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星読み(占星術)の海王星は、あらゆるものごとの制限を超え、理想を拡大させていく星です。
「拡大」という意味は木星にもありますが、木星はあくまでも私たちが今いる社会という枠組みの中で、自分の可能性を拡大させていこうとします。
一方、海王星は社会という枠を超えて、広大な宇宙にまでその意識が広がっていく星なのです。
そこには、目に見えない意識の世界も含まれていきます。
海王星はたくさんの人の無意識に影響を及ぼして、ブームや流行など大きな流れを生む天体でもあるからのぅ。アートや芸術的才能にも関わりがあるぞ
Contents
海王星はものごとの制限を超え理想を拡大させていく
海王星をひとことで言うと、ものごとの制限を超え、理想を拡大させていく星です。
海王星は、18世紀に発見された天王星に続いて、19世紀に発見されました。
天王星までの天体は直接観測することで発見されましたが、海王星はちょっと変わった発見のされ方をしています。
天王星の軌道のゆれから「外側にさらなる未知の惑星があるはず」と想像され、計算から位置を推測して観測が行われたのです。
その仮説が立てられてから実際に観測されるまでに、実に65年の時がかかりました。
海王星は、発見される前ははっきり目に見えていないけれど、その存在が「あるらしい」ということは知られていたのです。
存在するのか、しないのか、はっきりしないものを実際に観測によって見つけ出すということは、天文学に関わる人にとっては大きな夢でもあったでしょう。
そのため海王星には占星学的な意味としても目に見えないものや夢、想像力という意味を与えられました。
また、海王星は約165年かけて、太陽の周りを1周します。
人の寿命から考えると途方もない時間をかけて、ゆっくりと動いていくわけですね。
このゆっくりとした動きから、海王星は個人よりも時代や世代といったより大きなくくりに対して影響を与えていくと考えられています。
何となく海王星の意味はわかったんだけど…なんで海王星はものごとの制限を超え、理想を拡大させていく星なの?
それでは、占星術の世界から海王星について説明しようかの。
占星術の世界で海王星が持つ意味を深める
海王星の意味をより深めていきましょう。
まずは、占星術の世界観から海王星の持つ意味を説明していきます。
占星術では10個の天体が使われています。天体は以下の図のように並んでいます。
占星術の世界で、土星は制限や限界を表していましたね。
その外側にある天王星は、土星が作ってきた構造や仕組みを壊したり、新しい価値観や概念を作るものでした。
さらにその外側にある海王星は、土星の構造や仕組みをすべて溶かし、現実と幻想との境界線を曖昧にしていきます。
土星は時間や空間という制限も表しますが、それを溶かしてしまうということは、まさに霊的な世界、精神的な世界がそこに広がっているわけです。
三次元を超え、自分を超えたより大いなるものの存在(ある人はそれを神と呼ぶかもしれません。あるいは宇宙と呼んだりするかもしれません)と融合し、一体となっていきます。
日常的なことでいえば「他者と自分を分ける境界線」もありますが、海王星はそれも溶かしてしまいます。
なので、他者との繋がりが曖昧になるとも言えます。
他人の感情を必要以上に背負いこんでしまったり、痛みを自分のことのように感じてしまう、というのも海王星的な現象です。
一方で、人の心を癒したり、悩みを和らげたりする才能にもつながっています。
また、海王星が表す「すべてのものが溶け合っている時空を超えた世界」を心理学では「集合的無意識」と呼ぶこともできるでしょう。
集合的無意識というのは、人々の意識がつながっている意識の集合体のようななものです。
人にはそれぞれ「顕在意識(自分で認識できる意識)」と「潜在意識(自分では認識できない意識)」があります。
人々の意識は潜在意識の奥底でつながっていると考えられていて、それを集合的無意識と呼んでいます。
普通、私たちは自分を他人とは異なる「個」として認識しています。
しかし、個人の意識を辿っていくと、それは個人を超えた社会的な集団や人類に共通する集合的無意識の世界へと行き着くのです。
その集合的無意識には、あなたが属している集団、例えば「女性」という集合無意識もあれば「日本人」という集合無意識もあるわけです。
集合的無意識の世界では、みんなが同じ意識を共有していてひとつの存在になっています。
個人である「私」は、溶けて消えてなくなってしまいます。
海王星は、この集合的無意識とつながる力を私たちに与えてくれるのです。
さらに、集合的無意識は、あらゆる創造の源泉でもあります。
人々の意識に昇る前、ありとあらゆる無意識のものがつまっているからです。
それを拾い上げるのに長けている人たちは、インスピレーション(直感)やイマジネーション(想像力)の力に優れているとも言えます。
例えば、ヒットソングというのは多くの人が共感することで生まれますよね。
こうしたヒットソングを創る人は集合的無意識からインスピレーションを得て、
人々の意識にも昇っていない根源的な部分に響かせる歌詞やメロディを生み出すことができるのです。
海王星を使いこなせている人はアート(音楽、ダンス、写真、映画など)の才能に恵まれているともいわれています。
また、海王星は165年という長い年月をかけて太陽の周りをまわり、一つの星座(サイン)に約14年滞在することになります。
これは、天王星が一つの星座(サイン)に滞在する約7年の倍で、より大きな時代や世代の変わり目を表しているといえます。
自分の海王星を知って使いこなすと…
海王星は無意識の領域や人々の夢、幻想を表しています。また、その世代や時代での理想やあこがれでもあります。
自分の海王星の意味を知って使いこなしていくと、どんなことが起きるのでしょうか?
想像力を膨らませ創作活動へ活かせる
時代を代表する著名なアーティストのホロスコープを読みとくと、海王星とのかかわりが深いことが多いといわれています。
海王星は、集合的無意識にアクセスするためのサポートをしてくれます。
アーティストたちは、創作活動の中で海王星の司る集合的無意識に触れ、人々が何を感じ、何を考え、何を求めているかということを感じ取ります。
そこからインスピレーション(直感)やイマジネーション(想像力)を得て作品を創造していくのです。
だからこそ、多くの人の心に響く作品を生み出すことができるのでしょう。
そして、結果的に時代に残るような名作となるわけです。
その一方で、海王星の見せる世界に溺れてしまう人もいます。
海王星は現実と幻想の境界線をとても曖昧にする力があるので、幻想の世界の中で自分を見失ってしまう場合もあります。
さらに、海王星には薬物、アルコールといったキーワードもあります。
薬物もアルコールも、土星的な現実世界のルールを守ることで生じる痛みを曖昧にする=和らげたり、夢見心地になれたり、リラックスできたりと良い影響もありますが、
土星の表す「用法・用量を守る」ということも忘れてはならないのです。
そういった意味では、海王星のエネルギーをうまく使いこなすには、土星の力も一緒に使うことが大切です。
その一方で、それを野放しにせずきちんと現実世界とつなげる力も必要になってくるんじゃよ!
その鍵となるのが土星なんじゃ!
「世代で何を理想としているか」が分かる
海王星は165年という長い年月をかけて太陽の周りをまわり、一つの星座(サイン)に約14年滞在することになります。
これは、天王星が一つの星座(サイン)に滞在する約7年の倍で、より大きな時代や世代の変わり目を表しているといえます。
つまり、海王星を読みとくことで、その世代が持っている夢や理想を見ることができます。
また、海王星が星座(サイン)を移動することで、世界レベルで理想とされるものがガラッと変わっていくといわれてもいます。
時代ごとの海王星を見ることで、今まで理想がどのように変化してきたか、またこれからどのようなことが理想とされていくのかを見ていくことができます。
例えば、1998年から2011年まで、海王星は水瓶座に滞在していました。
この間に、どのようなことが起こっていたのでしょうか?
水瓶座にはネットワークという意味がありますが、この時期はITやインターネットが多くの人に受け入れられ始めた時期でした。
日本でも1997年には楽天やライブドアといったIT企業が創業しています。
世界的にも多くのITベンチャーが生まれましたよね。
インターネットを活用する中で、人々はネットワークがより拡大していくことへ大きな期待を持ちました。
SNSは世界中の誰とでもつながることができるようになりましたし、遠く離れていてもオンタイムでインターネットを使って会話ができるようにもなりました。
ITの世界はその後もどんどん進化しています。
海王星は、それまでの制限や常識を超えていくために、時代の求める理想を追いかけ続けていく存在ともいえるのです。
魚座は海王星と縁が深い星座(サイン)じゃから、相乗効果で力が強まっておるぞ。くわしくはこの記事じゃ!
ホロスコープから海王星を読みといてみよう
あなたが生まれた時に海王星がどの星座(サイン)にいるかで、あなたと同じ世代の人たちにとっての理想を知ることができます。
他の天体とどのような関係性を取っているかなどを見ていくことで、あなたが人生の中で「創造力を発揮しやすいテーマ」や「人とは異なるインスピレーションを受け取りやすいテーマ」を知ることができます。
うまく使いこなすことで、あなたらしい創造性を発揮して人生を大きく発展させていくポイントもわかるでしょう。
さらに、海王星が目指す理想に向かってスムーズに人生を歩んでいくことができます。
海王星を上手に活かしていくために、あなたもぜひ自分の海王星をホロスコープで調べてみましょう。
海王星の情報を知りたい人は活用してみておくれ!
海王星の基本情報まとめ図鑑
【記号】
海の神様であり、海王星を守護するポセイドンが持つ、三つまたの槍を表しています。
また、物質を表す十字と、魂を表す半円が使われています。これは、物質世界に舞い降りようとしている魂を表しているという見方もされています。
【大きさ】
半径 約24,622キロ
※地球の約4倍
【公転周期】
165年で一周
一つの星座に約14年滞在
【守護する星座】
魚座
【エネルギー】
女性的
【一番使う年齢(惑星の年齢域)】
84歳~
>>天体の年齢域から占星術の全体像をとらえよう
【キーワード】
・特に代表的なキーワード
想像力、無意識、幻想、抽象性、理想、夢
・その他
神秘、直感、霊感、想像力、自己犠牲、水や液体、アルコール、麻薬、ガス、献身、情感、奉仕、芸術、音楽、ダンス
- あいまいではっきりと目に見えないもの
- 理想や夢の裏返しとして、期待が高まりすぎるために失望を抱きやすい部分
- 直感や霊的なサポートを得やすいテーマ、と同時に課題を乗り越えるためにそうしたサポートを必要とするテーマ
【神話】
海王星は、海神ポセイドンの英語名であるネプチューンと名づけられました。
ネプチューンは、木星を守護するゼウスの兄弟で三つまたの槍を武器に持ち、海と陸を支配しています。
この槍を使うことで、高潮や嵐、津波、地震など様々な天災を起こすことができるとされています。
ほかの天体も次のページにまとめておるから、気になるところからぜひ読んでみておくれ!