命日のホロスコープから故人のメッセージを読み解く「命日占い」。大切な人の死の悲しみから解放され、生きる意味を見つけられたら…という想いから生まれた、かげした真由子先生発案の新しい星読みです。
この記事では、かげした真由子先生に寄せられたご相談から、亡くなった方の命日のチャートを読み解き、生きているご依頼人の魂との関わりを紐解いていきます。
第7回目は、「20年前に何も告げずに自らこの世を去った父からのメッセージを受け取りたい」という山本時嗣(ときおみ)さん(40代・男性)からのご相談です。
※ かげした真由子先生のブログの過去記事を再構成して掲載させていただいています。
※ 現在、かげした先生は命日占いの鑑定を受け付けておりません。
Contents
命日占いとは?星読みで亡くなった人からのメッセージを読み解く
命日占いは、星読みの知恵をベースに、命日のホロスコープから故人が今を生きる私たちへ向けたメッセージを読み取ろうという新しい試みです。
命日を「もう一つの誕生日」として捉え、かげした真由子先生が独自の解釈を加えて、命日のホロスコープから亡くなった人と残された人との関係性やメッセージを読み解きます。
私たちにとって受け止めることが難しい「死」を、生も死も人間にとって大切な節目であることをあるがままに受け止めようとする、かげした真由子先生の祈りの気持ちがベースになっています。
【相談内容】20年前自ら死を選んだ父の気持ちを命日占いで知りたい
今回は、山本時嗣さん(40代・男性)からのご相談です。
山本時嗣さんは、私、かげした真由子に「命日占い」をすることを後押しくださった方です。
父は20年前、自殺をして天国に行きました。私は父が天国で楽しくやっていると信じていますが、実際どうであるかが気になります。 命日から残された家族へのメッセージなどが受け取れたら嬉しいです。
山本時嗣(40代・男性)
※相談内容は、時嗣さんと話をした内容をかげした真由子がまとめました。
時嗣さんの命日占いは、本当は一番最初に取りかかってもよかったのですが、何名か命日占いを鑑定させていただいた後の鑑定となりました。
いつも不思議に思うのですが、命日占いをするときは最適なタイミングがあるようです。
命日ホロスコープを見ることに対する承認=鍵を、ご依頼人だけではなく、亡くなった方から得られた瞬間に訪れる気がします。
その鍵を得たのは、奈良の天河神社への奉納ライブに時嗣さんとご一緒させていただいたときでした。
時嗣さんは、天河神社にお参りされるようになって今年で20年目になるのだとか。
20年前の8月にお父様を亡くされ、知り合いから天河神社を勧められたそうです。
最初に、天河神社を訪れた時、お父様の死からひと月も経たず、心の痛みがまだ癒えない時期だったでしょう。
そんな時に天河神社の優しいエネルギーに触れ、躍進を遂げられ、時嗣さんは、現在では大活躍されています。
天河神社に魅了された時嗣さんは、人生を歩んでこられた恩返しとして、定期的なお参りを欠かさないそうです。
【時嗣さんとお父様の命日占い】承認=鍵を得られた2つの瞬間
先ほど、命日占いをするときは最適なタイミングがあり、そのタイミングは、命日のホロスコープを見ることに対する承認=鍵を得られた瞬間に訪れる気がする、とお伝えしました。
今回の時嗣さんの命日占いの鑑定で、「鍵をいただいた」ポイントが2つありました。
1.天河神社に向かっている道中に時嗣さんがお父様のことをお話しされている時
2.天河神社の奉納ライブ「古事記と宇宙」で日食が映し出された時
【命日占い鑑定の鍵】時嗣さんのお話で強く感じたお父様のエネルギー
1つ目は、天河神社に時嗣さんと一緒に向かう間、時嗣さんがお父様のことをお話しされている時に感じたエネルギーです。
世の中や残された方々に対して抱く、お父様の信頼感のようなエネルギーを強く感じたのです。
うまく説明できませんが、ブワッと広がるエネルギーを感じました。
【命日占い鑑定の鍵】は日食 お父様の命日と日食との関係
2つ目は、天河神社にご一緒した時の奉納ライブの時。奉納ライブのテーマは「古事記と宇宙」でした。
奉納ライブで日食の映像が映し出され、宇宙や生命の偉大さを感じたとき、私、かげした真由子は、日食という鍵を受け取ったと強く感じたのです。
天河神社から帰宅し、急いで時嗣さんのお父様の命日ホロスコープを出しました。
時嗣さんのお父様の命日ホロスコープを見て思わず口にしたこと、それは…
「やっぱり…」その一言でした。
時嗣さんのお父様の命日は、日食の翌日だったのです。
日食は半年に1回起こる、新月の日です。日食は太陽の光が隠れる現象で、この世から光がなくなる現象とも言えます。
古事記に登場する天照大神の岩戸隠れによく例えられます。
天河神社を参拝した日の奉納ライブのテーマは「古事記と宇宙」。
お父様の命日=日食の翌日=天照大神/古事記/岩戸隠れ
この符号が、私、かげした真由子にとって、命日占い鑑定の大きな「鍵」となりました。
伝統的な占星術でも、日食は国の王様がこの世から去ることを表します。
お父様は日食のエネルギーと共に天に帰ってしまわれたわけです。
また、時嗣さんの出生ホロスコープでは、日食の現象は時嗣さんの土星の上で起こっていました。
土星は制限や試練の象徴でもあり、大きな岩にも例えられます。
また、土星は、その人にとっての終わりの概念であり、人生の完成図です。
お父様の命日を境に、時嗣さんの人生の完成図が形を失い、「死(おわり)は自分で決めるのだ」という死生観のようなものが、若い時嗣さんに流れ込みました。
多くの人は、「人はいつか死ぬ」という感覚を持ちますが、「自ら死を選ぶ」というお父様の生き様は、息子さんである時嗣さんの死生観に大きく影響を与えたのでしょう。
形あるものはいずれ終わりを迎えますが、お父様がこのような形で終わるとは、時嗣さんは夢にも思われてなかったはずです。
時嗣さんにとってお父様の命日は、今まで光り輝いていた何かが一気に闇になってしまった日でした。
そして、自分の人生の行く末や可能性を閉ざすように、天岩戸をかたく閉ざしてしまった…。
お父様の命日は、時嗣さんにとってそんな日だったのだのでしょう。
しかし、時嗣さんは天河神社に訪れることで、閉ざされた心の扉を開けてこられたのだと思います。
お父様もその道筋を見守るように、寄り添っていらっしゃったのかもしれません。
お父様の命日ホロスコープが伝えるメッセージとは
時嗣さんのお父様の命日ホロスコープから読み取れることをお伝えしていきます。
1.お父様の命日はグランドクロス(4つの天体が十字架のように真四角に配置される)の日
2.蠍座の火星/日食(獅子座の太陽)/牡牛座の土星/水瓶座の天王星という固定宮のグランドクロスだった
時嗣さんのお父様は、仕事の責任を取るために命を絶たれたそうです。
一般的に「自死」という言葉には、「力尽きた」というイメージが付きまといます。
しかし、太陽は自分の強い意志を表します。
お父様の死が日食という形で表されていること、それは死に対するお父様の強い意志や生き様が込められているように読み取れました。
また、お父様が 日食の翌日にあの世に旅立たれたのは、「これが正解なのだ」と、一歩引いたところで自分の意思をしっかりと確認して旅立たれたかのようです。
グランドクロスは、昔は「凶角度」の代名詞のように言われていました。破壊と創造の力の強さを表す形です。
Appleの創業者・スティーブ・ジョブズの出生ホロスコープにもグランドクロスが存在します。
ジョブズは、創業と解雇といったパワフルな創造と破壊を繰り返し、大きな功績を成し遂げた人です。
惑星の構成は違いますが、グランドクロスがお父様の命日にも関わっています。
しかも、グランドクロスの頂点のひとつを担当するのが日食の太陽ですから、パワフルです。
グランドクロスには、お父様の魂の意志の強さをとても感じます。
お父様は、この世を去られる前は、ご家族にも何もおっしゃらなかったとのこと。
星を読ませていただいた上での私の想像ですが、「自死を止めることができなかった」という感覚を、ご家族に一切味わせたくなかったのではないでしょうか。
もちろん「自死」という選択による遺された家族への影響は、よくわかっていらしたでしょう。
お父様の苦悩は計り知れなかったと思います。
だからこそ、何も残したくなくて、あの世に旅立ちたかったと思えてなりません。
お父様の告別式の日は、地域のお祭りがあり、花火が上がっていたそうです。とてもお父様らしい日取りだと思いました。
「これで良かったと思っているんだよ」というお父様からのメッセージが聞こえてきそうです。
自死を肯定しているわけではありませんが、私には、時嗣さんのお父様の命日ホロスコープがそう伝えているように感じました。
私、かげした真由子は、命日はもうひとつの誕生日だと考えています。
時嗣さんは、「父は天国で楽しくやっていると信じている」とおっしゃっていましたが、「楽しく」というよりは、天に召されてもなお「果敢にチャレンジし続ける姿」がイメージとして浮き上がってきます。
地球にいた時に様々な制限で成し遂げられなかったことの続きを天で取り組まれている感じでしょうか。
また、鑑定前に時嗣さんからお父様についてお話を伺っている際、「お父様が持つ他者への信頼感のようなもの」がイメージとして流れてきたのですが、
お父様の命日ホロスコープを読んでみて、それが腑に落ちました。
- 蠍座の火星
- 日食(獅子座の太陽)
- 牡牛座の土星
- 水瓶座の天王星
この組み合わせは、本当にお父様の魂の意志の強さを感じます。
お父様は、「自分の死さえ許してくれるはずだ。わかってもらえるはずだ」という信頼感をお持ちだったようなのです。
だからこそ、遺された時嗣さんが長い年月をかけて、お父様の死を昇華されてきたのだと思います。
日食によって天岩戸の中に隠された光は、お父様の命の光であり、息子の時嗣さんにとっては人生のゴールのような光でした。
一見、その光は失われたように見えましたが、お二人の間では光のやりとりはされていたのです。
かげした真由子が読み解く お父様がTさんに用意していた着地点
天に旅立った時嗣さんのお父様の命日ホロスコープと時嗣さんの出生ホロスコープから読み取れることをお伝えしていきます。
お父様の命日ホロスコープのグランドクロスの1点(日食:獅子座の太陽)に、時嗣さんの出生ホロスコープの土星が重なっている
お父様の命日ホロスコープが形作るグランドクロス。その十字架の一点である、日食(獅子座の太陽)に時嗣さんの土星が重なっています。
これは、親子(天地)での共同創造の一つのポイントではないかと思います。
土星は、この世での役割、責任、着地点を表します。
一度はお父様が旅立たれたショックで、人生のビジョンがリセットされてしまった時嗣さん。
- 社会的に成功するとはどういうことか?
- 社会的に貢献するとは何か?
- 他の人に対して貢献するとは? 責任とは何か?
- 生きるとは? 幸せとは?
お父様の命日を起点に問うていくことになるのです。
土星が回帰するサターンリターンで運命の出会いを果たす
日食という光を失った太陽(お父様)は、天国ではちゃんと輝いていて、時嗣さんを照らし続けていました。
時嗣さんはその後の移りゆく人生の中で、お父様の光をちゃんと受け取ってらっしゃったのです。
お父様には、それが全部わかってらっしゃったのではないかと思うほどです。
なぜなら時嗣さんのホロスコープには、「お父様がなぜ亡くなってしまったのか?」という問いかけに、着地点が用意されていたからです。
着地点が用意されていたのは2006年。これは時嗣さんのサターンリターン(土星回帰)の年です。
占星術では、サターンリターンは、社会的な自分の姿が整う時と言われます。
また、時嗣さんのホロスコープを見ても、サターンリターンは重要な意味を持ちます。
1.お父様の命日の日食が、時嗣さんの出生ホロスコープの土星に重なっていた
2.時嗣さんは山羊座生まれであり、土星は山羊座にとって支配(守護)星。土星の動きは時嗣さんのパーソナリティに大きく影響する
命日占いをしながら、ここで私は気づきました。
「もしかして…いや、そんな出来すぎた話はないでしょう…」と思い、時嗣さんの書籍を読み返してみました。
時嗣さんの書籍『日本一幸せな大富豪 竹田和平さんが命をかけて教えた 魂に火をつける5つの物語』(光文社)のプロフィールに答えはありました。
2006年は、時嗣さんが人生の師匠である竹田和平さんと出会われた年でした。
もしお父様が生きていたなら、時嗣さんの社会的な成長に父として寄り添いたかったはずです。
時嗣さんの人生で起こる葛藤や疑問にも答えたかったことでしょう。
息子を見守りたいお父様の思いと、「社会でどんな風に生きればいいんだろうか」という時嗣さんの思いが結びつき、
「時嗣さんの人生に大きな影響を及ぼす師匠との出会い」という形で地上で現れたのです。
2006年のサターンリターンにもお父様の計らいがあったのですね。
もしお父様が生きてらっしゃったなら、ご自身で時嗣さんの社会的な成長に寄り添いたかったはずです。
時嗣さんの人生で起こる葛藤や疑問に、父として生きている時のように答えたかったはずです。
そのお父様の思いと、時嗣さんの「社会でどんな風に生きればいいんだろうか」という思いが、
2006年の「時嗣さんの人生に大きな影響を及ぼす師匠との出会い」という形で地上で現れていたのでしょう。
【命日占い】鑑定を終えて
時嗣さんの人生の物語は、まだまだ続きます。
今後の人生がどのような物語であるかは、時嗣さんの土星が教えてくれます。
時嗣さんのホロスコープを見ると、時嗣さんの土星は少し特殊でした。
1.土星が獅子座で逆行している
2.インターセプト(ハウスとハウスの間にある星座がすっぽりと入っていること)
簡単にいうと、土星がマトリョーショカの人形のように幾重にもなっている状態です。
本質にたどり着くまでにたくさんの仕掛けがあるようなホロスコープです。
現在、時嗣さんは40代前半です。
土星のパワーが発揮し始めるのは一般的には55歳以降と言われるので、今はそこに向かうプロセスを歩んでいるでしょう。
これからの時嗣さんは、お父様をさらに越えていくことがテーマになります。
子供は「親を越えてはいけない」と「お父さんの幸せを見届けてから」という思いを、無意識に持ってしまうものかもしれません。
お父様の命日から20年の年月を経て、時嗣さんの中ではいろいろな思いをすでに昇華されていたと思いますが、時嗣さんはさらにお父様を越えていかれます。
なぜならお父様はそのためにずっと寄り添って来られたのですから。
土星は制限を、日食は生まれ変わりと突破力を意味します。
お父様の命日ホロスコープの生まれ変わりの太陽が時嗣さんの出生ホロスコープの土星に寄り添っているということは、土星という制限、つまり「私を超えてほしい」と願うお父様からのメッセージです。
2020年、時嗣さんを初めとする山羊座の方は、現在木星が山羊座に入り、12年に一度の拡大期が訪れています。
この年は大きな節目の1つとなるでしょう。
だからこそ、今のタイミングで命日占いの鑑定をご依頼いただいたのだと思います。
今回の命日占いの鑑定は、「死を昇華させる」というよりも、「お父様の死を言語化しておくこと」に意味があったのかもしれません。
私、かげした真由子は最初、「死」をテーマに星読みをすることに、躊躇がなかったわけではありません。
しかし、死を言葉にすることは、生を言葉にすることでもあります。
命日占いを通して、生きることに私自身が向き合わせていただいていることは、とても貴重な体験だと思っています。
時嗣さんはきっと、お父様とはまた違った新しい貢献の形を創造していかれることでしょう。