2012〜2025年は、海王星魚座時代です。
海王星魚座時代が前回訪れたのは1848~1863年。海王星は165年の歳月をかけて太陽のまわりを一周し、再び魚座のもとに戻ってきました。
つまり、165年ぶりに海王星魚座時代がやってきているのです。
海王星が魚座に滞在していることは、他の星座(サインに)に海王星があるときよりも特別な意味があります。
なぜなら、海王星にとって魚座は本来の場所だから。
言い方を変えると、魚座の支配星(副支配星ともいいます)が海王星だからです。
私たち人間も、馴染みのあるホームグラウンドに身を置いているとリラックスしますし、本来の力を発揮しやすいですよね。
海王星が魚座にいる状態は、それと同じこと。
簡単にいうと、海王星魚座時代は海王星の影響がとてもパワフルかつストレートに現れる時期だと言えます。
では、海王星魚座時代とは具体的にどんな時代なのでしょうか。
今回は、過去の海王星魚座時代に起こった現象をひも解いて、2025年までに私たちにどんなことが起こり得るのかをご説明します。
Contents
海王星魚座時代は「すべての境界線」を溶かしていく
海王星には「見えない世界」「すべてのものを溶かす」という意味があります。
つまり、ファンタジー、夢、霊的なものが海王星的だと言えます。
そのような世界には、時間や空間という区切りがありません。限界のない世界で、制限という境界線がありません。
その海王星がパワフルになるのが魚座というエリアなので、あらゆるものの境界線が溶けていくときといえるのです。
時間や空間の域を超えて夢やイメージが広がり、その一方、曖昧になることも増えていくのかもしれません。
また、海王星はすべてを溶かしながら異なるものを繋ぎ合わせる働きも持っています。
それは、理想と現実を繋ごうとして起こる行き過ぎた理想主義かもしれませんし、現実逃避という混乱した動きで現れることもあるでしょう。
歴史を辿ることでそういったことに気づくことができます。
過去の海王星魚座時代に起こった代表的な出来事のひとつに、ゴールドラッシュがあります。
ゴールドラッシュとは、新しく金が発見された地に一攫千金を狙う採掘者が殺到することですね。
特に、1848年ごろアメリカ・カリフォルニアで起きたゴールドラッシュが有名です。
多くの人が夢を抱いてカリフォルニアに押し寄せましたが、実際に莫大な富を手にしたのはごく一握りの人だけ。多くの人は富を得ることなく故郷に帰りました。
このように、海王星魚座時代は夢もみさせてくれますが、夢と現実、理想と現実との境界線が曖昧になる作用もあるのです。
しかし、私たちがより進化し、発展していくには、可能性を広げるためのイマジネーションも必要ですね。
そういったことを心に留めながら、海王星魚座時代がどんな影響を与えるものなのか、まずは歴史から読み解いていきましょう。
「すべての境界線を溶かす」海王星魚座時代に起きたこと
前回、地球が海王星魚座時代に突入したのは1848年でしたが、ゴールドラッシュ以外にも歴史的な出来事が起きています。
これらは、何かと何かの間の境界線が溶けて、異なるもの同士が融合されるという共通点があります。
階級間の境界線が溶けた
あらゆるものの境界線を溶かすという点では、マルクスとエンゲルスという人物の功績が挙げられます。
彼らの問題提起が「社会における階級」という境界線を打ち砕き、溶かしていったのです(共産党宣言)。
人種間の境界線が溶けた
さらに、パリ、ウィーン、ブダペストなど大きな都市では、革命が次々に起こりました。
その後、1850年代にはアメリカに大量の移民が訪れて、さまざまな人種が数千万人単位で押し寄せました。
まさに「人種の境界線がなくなった」出来事です。
文化の境界線が溶けた
日本では、幕末にあたる1853年にペリーが黒船でやってきました。
長い間鎖国をしていた日本は、これをきっかけに開国を迫られて貿易をはじめます。
このように、世界各所で「境界線が溶ける」出来事があり、振り返ればその多くが「現実と夢や理想」を結びつけるものであったことが分かります。
そして、時にそれは混乱を起こすものであったのです。
2012〜2025年の海王星魚座時代には、どのような境界線が溶けていくのか?
前回から165年ぶりとなる、2012~2025年の海王星魚座時代。今回もいろいろな形で海王星の影響が現れています。
海王星には、境界線を溶かしてなくす作用、異なるものを繋ぎ合わせていく作用がありますが、それは私たちの可能性を最大限に広げるためだと言えます。
ただの「混乱」ではなく、可能性を広げたり制限を超えたりして、世界が進化する方向に活かすことが求められているのかもしれません。
性別を越える
日本国内でも政治やニュースで取り上げられるようになり、認知度が向上した「LGBT」。
性別に対する価値観が多様化する時代が訪れつつあります。
人種や年齢を超える
雇用においては、人種や年齢にとらわれずに人材を活用する「ダイバーシティ」の考え方も広まってきました。
分野にかかわらず古くからの風習はすたれはじめ、世代交代とともに新たな常識が誕生しています。
境界線が溶けると、現実逃避も起こりやすい
一方で、現実と夢の境界が曖昧になることで、薬物や不貞行為など心の乱れが生じているという影響もあります。
日本国内でも、芸能界を中心にさまざまなスキャンダルが報道されました。
海王星魚座時代を象徴する「ポスト・トゥルース(脱!真実)」って何?
2016年のワード・オブ・ザ・イヤー(世界的な流行語のようもの)に「ポスト・トゥルース」が選ばれたのをご存知でしょうか?
日本語に訳すと「脱・真実」となり、客観的な事実やニュースよりも、人の感情を動かす「嘘」の方が社会に影響を与えてしまうということを言い表した言葉です。
真実と嘘の境界線が曖昧になっていることを表していますよね。
例えば、冷静に考えれば嘘だとわかることも、
「自分の知っている人がSNSに書いていることなら信用できる」「ネットで検索したときに上位に挙がってきたので」といったことから、
デマや嘘が真実になってしまう状態のことです。これは私たちにとっても人ごとではありません。
誰もが情報を真実かのようにネットで発信できるようになった今、どのような情報を選べばいいのか判断力が求められます。
海王星魚座時代が人間関係に与える影響〜境界線が溶けると人間関係にどのような影響があるのか?〜
海王星がもつ現実と理想を結びつける力は、ポジティブにもマイナスにも働きます。
ポジティブな側面=相手との調和や愛による結びつき
お互いの気持ちが繋がりやすくなることで、交友関係の輪を一気に広げることができるようになったり、
相手の気持ちを察しやすくなり、他人の痛みを自分のこととして捉え、慈愛の精神で溢れるでしょう。
マイナスな側面=実際の相手を置き去りにする
個人と個人の境界線が曖昧になるということは、互いに不必要な影響も与えあうことになります。
相手の機嫌が悪いことを過剰に気にして気を使ってしまったり、目の前のリアルな相手ではなく自分の想像上の相手像が膨らんで被害妄想に陥ったりといったことも起きやすいといえます。
海王星魚座時代に注目されるビジネス〜境界線が曖昧になると、どんなブームが起こるのか〜
理想と現実が曖昧になるので、精神世界、スピリチュアルな分野、普段気づかない潜在意識などをあつかう心の世界の仕事が求められたり、広がりやすかったりします。
そういう業界でなくても、とくに接客・サービス業に分類される職種に影響を与えます。
「個人」という境界線を越えて、相手の気持ちを察知することを求められるとも言えますし、ニーズを引き出していくことも求められます。
また、時間や空間を超えるスタイルで仕事をする人も増えていますね。
ネット環境が普及した今、時間や場所にこだわらずに働く人も増えましたし、組織や雇用という形態に縛られないビジネススタイルも選択できるようになってきました。
海王星が境界線を曖昧にして可能性を広げる作用は、ビジネスの分野においても影響を及ぼしています。
ちなみに、これまでの時代のことにも少し触れておきましょう。
海王星山羊座時代(1984年~1998年)
海王星が山羊座に巡ってくることによって、山羊座が表す「社会的な組織、責任、役割」といったことが曖昧なりました。
よく言えばフリーなムードが高まり、これまでの役割にこだわらないビジネススタイルが可能になりましたが、
一方で、責任や役割に対しての意識が希薄になったとも考えられます。
1991年前後に「フリーター」という言葉が定着してきましたが、まさに山羊座海王星時代を象徴する言葉です。
海王星水瓶座時代(1998年~2011年)
水瓶座はインターネットを表しますので、まさにインターネットが普及した時代です。
インターネットによりどんどん時間と空間の境界線がなくなり、自由なビジネススタイルをとる人が出現しだした頃です。
また、水瓶座は独立心を表しますので、そういったことからも、ビジネスもどんどん組織に頼らずに取り組む風潮が大きくなりました。
まとめ
さまざまな観点から海王星魚座時代について説明しました。
過去や現在の出来事から、海王星がもつ「現実と夢や理想を結びつける力」の大きさは明らかです。
既成概念や常識の変革が起こりやすい時期であり、個人から世界まであらゆる規模でさまざまな価値観が生まれます。
この影響はポジティブにもネガティブにも作用しますので、正しい選択を選びとる判断力が求められるでしょう。