と言っているようにも感じられます。
それが、M子さんのアイデンティティをより輝かしいものにしてくれます。
きっと「愛し愛される感覚」の多くを、お祖母様から学ばれたのでしょう。
【感想】祖母から受け継いだものは日常に当たり前にあるもの
今回の命日占いを受けて、ご依頼者のM子さんからのご感想です。
命日リーディングありがとうございました。とてもドキドキしながら読みました。というのは、祖母の亡くなった時期は私にとってかなり重苦しかった時期で、社会人になっても右も左もわからずオロオロしながら、先の未来も見えず、その場の感情に流され、(今の自分からが考えられないくらいに)自暴自棄になっていた時でしたので。
「命日を境に少女から女性へステージを登った、内面に強さが育まれた」というのは、まさにそうだったなと感じました。ある意味、金星期は翻弄されたというか…。まさに「愛についてちょっぴり不器用さん」(ちょっぴりどころか大いに)で、金星期はずっともがき続けていましたね…。
最近、ご先祖様について思いを馳せる機会があり、祖母から私が受け継いだものは、日常の暮らしの中にごく当たり前にある「豊かさ」とか「美しい瞬間」というものだったんだなと感じました。
いつも祖母の家に遊びに行くと、日の当たる暖かい部屋で、紅茶を入れてくれて、美味しいお菓子を用意してくれていて、そこでゆっくり何気ない話をしたり、笑ったりしていた…そんな時間が思い出されます。祖母と過ごす時間はいつも心もお腹もいっぱいに満たされて、とても居心地がよかったのです。
祖母の最期、お見舞いにいったときに、祖母はもうそれこそ意識が混沌としていて、誰が誰だかもわからない状態でした。でも、まだ元気だった頃をふと思い出したのか、母に向かって「今日はM子ちゃんが来るから、何かご飯を用意しておかないと」としきりに話していた姿が思い出されました。本当に祖母は私のことを愛してくれてて、最後まで思いやってくれていたんだなと強く感じました。
祖母が亡くなった25歳が、ちょうど金星期から太陽期へと切り替わる時期だったのですね。すごく衝撃というか…。確かに、私は祖母の死後、自分で何かを決めてそれを実行するようになっていきました。それはもともと私が持っていたはずの性質だったと思うのですが、社会人になって翻弄されていくなかで使い方がわからず、見失ってきてしまっていたようです。でも、金星期はそれはそれで、もがきながらもその時々の感情を味わい、素直に私がそうしたいという思いに従って生きていたなぁと思います。
その金星のあまりの行き当たりばったりさに対して、太陽は1本筋を通させようとしたというか、「私は一体何が欲しいのか」を問いかけて、その方向へ向かえという道筋を示していってくれたんだなと感じます。家族、子供、住む場所、仕事と、欲しいものを描き、着実に実現させてきた太陽期だったなと思います。その道を歩む中でいつも「おばあちゃんがいたら…」と思う私もいました。
今は太陽期の総仕上げ的な時期でもありますし、自分がどういう形でこの世界で活躍できるのか模索している段階でもあります。今後こういうことをやっていきたいな、こういう風に生きていきたいなというものも見えてきつついます。祖母が祝福を与えてくれた私の金星を、あのころよりも成長した私が使っていくことで、今の時代にとってより良いものを生み出していきたいなと思います。
M子
【命日占い】鑑定を終えて
お二人のホロスコープを拝見して、お祖母様から受け取ってこられた心地よさ、思いやり、すべてM子さんの中で確かなものとして育まれているのを感じさせていただきました。
祖母から私が受け継いだものは、日常の暮らしの中にごく当たり前にある「豊かさ」とか「美しい瞬間」というものだったんだなと感じました。
おそらく、そういった人生の中にある暖かさ、きらめきを学ばれたのでしょうね。
そして、今はM子さんがそれを誰かに届けているのだろうなぁと想像できます。
私には霊能力はありませんが、星を通じてお祖母様の魂に触れさせていただいている間、
なぜかずっとキラキラしたガラス細工のような、ステンドガラス(よりももっと柔らかくて明るい)のイメージが浮かんでました。
私自身、女神…なんて言葉はあまり使わないのですが、思わずそういう言葉が出てしまうぐらい煌めきを感じました。
金星は喜びを感じる力であり、美しさを見出す力だと思います。
お祖母様はきっとそんな金星の煌めきを伝えていたのでしょう。
日常の中に美しさ、煌めきを感じて、誰かと喜びを分かち合うこと…これからも大切に歩んでいただけばと思います。