占星術でおなじみの12星座には、それぞれ神話が語り継がれています。
12星座の神話から、サインの特性をひも解くことができます。例えば、天秤座の神話から、天秤座の個性を知ることができるのです。
この記事では、12星座のうち【天秤座・蠍座・射手座・山羊座・水瓶座・魚座】にまつわるギリシャ神話をまとめました。
あなたなりの解釈で星座の個性を自由に想像してみてください。
さあ、知の探究へと足を踏み入れてみましょう!
ギリシャ神話の主な登場人物は【ゼウス・ヘラ・ヘラクレス】
ギリシャ神話は、多くの神々が登場する愛憎劇です。
特に星座に関する神話では、神々の王(最高神)ゼウスを中心に物語が繰り広げられます。
12星座に関する物語に何度も登場する主な人物を紹介します。
神々の王・最高神【ゼウス】
神々の王であり最高神のゼウスは、12星座の多くの物語に登場します。
彼は、普段はオリュンポスの山頂にある宮殿に住んでいますが、時々下界に降りてトラブルを引き起こします。
ゼウスは浮気性で、多くの女性と恋に落ちては間にたくさんの子供をもうけています。
ゼウスの正妻・神々の女王【ヘラ】
ヘラは、ゼウスの正妻で、神々の女王です。
12星座の神話では、浮気性のゼウスを見張ったり、ゼウスの愛人や子供へ嫌がらせをしたりと、彼女の嫉妬深い姿が描かれています。
神話では恐ろしい面が強調されていますが、ヘラは母性と美しさを併せ持った女神と言われています。
ゼウスの息子・英雄【ヘラクレス】
ヘラクレスは、最高神ゼウスと人間の娘アルクメネーの間に生まれた半神であり英雄です。
彼は、並外れた強さと武芸を持ち、数々の難行を成し遂げました。
神話では、女王ヘラに憎まれ何度も命を狙われる姿が描かれています。
【占星術】12星座のギリシャ神話一覧|天秤座〜魚座
【天秤座のギリシャ神話】天秤を手に平和の大切さを伝えた正義の女神
ギリシャ神話には、天秤を手にした正義の女神・アストライアーの話が描かれています。
アストライアーの天秤は、善と悪を振り分けることができたといいます。
彼女は、争いを起こした当事者らを天秤に乗せて善悪をはかりました。
天秤は、正しい方が持ち上がり、悪いことをした方が下がるという仕組みだったようです。
アストライアーは、人間たちが争いに明け暮れ、多くの神々が人々を見放して天界へと帰っていく中、最後まで地上に残り平和の大切さを伝え続けました。
しかし、それでも戦争をやめない人々に諦めを感じた彼女は天界へと帰っていきました。
こうしてアストライアーの天秤が天秤座になったと言われています。
世の中を平等に、平和にしたいと願う天秤座は、アストライアーの姿と重なりますね。
天秤座は、自分ではなく、自分を取り巻く相手や周囲とのバランスを見て「立ち位置」を決める傾向もあるので、ときに自分の個性を見失ってしまうこともあるようです。
客観的になりすぎるとあれこれ疲れてしまうこともありますが、それを癒やすにもやはり人とのつながりを必要とするのが天秤座なのです。
【蠍座のギリシャ神話】優秀な狩人を一撃で仕留めた蠍
ギリシャ神話には、神の怒りをかったオリオンに遣わされた、猛毒を持つ蠍が描かれています。
オリオンはとても優れた狩人で、「仕留めることのできない獣はいない」と豪語していました。
その傲慢さを腹立たしく思った女神たちは、蠍を刺客として遣わしました。
蠍はオリオンを待ち伏せして、ここぞとばかりにそっと忍び寄り、彼のカカトに毒の尾を突き刺し死に至らしめました。
そして蠍は功績をたたえられ、天に昇って蠍座になったと言われています。
この蠍の忍耐力と集中力は、蠍座の探求力や粘り強さに現れているように感じられます。
また一刺しで命を奪ってみせた能力は、蠍座の本質を見抜く力に通じるものがありますね。
【射手座のギリシャ神話】卓越した技能と優れた知識を持つ半神半獣
ギリシャ神話には、半人半獣のケンタウルス族のケイロンがモデルとして描かれています。
ケイロンは、時の神クロノスを父に持ちますが、望まれた生まれではありませんでした。
しかし、ケイロンは幸いにもほかの神々に愛されたので、医術のほかあらゆる学術に長け、予言や狩猟の力を身につけることができました。
弓の名手であったケイロンは、後の英雄・ヘラクレスに請われ弓を教えていましたが、ある時、ヘラクレスがケンタウルス族といざこざを起こしてしまい、彼らに向けて矢を放ちます。
しかし、その矢は不死のケイロンにあたってしまいます。矢に塗られた毒によって、ケイロンは終わりのない苦しみを受けることに…。
苦しみに絶えきれなくなったケイロンは、ゼウスに死なせてもらえるよう懇願して息を引き取ることになるのですが、さまざまな功績を讃えられ天に上り星座になった、と言われています。
自らの知識や能力を請われるまま人々に教えるケイロンの姿は、多才でどんな人とも交流を持てる射手座によく似ているように思えます。
また、生まれに恵まれずとも理想を掲げ歩み続ける姿と何かを突破していくエネルギーは、射手座ならではのものと言えますね。
【山羊座のギリシャ神話】変化に失敗した神の愉快な物語
山羊座は歴史が深く、さまざまな神話が語り継がれています。
その中でも有名なのは、牧神パーンが変身に失敗してしまった姿がモデルになったという話です。
牧神パーンは、山羊の角と足を持ち、顔にも山羊のようなひげが生えていました。
彼は、シュリンクスという笛を吹いて野山を駆け回る、陽気でのんきな神でした。
一方で、情熱や狂気を司り、人々に恐慌を与えるという力も持っていました。
あるとき、神々がナイル川のそばで宴会を開いていました。
宴会好きのパーンももちろん参加し、踊ったり笛を吹いたりして場を盛り上げていました。
そんな楽しい宴の最中、突然、怪物テュポーンが現れました。
「怪物の中の怪物」と恐れられるテュポーンの出現に、慌てふためく神々。
ゼウスは鳥に姿を変えて空に飛び立ち、美の女神アフロディーテとその子供エロスは魚になって川に飛び込み、他の神々もそれぞれ異なる動物の姿になって逃げました。
牧神パーンも例外ではなく、魚の姿になり逃げようとします。
しかし慌てるあまり、上半身は山羊の姿のまま、下半身だけ魚の姿というおかしな姿に変身してしまったのです。
その姿で川を泳いで逃げるパーンを見て、ゼウスはたいへん面白がり、山羊座として天にあげ星座にした、と語られています。
実はこの話は、魚座の神話と同じ場面を描いています。
慌てふためき、ちょっとドジな一面を見せる牧神パーンですが、最後まで諦めない粘り強さは山羊座のイメージと重なるのかもしれません。
【水瓶座のギリシャ神話】発想の転換で給仕となることを受け入れた美少年の物語
ギリシャ神話で水瓶座のモデルとなったのは、ガニメデスという美少年と言われています。
オリンポス山から地上を見ていたゼウスは、類まれな美しさを持つガニメデスを見つけます。
その姿に魅せられたゼウスは、ガニメデスを自分のそばに置いておきたいと思いました。
ゼウスは大鷲に変身してガニメデスに近づき、地上からさらい天上界へ連れ帰ってしまいます。
ガニメデスは神々の食卓で美酒を注ぐ役目を与えられ、流れのままにそれを受け入れてゼウスの給仕となりました。
実はガニメデスはトロイ国の王子であり、突然姿を消した彼の両親は悲しみに暮れました。
流石に気の毒に思ったゼウスは、その両親の国が豊かになるような贈り物などをして、平和に収まったという神話があります。
ある意味、ガニメデスは平和の使者となったのです。
ガニメデスは、ゼウスのいいなりになる美少年を装いながらも、母国であるトロイに利益をもたらすことができるのではないか、と考えを切り替え、給仕になることを受け入れたと言われています。
その素晴らしい発想力、そして自国を思う博愛の精神は水瓶座を物語っているようです。
【魚座】怪物から逃げるため魚に姿を変えた親子の愛の物語
ギリシャ神話で魚座のモデルとなったのは、美の女神アフロディーテとその子供のエロスと言われています。
魚座の神話は、山羊座の神話と同じ場面を描いています。
ある日、神々が川のほとりで宴会をしているとテュポーンという怪物が現れました。
この怪物は目と口から火を吹き出す恐ろしい怪物で、100の首を持つと言われています。
神々は慌てて逃げ出しました。
アフロディーテとエロスは魚に姿を変えて川へ逃げますが、途中ではぐれないように、お互いの足をリボンでつないで逃げました。
その姿が、親子の愛に満ちていたので夜空の星座になったそうです。
親子の間にある無償の愛や信頼は、見返りを求めることなく愛を与え合うことのできる魚座の姿に通じるものがありますね。
また、二匹の魚のうち一匹は現実の世界、もう一匹は霊界を表していると言われています。
この両方が結ばれていることから、魚座は目に見えないスピリチュアルの世界の感性を持ち合わせている人が多いとも言われています。
【まとめ】ギリシャ神話で12星座を知り過去の人々の思いを知ろう
星座は、古代の人々が季節や方位を知るために誕生しました。
その星座に物語を紐づけた人々はロマンティックですよね。
星が綺麗に見える夜には、古代の人々と同じように夜空を見上げて思いをはせてみると楽しそうです♪