命日のホロスコープから故人のメッセージを読み解く「命日占い」。大切な人の死の悲しみから解放され、生きる意味を見つけられたら…という想いから生まれた、かげした真由子先生発案の新しい星読みです。
書籍『命日占い』(サンマーク出版)の冒頭100ページ分を
無料で試し読みできます!
試し読みしたい方はこちらからごらんになれます。
この記事では、かげした真由子先生に寄せられたご相談から、亡くなった方の命日のチャートを読み解き、生きているご依頼人の魂との関わりを紐解いていきます。
第5回目は、「思春期に一緒に死のうと約束していた友人について知りたい」というK子さん(女性)からのご相談です。
※ かげした真由子先生のブログの過去記事を再構成して掲載させていただいています。
※ 現在、かげした先生は命日占いの鑑定を受け付けておりません。
Contents
命日占いとは?星読みで亡くなった人からのメッセージを読み解く
命日占いは、星読みの知恵をベースに、命日のホロスコープから故人が今を生きる私たちへ向けたメッセージを読み取ろうという新しい試みです。
命日を「もう一つの誕生日」として捉え、かげした真由子先生が独自の解釈を加えて、命日のホロスコープから亡くなった人と残された人との関係性やメッセージを読み解きます。
私たちにとって受け止めることが難しい「死」を、生も死も人間にとって大切な節目であることをあるがままに受け止めようとする、かげした真由子先生の祈りの気持ちがベースになっています。
【相談内容】私は生き残り親友は亡くなった 親友のメッセージを命日占いで知りたい
「一人で命を絶った親友について知りたい」というK子さん(女性)からのご相談です。
※K子さんと何度かメールのやり取りをさせていただいた内容を、かげした真由子がまとめました。
亡くなられたのは、K子さんの学生時代の親友・S世さんです。10代の多感な時期、S世さんは常に意識が死に向かっており、心が不安定な状態でした。不安定なS世さんに対して、K子さんは「彼女を1人にしたくない」という思いで彼女に寄り添っていたそうです。「20歳になったら一緒に死のうね」2人はそう約束したのです。約束は、S世さんに何とか乗り切ってもらいたいというK子さんの思いからの言動でした。
しかしある日、あまりにも不安定になるS世さんを、胸を引き裂かれるような思いで、K子さんは突き放しました。K子さん自身も心に不安を抱えていた時期で、S世さんと同じく、「死」に意識が向かっているところがあったのです。突き放すことは無理もありません。苦渋の決断でした。その後、2人が連絡を取り合うことはなくなり、今から12年前、S世さんは一人で命を絶ちました。
「私は自分が彼女(S世さん)を殺したのではないかと思っています」。K子さんは、私とのメールのやり取りの中でこのようなことを書かれていました。S世さんが亡くなられたことは、K子さんにとってはショックな出来事で、様々な思いを抱えて今まで過ごしてこられたそうです。
今回は、K子さんとS世さんの魂の関わり合い、そしてS世さんの命日ホロスコープが語ることを読み解いていきたいと思います。
かげした真由子が命日占い鑑定前にK子さんへ伝えたいこと
S世さんの直接的な死の原因は私にはわかりませんし、星を見ていても、彼女の中で何がスイッチとなったのかはわからないものです。
ですが、私から言えることがあります。
”S世さんを殺したのは、K子さんではなくS世さん自身です。”
良い悪いというジャッジなしに、事実だけを申し上げるとそうなります。
私は自分が彼女(S世さん)を殺したのではないかと思っています。
という言葉が出てくるのは、K子さんのS世さんとの絆に他なりません。
愛情表現とも言えます。
なぜならば、K子さんの出生チャートから「他人と深いところで繋がれる」という資質が読み取れるからです。
K子さんは、まるで同じ水槽の中に住んでいる魚のように、同じ水の中から世界を見ているように相手と融合してしまえるのです。
これは、他人の気持ちを感知できる「洞察力」でもあります。
しかし、この深く人と繋がれるという感性は、アイデンティティが発展途上のお年頃の場合、自分を苦しめる方向へと向いてしまいます。
そういうK子さんの深い繋がり方があったからこそ、S世さんの気持ちに人一倍寄り添ってこられたのだし、S世さんも心を許し、甘えていたのでしょう。
かげした真由子が読み解く命日 親友と私は離れる運命だった
天に旅立ったS世さんのホロスコープとK子さんの出生ホロスコープから読み取れることをお伝えしていきます。
1.S世さんの出生ホロスコープの主要天体同士が180度の関係をとっている
※常に張り詰めているようなものがあり、いつその糸が切れてもおかしくないような緊張したホロスコープ
鑑定するにあたり、天に旅立ったS世さんの出生ホロスコープも読ませていただきました。
S世さんが最後のスイッチを押してしまった明確な原因はわかりませんが、S世さんのホロスコープから複雑なストーリーが読み解けます。
S世さんのホロスコープは主要な天体が180度の関係をとっていて、「常に緊張している」と言えます。
人生に常に張り詰めているようなものがあり、いつその糸が切れてもおかしくないような感じです。
そんな張り詰めたようなS世さんにとって、K子さんは良き理解者だったのでしょう。
S世さんの命日ホロスコープからわかることがあります。
それは、命日のS世さんは意外に理性的だったということです。
S世さんは、K子さんが突き放したこともちゃんと理性的に受け止めてらっしゃいました。
S世さんの選択は、K子さんが彼女を突き放したことに端を発したのではなく、彼女自身の「張り詰めていた魂」が限界にきたとしか思えません。
2.衝動を和らげる金星が、K子さんの出生ホロスコープの火星にのっている
K子さんにとって、S世さんとの出来事は魂のプロセスであったことが伺えます。
思春期の頃、K子さんも死を意識することがあったとおっしゃっていました。
S世さんの命日ホロスコープには、その衝動をぐっと和らげる星(金星)がK子さんの出生ホロスコープの火星に乗ってきているのです。
つまり、この日を境に2人は別々の道を選び始めたのです。
その前振りが「突き放した」という出来事だったのでしょう。
K子さんは、「自分が突き放してしまった」という記憶だけが残っていて、そのままS世さんの死に結びついてしまいました。
それも無理のないことだと思います。
しかし、私がホロスコープから感じたストーリーは違います。
最後の選択をしたのは、K子さんでもなく、他の誰でもないS世さんご自身です。
誤解を恐れずに書かせていただくなら、S世さんは最後の選択をすることで、生きている人の心の中に残り続けることを選択したのです。
S世さんはこの世を去っても「K子さんの心の中に残り続けたい」と思いました。
K子さんは、「私が殺してしまったのかもしれない」という罪悪感で、彼女の魂との繋がりを持ち、S世さんへの想いに応えていらっしゃったのです。
では、K子さんは「私が殺してしまった」という罪悪感でS世さんと繋がり続ける必要があるのでしょうか?
答えは「いいえ。」です。
命日ホロスコープと鑑定日のホロスコープに起きたジュピターリターン
K子さんの命日占いの鑑定は、Tさんという方からの紹介で舞い込んできた依頼でした。
一度は保留にさせていただいてましたが、2019/10/13にふと思い立ち、お受けしたのです。
命日占いの鑑定に着手した日は、偶然にも、S世さんの命日ホロスコープではジュピターリターンの日でした。
これは、S世さんの命日ホロスコープ(内側)と、私がたまたま命日占いの鑑定した2019/10/13の朝のホロスコープ(外側)です。
茶色の記号は木星を表します。
2つのホロスコープを重ねると、木星の位置が1度の誤差もなくぴったり一致しています。
木星が重なるという関係性は、占星術では、木星回帰=ジュピターリターンと言います。
木星は拡大と発展を意味し、物事を寛容に受けとめ「善きこと」にいかしていく星でもあります。
つまり、12年ぶりにK子さんとS世さんが命日と向き合うことが定められていたということになります。
木星は、同じ地点に来るまでに12年かかるので、ジュピターリターンは少なくとも1300分の1の確率で起こったことになります。
- かげした真由子が命日占いを始めたこと
- 命日占いの企画をK子さんに紹介しようと思った人がいたこと
- かげした真由子がなぜかジュピターリターンの日にK子さんの鑑定を始めたこと
どれほどの条件が合わさったのでしょうか。
12年の時を経てご依頼くださったという出来事自体が、天の計らいとしか思えません。
私は、鳥肌を超えて腰が抜けそうになったと同時に「ああ、K子さんは大丈夫だ」と感じました。
命日のもとを訪れる木星が伝える S世さんの魂と繋がる方法
S世さんは、木星が射手座20度にあった時、最後の選択をしました。
私、かげした真由子が命日占いの鑑定に着手した日も、木星は射手座20度でした。
木星は、ホットでモイストな惑星です。
つまり「生命そのもの」を表す惑星なんです。
また、K子さんはもうすぐお誕生日を迎えます。
占星術では太陽が生まれたときの位置に戻ってくること(お誕生日)をソーラーリターンと言います。
ソーラーリターンは、自分の生命エネルギーを宇宙の光が注ぐ時。
つまり、アイデンティティの書き換えの時です。
木星が命日のもとを訪れてくれているのですから、S世さんとはもう罪悪感で繋がる必要はありません。
木星は罪悪感から最も程遠い星ですから…。
「罪悪感というストーリーじゃなくてもS世さんの魂と繋がる方法はあるよ!」
宇宙は全力で知らせてくれています。
もうこれ以上ないぐらい全力です。
それは、「彼女のことを忘れなさい!」ということではありません。
【命日と鑑定着手時の木星が意味するサビアンシンボル】氷を切り出す男たち
S世さんの命日ホロスコープと、命日占い鑑定着手時の木星の位置は、ともに射手座の20度でした(数え度数でみます)。
この度数には「氷を切り出す男たち」というサビアンシンボルがあります。
サビアンシンボルに関しては、こちらのブログの文章がとても心に響いたので紹介させていただきます。
誰も足を踏み入れることのできなかった
秘境の地へわたしは赴き
そこで巨大な氷を切り出す
冷たく、固く、凍った氷を切り出すことは
困難でしかない
それでもわたしはその中に
必要なものが眠っているとわかるから
それを取り出すために
わたしは行動し、必ずそれを再生させる
K子さんは、罪悪感はあるものの、12年という年月を経て辛さは和らいできた、とのことでした。
「罪悪感で繋がる」という関係性から次第に抜け出していることを感覚が知っているものの、それとは裏腹な気持ちを持っています。
K子さんは「S世さんを1人にしてはいけない」という当時の思いを、溶けない氷としてまだ心の中にお持ちなのではないでしょうか?
木星は、K子さんの氷に乗る、ホットでモイストな星。
まるで温かい涙のような星です。
「K子さん自身が、その氷を溶かす時が来た」
このような言い方がふさわしいかどうかはわかりませんが、S世さんは、K子さんと仲直りしたいのではないでしょうか。
氷が溶けることを「雪解け」と言います。
2人の間に起こる雪解けの時です。
私、かげした真由子には、S世さんからの雪解けの言葉がこう聞こえます。
「あの時は、つらいお役目をさせてごめんね。あなたにしか頼めなかった」
S世さんの魂は、生きている時からどこかで自分の選択を知っていた。
だから親友のK子さんに、自分の死を見守らせてしまった…。
さらに、死んでもなお誰かとの繋がりを持ちたかったS世さんは、K子さんと罪悪感で繋がることを選んでしまったのです。
K子さんに辛い思いをさせてしまったことへの「ごめんなさい」。
そして、「つらいまま、私を覚えてくれていてありがとう」という言葉が聞こえてきます。
【ご感想】自分を責めるのをやめS世さんの居場所をつくってあげたい
今回の命日占いを受けて、ご依頼者のK子さんからの感想です。
こんにちは。命日ホロスコープ鑑定の際にはありがとうございました。感想が遅くなってしまい、申し訳ありません。文章がまとまらず、おまけに涙が邪魔をしてなかなか書けませんでした。正直に言うと、結果を知るのが怖かったです。恨んでる、怒ってる、悲しい、辛い、苦しい、彼女がそんな気持ちだと出たらどうしよう。そう思っていました。
私は、彼女が死んでしまったあの日からずっと苦しくて辛くて、殺してしまったという罪悪感でいっぱいでした。あのとき突き放してしまわなかったら。あのときずっと側に居てあげていたら。あのとき、あのときと、後悔ばかりの毎日でした。私も死のう。何度もそう思っては、死ぬことができなくて彼女に謝っていました。時間と共に落ち着いてきているとはいえ、罪悪感も後悔も消えません。
かげした先生の鑑定結果を読み始めると、すぐ涙で前が見えなくなりました。一言一言が深く心に突き刺さって、涙が止まりません。胸が熱くていっぱいで、涙を拭いながら何度も読みました。
ああ、もういいんだ、もう大丈夫なんだ。彼女との約束やずっと消えなかった罪悪感、後悔をもう抱えなくてもいいんだ。彼女と仲直りできるんだ。罪悪感で繋がるのではなく、また新たな友達に戻れるんだ。ごめんね、ごめんね。ありがとう、ありがとう、と。
完全に手放すにはもう少し時間がかかるかもしれませんが、自分を責めるのも、ごめんなさいと謝るのも、最後にしたいです。そして彼女の居場所をこれから作ってあげようと思います。かげした先生、ありがとうございます。私とかげした先生を繋いでくれたTさんにも感謝を伝えたいです。
K子
【命日占い】鑑定を終えて
K子さんは、人に深く共感できる人だと思います。
K子さんの出生ホロスコープから「他人と深いところで繋がることができる」という資質が読み取れます。
K子さんの深い繋がり方があったからこそ、S世さんの気持ちに人一倍寄り添って来られたのだし、S世さんも心を許したのだと思います。
また、K子さんの出生ホロスコープは、3ハウスに太陽や冥王星などの天体がたくさん集まっています。
3ハウスは身近な人間関係や学生時代の友人を表し、冥王星は死と再生の天体です。
K子さんは、身近な人の死と向き合い乗り越えることで、この世で生きていく意味をつかまれる方だと思います。
そして、K子さんは、太陽期という太陽を輝かせて生きていく時期です。
K子さんの太陽星座は蠍座です。
蠍座は、誰かの感情や人生のストーリーと融合しやすい質と才能を持っています。
蠍座の太陽は、何かと融合する自分を知ることで、対極にある個=他人から切り離した私を学ぶことがテーマです。
S世さんの死から学ぶことがあるとしたら、「私は、どんな人生を生きたいと思っているのか?」を問うていくことかもしれませんね。
人の死と向き合えるようになる時は、自分の人生の次の景色を見たい時だと私、かげした真由子は思っています。
不思議なのですが、命日のテーマでご依頼をいただく多くの方が、ご自身のお誕生日前か、命日前なのです。
命日占いの鑑定をさせていただいた時期は、K子さんのお誕生日間近でした。
お誕生日は、自分の太陽の上に宇宙の太陽が重なる時。
「生きる意味」が輝く時です。
つまり「K子さんが、今、生きる意味を考える時だ」というメッセージなのです。
もう一度、この世で生きていくことをコミットする時ですね!
命日占いの鑑定を受けていただいていること自体、次のステージに歩む時期を表しています。
次なるステージは、「S世さんとの過去のストーリー」を持たずに歩んでいくステージです。
過去の出来事を忘れるのではなく、「別々の道を選んだ友人」として、K子さんの心の中に、S世さんの居場所を作ってあげてほしいのです。
K子さんもいつかお年を召され、寿命が訪れます。
その時まで別々の道を歩もうね、というストーリーをぜひご提案したいです。
自分を責めるのではなく、「私だってあの時はしんどかったんだ。つらかったんだぞー!」という気持ちを自分で受け止めてあげてほしいと思います。