2021年5月26日、射手座で満月(月食)を迎えます。星読みテラスを監修する西洋占星術師・かげした真由子先生が、今回の満月の解説と過ごし方のポイントをお届けします。
2021年5月26日20:13、射手座で満月(月食)を迎えます。
満月は、前回の新月で蒔いた種が花を咲かせるタイミングです。
今回の満月はどのような花を咲かせるのか、そしてどのように過ごせばよいのかを読み解いていきましょう。
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2021年5月26日の射手座満月は月食
2021年5月26日20時13分 射手座で満月(月食)を迎えます。
今回は月食をともなう満月となります。
月食は半年の満期・節目
新月・満月は毎月訪れるものですが、日食や月食はだいたい半年に1回起こります。
ホロスコープ上で、ドラゴンヘッド・ドラゴンテイルとよばれるものが近くにあるときには「食」が起こると読みます。
月食は、月が地球の影によって欠けて見える天体現象です。
日食と違うのは、地球の影によって月が暗くなるという点です。
月食は実際に月が隠されているわけではありません。
地球の影で暗くなる部分が、あたかも月が欠けているように見えるだけ。
太陽、月、地球が一直線上に並んでいるから起こるんですね。
さて、天文学的な解説は以上のような感じですが、占星術的に月食はどのように解釈すればいいのでしょうか。
伝統的占星術の解釈では、太陽は国家の指導者である王様、月はお妃様とされていて、それらが隠れてしまうといったことから、日食は国の弱体化を意味するとして恐れられていました。
現在でも日食はリーダーに関わる重要な出来事として読み、政治など社会的に重要な出来事が起こる可能性があると解釈します。
一方で月食は、リーダーと言うより国民全体を表し、文化や国民感情の変わり目、混乱を表すとも言われます。
現代の占星術、特に心理学的な要素を取り込んだ解釈では、光が一旦消えてまた蘇ることから「自我の生まれ変わり」「自分らしさを脱皮する」という読み解きが多く見られるようになりました。
また、月食は満月に関連していますので、「なにかが満期を迎える」と読み解くことも。
月はプライベートや感情を表すので、私的なことや内面的テーマでなにか変化が起こりやすい、満期を迎えやすい時期と解釈されます。
ここで、「星読み」を日本に広めた石井ゆかりさんの、食に関する表現がとてもわかりやすいので紹介させていただきます。
たとえば、毎月の新月や満月を「毎日の洗髪」とするなら
「食」は、美容院に行くタイミング、にあたります。
半年から1年の物語が終わり、新しい物語に入るタイミングなのです。『星読み+』(石井ゆかり/幻冬社コミックス)
つまり月食は、「いつもよりすごい満月」と理解できますし、これから半年間に向かっての節目といえます。
射手座満月は自分の最善を見出す時
2021年5月26日の満月(月食)は、は射手座で起こります。
射手座はとても広い視野を持つサインであり、哲学的な思想や、高い理想を表します。
つまり、今回の満月(月食)は、「自分にとっての最善」を見出そうとするタイミングではないかと思います。
今に始まったことではありませんが、2020年ぐらいから、私たちの周囲には様々な価値観があふれています。
しかもあふれているだけではなく、その中から自分にとって最善のものを選択する機会が多くあります。
といったことから、特定の意見を「正しい」とするのではなく、「自分にとっての最善」を見出そうとする、もしくはそれが必要になってくる満月(月食)だと読み解けます。
では、満月(月食)のホロスコープを詳しく見ていきましょう。
2021年5月26日射手座満月のホロスコープを徹底解説!
2021年5月26日20:13、射手座で満月(月食)を迎えます。
ホロスコープの特徴はこちら!
柔軟宮の満月と木星がTスクエア【答えの出ない満月】
2021年5月26日射手座の満月(月食)は、双子座、射手座、魚座という「柔軟」を意味する星座に多くの星たちが集まっています。
これらの星座は「柔軟宮」と呼ばれ、変化に対応するためのしなやかさや、多様性を表します。
そこに満月だけでなく、水星・金星・木星・海王星までもが滞在しているのです。
満月は「何かが満ちる」。つまり、ひとつの結果を手にするような節目なのですが、
2021年5月26日の満月(月食)は、「正解が見つからない」「方向性が定まらない」ことを示唆しているように思います。
月食は個人の生活の節目を表しますので、日常生活を営むうえで自分なりに試行錯誤する場面が増えることを物語っています。
月食の影響は半年間続きますので、しばらくはそういったムードに包まれるでしょう。
さらに、試行錯誤するムードを強化するように、射手座の月、双子座の太陽という満月に、魚座の木星がTスクエアという葛藤の直角二等辺三角形を形成しています。
「答えが欲しい時にもかかわらず答えがない」
だからこそ、無駄な妄想やイメージも膨らんでしまうようです。
個人的には、この「答えが出ないムード」は、コロナ禍に対する姿勢、治療や予防に関する選択に関することと切っても切れないと感じます。
一方で、木星は恩恵を表します。
試行錯誤の先に、「万人への正解」ではない、「現在の自分なりのベストチョイス」がきっとあるはずです。
ドラゴンヘッド・テイルをカイロンが調停【答えが出ない時こそ健全な議論が必要】
2021年5月26日、満月(月食)が起こるのは射手座6度(数え度数)です。
この度数には「クリケットゲーム」という面白いサビアンシンボルが当てはめられています。
クリケットとは日本ではあまり馴染みがないスポーツですが、フェアプレイと社交性を重んじるイギリス発祥のスポーツです。
It’s not cricket という英文は「フェアじゃない」と翻訳されるほどです。
今回の満月(月食)が起こる射手座という星座は、より高い成果や記録を求め「競争すること」が好きです。
ある意味「自分の哲学や理想こそ最善である!」と主張したいエネルギーでもあります。
しかし、主張することにこだわりすぎると、単なる「蹴落とし合い」になってしまうでしょう。
そのような争いからは何も生まれませんが、「互いに敬意を払うフェアプレイの精神があると、議論は生産的なものになる。」
そんなメッセージを伝えてくれるのが、今回の満月(月食)です。
また今回、双子座のドラゴンヘッドと射手座のドラゴンテイルの軸が表しているのは「理想や信念をいかにして日常に落とし込むのか。」ということです。
例えば、メディアでは、専門家や有識者が様々な意見を述べるでしょう。
ですが、私たちにとって重要なのは日常です。
机上の空論にならないような考え方や視点が求められるでしょう。
日常に何を取り入れるべきか……答えは一筋縄では出てこないと思いますが、自分の頭の中でも異なる意見を議論させることは決して無駄ではないのです。
カイロンという傷や癒し、または高度医療をキーワードに持つ小惑星が、ドラゴンヘッドとテイルの軸を調整してくれています(メディエーション)。
治療、医療に関わるテーマで生産的な議論が行われることを期待したいと思います。
水星・金星が海王星と90度【正解がつかめないからこそ生まれる何か】
ここまでお伝えしてきたように、2021年5月26日の射手座満月(月食)では、手ごたえある正解は手に入らない可能性が高いです。
ですが、そんな時だからこそ「言葉にならないなにか」「答えが出ない曖昧さや混沌さ」のエネルギーを昇華するための、興味深いアートや対話(議論)が生まれるのではないかと期待できます。
日本では、水星と金星が人間関係や対話を表す双子座のディセンダント(Dsc)にあります。
水星は論理的で具体的な答えであり、金星は心地よさや調和です。
そして、2つの星が互いの意味を高め合っているところに、魚座の海王星がスクエア(90度)という角度でさらにその意味を強めます。
答えが出ないからこそ、対話も活発になるでしょうし、曖昧な世の中だからこそ心地よさをクリエイトしようとするでしょう。
火星と冥王星を海王星が調停【答えより大事なのは希望】
先の見えないムードや「こうすれば大丈夫!」という明確な答えがないムードのなか、
「大事なのは正解を探ることではない」といったメッセージが、今回の満月のホロスコープから、浮かんできます。
火星と冥王星のオポジション(180度)は、自分を超えた大きな権力や力が正解を教えてくれるわけではないことを物語っています。
火星は情熱の向け方、冥王星は抗えない支配力。
強いパワーを持つ2つの天体がにらみ合ったままだからです。
そんな緊張感の中で私たちは「余計な重荷」に気づきます。
少し極端な例えですが……とても高い所にある吊り橋を、この「火星と冥王星の180度」とイメージしてみてください。
その橋を安全に渡ろうとする時、余計な荷物は持たないのが賢明です。
「あれもこれも」とバックに詰め込んでいたものを最小限にしてみませんか?
では何を優先すべきか?
これは、
- 2021年5月26日の満月(月食)が起こる射手座
- 火星と冥王星の緊張を緩和する海王星が位置する魚座
射手座と魚座、2つの星座の支配星である「木星」がヒントを握っていると思います。
木星には「拡大」というキーワードもあれば、「守護」「保護」という意味合いもあります。
木星をこう、イメージできないでしょうか?
「いつの日か大きく育つこと(拡大)がわかっているからこそ、守っておきたい(保護)希望の種」と。
この種だけを大切にポケットにいれて、橋を渡れば万事うまくいく。
そう祈りたいところです。
その種はいつの日かあなたにとって最善の答えになるかもしれませんね。
今年1年を通してテーマとなる配置である、土星と天王星のスクエア(90度)は、古い自分(世界)を変えていく力を表しています。
2021年5月26日の射手座の満月(月食)から半年後、橋を渡った先には新しい世界が待っているかもしれません。
【まとめ】2021年5月26日射手座満月の過ごし方
2021年5月26日射手座満月(月食)の過ごし方をおさらいしましょう。
・月食は今後半年の節目
次の月食11/19牡牛座まで、答えの出ない世相は続きそうです。
・希望の種を守りつづける
答えの出ない時期だからこそ、健全な対話やものづくりが生まれる可能性があります。誰かがくれる正解を追い求めず、希望を失わず、いまのあなたなりのベストを探していきましょう。
素敵な満月をお過ごしください。