命日のホロスコープから故人のメッセージを読み解く「命日占い」。大切な人の死の悲しみから解放され、生きる意味を見つけられたら…という想いから生まれました。命日占いは星読みテラスを監修する西洋占星術師・かげした真由子先生発案の、新しい星読みです。
この記事では、占い師の先生であるかげした真由子さんの「命日占い」を使って、誰もが知っている有名人の命日のホロスコープを読み解きます。
今回は、「芸術は爆発だ!」という名言が有名であり、日本を代表する芸術家、岡本太郎氏を取り上げます。
岡本太郎の死は人々にどのようなメッセージを残したのか。命日のホロスコープから受け取っていきましょう。
Contents
命日占いとは?星読みで亡くなった人からのメッセージを読み解く
命日占いは、新しい試みです。星読みテラスの他の記事では、先人たちが検証を重ねてきた学術的な西洋占星術をお伝えしていますが、この記事では星読みの知恵をベースに、命日のホロスコープから故人が今を生きる私たちへ向けたメッセージを読み取ろうというものです。
命日を「もう一つの誕生日」として捉え、かげした真由子先生が独自の解釈を加え命日のホロスコープから亡くなった人と残された人との関係性やメッセージを読み解いていきます。
私たちにとっては受け止めることが難しい「死」を、生も死も人間にとって大切な節目であることをあるがままに受け止めようとする、かげした真由子先生の祈りの気持ちがベースになっています。
岡本太郎は『太陽の塔』など数々の名作を残した日本が誇る芸術家
- 1911年2月26日 横浜で生まれる(父は漫画家・母は小説家)
- 1925年 同級生と同人誌を発行
- 1929年 東京美術学校(現・東京藝術大学)西洋画科に入学
- 1930年 フランスパリ渡りその後11年間滞在
- 1932年 パリのソルボンヌ大学で美学を学ぶ
- 1939年 パブロ・ピカソの作品『水差しと果物鉢』に強い衝撃を受ける
- 1954年 『今日の芸術 時代を創造するものは誰か』を執筆・出版しベストセラーとなる
- 1970年 万国博覧会にて『太陽の塔』完成
- 1970年 『明日の神話』創作
- 1996年 パーキンソン病による急性呼吸不全にて死去
岡本太郎の圧倒的な存在感、生き方は人々に多大なる影響をもたらしました。
美術に詳しくなくても岡本太郎なら知っているという方も多いのではないでしょうか。
岡本太郎が生前残した作品には、万博記念公園の『太陽の塔』、また没後再生された幻の壁画『明日への神話』が有名です。
『太陽の塔』と同時期に制作された『明日への神話』は、岡本太郎の最高傑作のひとつであり、極めて重要な作品だといわれています。
描かれているのは原爆が炸裂する悲劇の瞬間です。
しかし、この作品は単なる被害者を描いたものではないそうです。人は残酷な惨劇さえも誇らかに乗り越えることができる、
そしてその先にこそ『明日の神話』が生まれるのだという岡本太郎の強いメッセージが込められているのです。
出典:明日の神話|ようこそ岡本太郎記念館へ!
http://www.taro-okamoto.or.jp/info/asunoshinwa.html
現在『明日への神話』は、修復作業を経て渋谷に設置されています。
岡本太郎の命日のホロスコープが私たちに伝えるメッセージとは
私たちの心を揺さぶり圧倒する作品を残した岡本太郎。
今、魂としてどのように私たちに語りかけているのでしょうか?
岡本太郎のの出生ホロスコープと命日ホロスコープを重ね合わせてみましょう。
岡本太郎のホロスコープには、次のような特徴があります。
1.岡本太郎の命日は、天王星回帰(ウラヌスリターン)
2.出生ホロスコープの双子座の冥王星は金星とスクエア(90度)
3.命日ホロスコープの射手座の冥王星は水星(天王星)とセクスタイル(60度)
4.命日ホロスコープの太陽が山羊座のほぼ真ん中の17度
目覚めの星天王星のウラヌスリターンとともに旅立った岡本太郎
1.岡本太郎の命日は、天王星回帰(ウラヌスリターン)
岡本太郎の命日ホロスコープは、山羊座、水瓶座に天体が集合しています。
中でも天王星と火星の重なり(コンジャンクション)は注目すべきポイントです。
天体が互いに強め合い、最も強い影響力があると言われています。
天王星は独自性、火星はそれを押し出す力をあらわします。
「オリジナリティを爆発させている」という生前の彼と同じイメージがここにあります。
また、岡本太郎の命日は、出生の天王星に宇宙を運行中の今の天王星が巡ってくる天王星回帰(ウラヌスリターン)の翌年でした。
天王星は動きが遅い星ですので、岡本太郎の命日は彼の天王星回帰の年であったといっても過言ではないでしょう。
天王星が太陽を一周するのにかかる期間は約84年。
私たちは皆、84歳前後まで、ウラヌスリターンを経験することはできません。
岡本太郎が亡くなったのは84歳。つまり、ちょうど天王星回帰のタイミングで天に旅立ったのです。
占星学のエキスパート、リズ・グリーンは著書「占星学」の中でこう述べています。
天王星は解放、自由、新しい表現の領域への力づくでの突入、ものをみる視野の拡大と関係がある。
天王星のサイクルは、その人を最も創造的で実り豊かな、人生の時期へと解放することができる。
出典:リズ・グリーン著,岡本翔子 鏡リュウジ訳 『占星学』,青土社 , 2000
天王星が特徴的に現れたこの日。
岡本太郎は、死によって次元を超えた存在になったのだといえるのです。
ちなみに、生まれた時の天王星と現在の天王星が180度(オポジション)となる時期のは、どの人も40〜42歳ぐらいに訪れます。
この頃はいわゆる「中年の危機」と呼ばれ、自分を大きく変容させていくタイミングと重なります。
このように天王星は、より自分らしさに目覚めるための星なのです。
岡本太郎の魂は今もなお、「岡本太郎」であり、自分に目覚め続け、芸術家であり続けているように感じます。
自分という人間を その瞬間瞬間にぶつけていく。
そしてしょっちゅう 新しく生まれ変わっていく。
エネルギーを 燃やせば燃やすほど
ぜんぜん別な 世界観が出来てくる。
(岡本太郎の名言)出典:岡本太郎『強く生きる言葉』,イースト・プレス,2003
岡本太郎が残したこの言葉は、まさにこの天王星の表す自分の解放への道を彼が指し示してくれているように感じます。
さらに、岡本太郎の出生ホロスコープと命日ホロスコープを重ね合わせると、てみましょう。
出生ホロスコープの天王星と命日ホロスコープの天王星・火星部分を切り取り、3つを赤丸で囲ってください。
出生の天王星の位置に、命日の魂の解放である天王星と共に情熱を表す火星がともに重なっており、さらなるパワフルな彼の魂の輝きを感じます。
「芸術は爆発だ!」岡本太郎の作風が読み解ける冥王星と金星
2.出生ホロスコープの双子座の冥王星は金星とスクエア(90度)
冥王星は、死と再生、破壊と創造を象徴する天体です。
岡本太郎の作風を彷彿とさせる星ですね。
岡本太郎の出生ホロスコープにおいて、冥王星は実に特徴的です。
金星は、芸術や美的感性を表します。
その金星に圧倒的な力を持つ冥王星がスクエア(90度)をとっています。
これは、見る人を圧倒させる岡本太郎の作風、いわゆる彼の名言、「芸術は爆発だ!」そのものだと思うのです。
生命・死といったテーマの作品を生み出し続けた岡本太郎の作風がここにあらわれています。
また、金星はその人の魅力でもあるため、岡本太郎自身が非常に人を惹きつけるような魅力の持ち主であったことも物語っています。
岡本太郎は言葉・思想でも「枠を超える」大切さを伝え続けている
3.命日ホロスコープの射手座の冥王星は水星(天王星)とセクスタイル(60度)
岡本太郎の命日ホロスコープの冥王星は、水星や天王星とセクスタイル(60度)という生産的な角度をとります。
水瓶座の水星は、物事の太極をとらえる知性です。
岡本太郎の知性が世の中の哲学や思想を大きく変えていくことを、物語っているのです。
冥王星は射手座にあります。
射手座は思想、哲学、教育分野での根本的な変革を表します。
岡本太郎は、芸術作品(金星)だけでなく、残した言葉や思想(水星)によって、今も私たちの概念を打ち砕いていくような示唆を与えてくれているのです。
天王星がその水星に隣接しているのは
「自分らしくあるため、従来の枠を超えていくことが必要であること」を岡本太郎自身の言葉で伝えようとしているように見えます。
「自分であり続けることに妥協しないこと」
そんな彼のメッセージが伝わってくるように感じます。
サビアンシンボルに岡本太郎らしい生き様が現れている
4.命日ホロスコープの太陽が山羊座のほぼ真ん中の17度
岡本太郎の命日ホロスコープの太陽は山羊座のほぼ真ん中17度(数え度数)で輝いています。
山羊座の17度には「ひそかに裸で入浴する少女」というサビアンシンボルがついています。
サビアンシンボルを知れば、ホロスコープをより深く理解することができます。
「ひそかに裸で入浴する少女」は、社会や常識に囚われた「大人としての自分」から解放された真の自分と向き合うことを表しています。
まさに「裸の自分」と向き合うことを表しているのです。
ここでも、岡本太郎らしい生き様が現れているように思います。
天に旅立った今も彼の残してくれた作品、多くの言葉は私たちを目覚めさせ、解放へと導いているように思います。
岡本太郎が人生をかけて伝えたかったメッセージとは?
自分の姿をありのまま直視する、
それは強さだ。出典:岡本太郎 『壁を破る言葉』,イースト・プレス , 2005
岡本太郎の命日が私たちに届けてくれる言葉。
それは、この言葉に集約されているように思います。
「自分を輝かせて生きてくこと」
「自分を燃やして生きていくこと」
この大切さを私たちは岡本太郎の生き様、そして作品を通して学ぶことができるのではないでしょうか。