命日のホロスコープから故人のメッセージを読み解く「命日占い」。大切な人の死の悲しみから解放され、生きる意味を見つけられたら…という想いから生まれた、かげした真由子先生発案の新しい星読みです。
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この記事では、かげした真由子先生に寄せられたご相談から、亡くなった方の命日のチャートを読み解き、生きているご依頼人の魂との関わりを紐解いていきます。
第2回目は、難病を苦に死を選んだ弟さんとの魂の関わりを読み解きたい…というしっぽさん(女性)からのご相談です。
※ かげした真由子先生のブログの過去記事を再構成して掲載させていただいています。
※ 現在、かげした先生は命日占いの鑑定を受け付けておりません。
Contents
命日占いとは?星読みで亡くなった人からのメッセージを読み解く
命日占いは、星読みの知恵をベースに、命日のホロスコープから故人が今を生きる私たちへ向けたメッセージを読み取ろうという新しい試みです。
命日を「もう一つの誕生日」として捉え、かげした真由子先生が独自の解釈を加えて、命日のホロスコープから亡くなった人と残された人との関係性やメッセージを読み解きます。
私たちにとって受け止めることが難しい「死」を、生も死も人間にとって大切な節目であることをあるがままに受け止めようとする、かげした真由子先生の祈りの気持ちがベースになっています。
【相談内容】難病を苦に死を選んだ弟について知りたい
しっぽさん(女性)からのご相談です。
私の弟は、41歳でこの世を去りました。弟はなぜその日を選んだんだろう?というのが気になります。
弟は難病で、どんどん悪化して希望の持てない人生を杞憂しての自死でした。私も当時は頑張り続けるのに疲れ、早く寿命が来ればいいのになという心持ちで「消極的に死を望んでいた」時期でもありました。しかし、弟が死んでしまったことで「私がその選択をできなくなってしまった」と感じました。そして、「生きろ」と言われているような気持ちでいます。
振り返ると、弟は人生の「陰」の部分を引き受けてくれたような気がします。弟とは出産予定日が同じだったこともあり、そう感じています。弟は「自身の死」によって姉の私だけじゃなく、家族の中の陰の部分というか重たいものを背負っていってくれたような気もしています。
しっぽ(女性)
かげした真由子の概念が覆された弟さんからの強烈なメッセージ
今回は、亡くなられた弟さんのお姉様(しっぽさん)がご依頼人です。
- お姉様(しっぽさん)の出生ホロスコープ
- 弟さんの命日ホロスコープ
- 弟さんの出生ホロスコープ
を使って読み解いていきます。
今回のご相談は「難病を苦に死を選んだ弟さんの命日を読む」というテーマでしたが、実は、最初は何度読んでも「しっくりこない」のが正直なところでした。
「なぜこの日を弟さんは選んだのか」
「弟さんは死をもって家族やお姉さんの陰の部分を背負う役目だったのか」
について回答を出そうと思って読めば読むほど、しっくりきませんでした。
ピンとくる解釈が見つからなかったのです。
私の洞察不足、語彙力の不足かなぁとも思いました。
しかし、それだけではなく、私が大事なことを見落としているように思ったのです。
その見落とし、思い込みに気づいた後は筆が嘘のように進み始めました。
そのきっかけは、弟さんの命日ホロスコープが教えてくれました。
しっぽさんのご相談の意図と外れている気がして、最初は書くのをためらったのですが、次第にそれが弟さんの声のように思えたのでお伝えしますね。
弟さんのホロスコープからは、「僕は一生懸命生きた、と伝えて!」と伝わってきたんです。
ホロスコープを読んでいくと、弟さんの魂の声はお姉様だけに向けられたものではないことに気づきました。
これはすべての人に向けて伝えたいことではないか、と。
読み手の私に対する「ここ外さないで!」という声にも聞こえました。
私たちの集合的無意識が感じている「自死」という意識に対して投げかけられた一言のように私は受け止めました。
「僕も生きたんだ」と。
そして、何度も浮かび上がるその一言に、私は自分の中に起こっていたことに気づきました。
私の中に、「自死=美化してはいけない、救いがなくてはいけない」という概念があったことに。
このことがホロスコープを真正面から読むことに阻んでいたのです。
「僕も生きたんだ」という声が聞こえた(ホロスコープを分析していたら浮かび上がった)時、私は「ああ、少し葛藤してよかった」と思いました。
だから、まずは弟さんのその言葉をお伝えしたいと思いました。
私たちは「自死」という言葉から、「死に方」だけではなく、無意識にどこかその方の生きてきたプロセスまで否定してしまってたかもしれないよ…と。
正直なところ、私にとって大切な人が自死したら、胸が引き裂かれる思いになるでしょう。
すべてなかったことにしたい…と思うのも自然なことです。
しかし、その怖さを見透かしたかのように、ど真ん中にズバーーーーンと入ってきた言葉、それが「僕も生きたんだ」だったのです。
しかも、「僕も生きたんだ」だけ。
「一生懸命生きたんだから!」でもなく、「だから自殺を許して!」でもない。
ただ、「40数年間生きた」ということを伝えて、と言っていました。
【弟さんの命日ホロスコープ】ふっと重みに耐えきれず折れてしまった
弟さんの命日ホロスコープには、次のような特徴があります。
1.弟さんの命日ホロスコープの冥王星が太陽と土星にタイトに角度をとっている
2.弟さんの命日ホロスコープの火星が弟さんの出生ホロスコープの太陽とスクエア(90度)
心身の辛さのピークも弟さんの命日ホロスコープに現れていましたが、そんな状況でも弟さんには「生きたい」という気持ちがありました。
しかし、「どこまでこの先の見えない不安が続くのか…」というプレッシャーがピークに達して、弟さんの「生きたい」を見えなくしてしまった…ということだったのではないでしょうか。
弟さんにとっては「どんな扉でもいい、ここから出られる出口が欲しい!」といった息苦しさから解放される感じのホロスコープに見えます。
冥王星は、「死と再生」を象徴します。
弟さんの命日ホロスコープでは、冥王星が太陽と土星にタイトに角度をとっていました。
これは、プレッシャーに耐えかねているけど、頑張ろうとしている、というように見えました。
さらに、弟さんの命日ホロスコープの火星も弟さんの出生ホロスコープの太陽と90度(ほぼぴったり)でした。
これは、弟さんにとって心身の辛さがピークに達した日。
でも、生きたんだという証の痛みにも見えました。
ふっと重みに耐えきれず折れてしまったかのような命日ホロスコープでした。
【弟さんの命日】しっぽさんにとって未来を切り開く日
では、しっぽさんと弟さんにとって、この弟さんの命日はどのような意味があったのでしょうか。
しっぽさんの生年月日・出生時間と、弟さんの命日から読み解いていきます。
まず、しっぽさんの出生ホロスコープと弟さんの命日ホロスコープを重ねます。
占星術で相性を読むときと同じ方法です。
弟さんの命日ホロスコープとしっぽさんの出生ホロスコープには次のような特徴があります。
1.しっぽさんの出生ホロスコープの地平線を、ドラゴンヘッドとドラゴンテイルが横切っている
2.しっぽさんと弟さんの出生ホロスコープが類似している
ホロスコープの地平線を横切るドラゴンヘッドとドラゴンテイル
弟さんの命日ホロスコープの星たちは、まるで、しっぽさんの出生ホロスコープの柱の部分を掴んでグルッと動かそうとしているように見えます。
ホロスコープの盤面って、「舵を切る」船の操縦桿のように見えますよね。
その舵が、大きな力でグググッと回されるようなタイミングでした。
しかも、舵に力を加えているのが龍です。
弟さんの命日の日は、しっぽさんのホロスコープの地平線を龍が横切っているのです。
ホロスコープの中には、龍の頭と尻尾があります。
いわゆる「ドラゴンヘッド」と「ドラゴンテイル」ですね。
ドラゴンヘッドとドラゴンテイルは、下のホロスコープの左と右にある黒い記号です。
ドラゴンヘッド(龍の頭)は、しっぽさんの「私自身(私の頭)」を位置するところにあります。
ドラゴンテイル(龍の尻尾)は、しっぽさんの「私以外」を位置するところにあります。
ホロスコープのドラゴンヘッドは、未来を切り開くポイントです。
それがしっぽさんの「顔や頭」を意味するところに乗っています。
つまり、弟さんの命日ホロスコープは、しっぽさんに「未来へ進め!進め!」と言ってるんです。
弟さんは「未来を生きろ」と言っています。
「過去も尊重すればいい。でも、過去にこだわらなくていい」と。
弟さんの命日は、しっぽさんにとって「未来を切り開く日」だったのです。
お二人のホロスコープの類似
弟さんとしっぽさんの出生ホロスコープを拝見すると、とても似ています。
火星、金星、水星が同じ星座で、月も同じ確率が高いです。
だから、この世での欲求や生き方も、どこかお互い共通したものがあったかもしれません。
出産予定日も同じだったことが、それを表していますよね。
でも、実際の出産日は少しズレました。太陽星座だけ異なるのです。
それが「宇宙のはからい」だったとしたら…。
太陽という「魂ど真ん中にあるもの」だけが違う。心臓部が違ったのです。
太陽は生命そのものなので、命の輝かせ方は違うものを持っていたと言えます。
しっぽさんは、人との関わりの中で成長する人生を選ばれています。
人の深いところと繋がり、影響を与えていく、そんな人生です。
そして弟さんが旅立たれた日、未来へのスイッチを押した、舵を切ったのです。
【命日占い】しっぽさんが呼吸している隣で弟さんも呼吸している
しっぽさんの出生ホロスコープと弟さんの命日ホロスコープを融合すると、1つのホロスコープが出来上がります。
融合したホロスコープから、これから弟さんの「死」をどう捉え、しっぽさんはどう未来を創造していくのかという景色を描かせてもらいました。
この融合したホロスコープから見えてくる絵。それは「何かに息を吹き込んでいる」という景色です。
サビアンシンボルでいうと、Glass blowers(ガラス吹き)。
何かに息を吹き込んで1つのものを作る、という度数です。
息を吹き込んで作ったガラスの玉の中は、1つの宇宙空間のようですね。
そして、天と地のお二人の魂の融合したホロスコープをストレートに言葉にしてみると、弟さんの「死」に息を吹き込むとなります。
「死に息を吹き込む」は、「死を無駄にしない」とも違うし、「死を許す」でもないし、「死を悼む」でもない。
ただ息を吹き込む。生きている人間の息を吹き込む…ですね。
弟さんの分も生きるとか、身代わりになって生きる…という感じでもありません。
しっぽさんの人生に弟さんの人生という息を吹き込む、弟さんと一緒に呼吸をして生きる、という感じです。
しっぽさんが呼吸している隣で、弟さんも呼吸している。
そして、しっぽさんに「お姉ちゃん、生きているっていいね」って呼吸を楽しんでいる。今もそうしている。
そんなイメージです。
【命日占い】弟さんのメッセージ「もっと自分らしく生きてほしい」
弟さんの魂は、生きているときからずっと、お姉さんや他のお友達やご家族といった方々と一緒に同じテンポで、同じ空気を吸って、呼吸をして、成長したかっただけなのではないかと思います。
しかし、どうしてもそれができるように思えなかったのでしょう。
おそらく、生きている間は思うようにできない自分が辛かったのだと思います。
そして、弟さんの無価値感、辛さ、いろいろなものが、あの世へ繋がる開けて欲しくない扉を開けてしまったのかもしれません。
「弟が家族の陰を背負っていってくれた」というのは、生きている人間にとってそうかもしれません。
しかし、弟さんが決してそのために死を選んだという意味ではありません。
ただ言えるのは、弟さんの死という1つの歴史の中に、しっぽさんの未来へのスイッチがあるということです。
弟さんは、しっぽさんにもっと「生きる」チャンスがあることを伝えたかったのかもしれません。
私がメッセージを付け加えるとしたら、「生きろ」そして「一緒に成長しよう」という感じでしょうか。
しっぽさんは、ご相談の中でこのようにおっしゃっていました。
私も当時は頑張り続けるのに疲れ、早く寿命が来ればいいのになという心持ちで『消極的に死を望んでいた』時期でもありました。しかし、弟が死んでしまったことで『私がその選択をできなくなってしまった』と感じました。そして、『生きろ』と言われているような気持ちでいます。
そう感じられたこと、受け取られたこと、間違ってないと思います。
弟さんは、開けて欲しくない扉を開けて、あの世に旅立ってしまいました。
しかし、その選択は、彼自身が1番受け取り難いものだったと思います。
だから、お姉さんであるしっぽさんには、「もっと生きられる」ってことを選んでほしいと思われているのではないでしょうか。
「もっと生きられる」というのは、「もっと長く生きてね」「もっと幸せになれるよ」…など、「もっと〇〇に生きられる」の〇〇にしっぽさんが入れたい言葉を入れていただければと思います。
【感想】生きて楽しむことを心に据えて、新しい扉を開いて進みたい
今回の命日占いを受けて、ご依頼者のしっぽさんからの感想です。
この度は命日占い、どうもありがとうございました。鑑定していただいてとても嬉しく思います。弟は遺書も残さずに逝ってしまったので、「何か伝えたいことがあったのなら聴いてみたいなぁ」という気持ちを持ちつつも、その機会もなく「いつかその機会に巡り合えるだろう」くらいに思っていました。そんな時にたまたま、ある人から弟らしき人からのメッセージを教えてもらうことがあり(施術中に見えたヴィジョンで、とにかく『大丈夫だからと伝えて』というものでした)、その後、今回の命日占いの募集があり、なにかの計らいのように感じて申し込んだのでした。
弟の死に対しては当初は、「もう会えない」という悲しみと共にそこに至る気持ちも理解できたので、ただ受け入れるだけであったこと。そして当時は『引き寄せの法則』の考え方を取り入れ始めたばかりでしたので、「自分の今までの負の感情が影響を及ぼしたのではないか?」と考えてしまったり、人には影響を及ぼさないと知って安堵したりと、いろんな気持ちを味わっていました。
ただ、「死」を選んだことに対して、誰かを責めても仕方がないということは感じていました(弟も一緒に住んでいた家族も自分自身も)。そして、「どういう心持ちでいるのか?」「自分はどうしたいのか?」「どんな状態で在りたいのか?」ということに焦点を合わせて、取り組み始めた時期でもあります。まさに未来に進む(どんな未来がいいか?)ということを意識し出した時なんですね。もちろんそれは「起きる出来事に対して、どう対処するべきか?」ではなく、「私は選べる!クリエイトできる」という方向です。
「必ず訪れる死を前にして、自分はどこまで自分を幸せにできるのだろうか?」遺書を残さなかったけど、着々と準備をしてきた弟の痕跡があるので、「その日」がどうしようもない心持ちに至ってしまったことは、鑑定を受けて「そうか、辛かったね」と受け止めています。弟の心持ちを少しでも知ることができたのが、本当に嬉しく思います。
弟に思いを馳せつつも、だからといって「弟の分も!」と言ったおこがましい気持ちは湧き上がらず、ただ「いろいろあったけど、面白くて楽しい人生だったな~」と思えるように生きて
弟に「あー、また人間やりたい!」と思わせてやろうと思っています。人の人生を肩代わりできませんし、するつもりもないので、かげした真由子先生の「弟さんと一緒に呼吸をして生きてるって感じです。ただ、しっぽさんと共に弟さんがいて一緒に呼吸をしているって感じ」というのが、すごく腑に落ちて、楽になった感覚です。
私には兄もいるのですが、兄も兄で「故人の好きだったものを時折食べたり、故人が好きだったことをやってみる」ということで、自分を介して亡くなった人の好きなことを体験しているようです。それもまた供養ですね。おそらく遺書があれば、心を寄せて代わりにやってあげたかったというのが兄にはあるのかもしれません((命日の2日後が兄の誕生日でもあったので、気にしていたようです)。あらためて「生きて楽しむこと」を心に据えたいと思います。そして、鑑定を見て心を寄せていただいた方々に感謝申し上げます。
計らずも、この鑑定結果を見る前に何故だか無性に「扉の掃除」をしたくなり、玄関や部屋の扉を拭いて回りました。鑑定結果に【扉】や【開く】というキーワードがあったのも、何かのメッセージだったかもしれません。そして、今のタイミングで弟からのメッセージを受け取ることになったのも、私にその準備ができたからかもしれませんね。
最後に、かげした先生、心を込めた鑑定をどうもありがとうございました。また新しい扉を開いて進みますね。
しっぽ
【命日占い】鑑定を終えて
しっぽさんが色々な思いの中、この出来事を受け止めてこられたことが伝わってきました。
私は鑑定する時、自分の能力よりも相談者さんとの「ご縁」を信頼するところがあります。
必要だから出会わせてもらえたんだな…と。
今回、ご応募頂いたのも私にとっても必要なご縁だったと実感しております。
「また、新しい扉を開いて進みますね」という最後の一言もとても嬉しいです。
命日占いでは、亡くなった人のリーディングでもありますが、ご依頼人のためのものです。
ですから、そう言ってもらえて嬉しいです。
ぜひ新しい扉を開いて新しい景色を見に行ってくださいね!