タロットカードには、カードごとに異なるメッセージが込められています。
この記事では大アルカナ【法王】のカードを徹底解説♪
カードの意味や、恋愛・仕事などお悩み別の解釈例をご紹介していくので、あなたのリーディングの参考にしてみてくださいね。
Contents
タロット占い【5:法王】リーディングで大切な3ポイント
【法王】世界観
タロットカードの世界観を知ることで、カードへの理解が深まり、リーディングの幅が広がります。
さっそく【法王】の世界観を見ていきましょう♪
三重の冠を被り、三重の十字架の杖と右手をスッと掲げる法王は、権威ある法の番人、最高司祭です。背景に多く使われている灰色から、カード全体としては一見地味な印象がありますが、灰色は現実的な世界を象徴します。女教皇と似たような構図の絵柄ながら、法王は女教皇とは違い、霊的な世界よりも現実の社会に根ざし、現世での常識や道徳、社会性、秩序を重んじて、誠実な態度で道徳的な判断を下す存在なのです。保守的ともいえますが、善良で慈悲にあふれた姿は、まるで子どもが正しく育つように社会のルールを諭す父親のようです。
法王の目の前には、ひざまずく2人の人物がいます。法王の慈悲深さ、父性的な包容力、秩序を守る高い道徳性を頼りに、現実的な問題解決のヒントや、社会で生きるための助言を求めているのでしょう。法王はそんな彼らにより良く生きていくために協調性や調和を大切にしたルールを伝え、アドバイスします。一方で、ときには、決まった形式や枠に縛られすぎて融通がきかず、身動きがとれなくなることも。あなたが現実的に社会の中で学びたいことは何でしょうか?
【法王】絵柄の意味
タロットカードの絵の中には、さまざまな象徴が描かれています。
一見何気なく描かれているような動物や植物、場所や服の模様など、実はその一つひとつに意味があるのです。
そしてその中には、タロットカードをパッと見た印象とは異なる、意外な意味合いが込められていることも。
象徴を知ると、キーワードから受け取る意味とは違った視点から、カードを読み解くことができるでしょう。
それでは、【法王】の絵柄に込められた象徴をご紹介していきます♪
タロットカードの絵柄・象徴 | 意味・解説 |
---|---|
数字の5(Ⅴ)の意味 | 数字の「5」はあらゆることを変化させ、エネルギッシュに発展させていく意味が含まれています。女性性を表す「2」と男性性を表す「3」が統合され、誕生する人間そのものを表すとも考えられています。 |
2本の柱 | 白いユリが彫刻されており、教会であることを表しています。女教皇の背後にある柱とは異なり、広く公に対して教えが説かれる場所であることを示し、柱の奥は聖域を表します。 |
2つの鍵 | 「太陽と超意識」を表す金の鍵と「月と潜在意識」を表す銀の鍵で、天国の扉を開くための鍵と解釈できます。 |
三重の十字の杖 | 法王のみが使うことができる十字架です。法王が権威を持ち、精神的な支配をする存在のシンボルであることを表します。 |
三重の冠 | 三位一体「父と子と聖霊」を象徴しています。この冠を被っていることが精神的に最も高位の存在であることを示しています。 |
気になる人はコチラを参考にしてね。
【法王】他のカードとの関係性
前後のカードの関係性を知ることで、カードの意味をストーリーのように捉えることができるため、リーディングの際にカードからのメッセージを読み解きやすくなります。
ウェイト版タロットは、私たちの魂の成長物語を表していると言われています。
大アルカナはその物語の章立てにあたるカード。
【愚者】から始まる22枚の大アルカナには、それぞれどんな物語が込められているのでしょうか。
ここではその物語の一部を味わいながら、他のカードとの関係性を見ていきましょう。
5番【法王】は父性的な包容力や寛大さ、慈悲深さでもって、社会性や道徳性を説く人物。秩序やルールを守り、教えを重んじた常識的で現実的な視点から助言をする立場に置かれています。
そんな【法王】の前のカードは4番【皇帝】。
皇帝は情熱を持ち、強いリーダーシップで目的や野望を達成しようとします。法王ではその目的のために、皇帝以上に広く、社会や現実世界を見渡し、霊的世界のことわりも踏まえつつ、常識的なルールに則って皆を指導し、穏やかで協調的、平和的な解決策を探っていきます。皇帝の「野心あふれる男性性」に対し、法王は「慈愛に満ちた父性」を象徴するカードといえます。
さらに、【法王】に続くカードは6番【恋人達】。
【恋人達】の象徴する「調和の取れた選択」に向けて、皇帝から恋人達の間をつなぐ役割を果たしているのです。
0番【愚者】から始まる大アルカナは、段階を経て21枚のカードを辿りながら最後の21番【世界】のカードへと到達します。
【世界】のカードは最高地点のゴールへ達したことを意味しています。
こうして大アルカナ22枚のひとつのサイクルが終わり、また新たなステージが始まることを表しているのです。
タロット占い【5:法王】リーディング上達のコツ
【法王】ブレインマップで解釈を広げよう
タロットカードの意味や解釈をなかなか覚えられない!と感じている方は多いかもしれません。そんなときに役に立つのがこのブレインマップです。
ブレインマップは、キーワードや解釈を広げていく「言葉の地図」のようなもの。そのカードの持つイメージをあなた自身の言葉で広げながら、カードが持つイメージを膨らませていくことができます。
例えば法王のカードの「保守的」というキーワードから、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか?「無難」「安全性」というキーワードが浮かんだら、そのキーワードを書き留めていきましょう。このようにキーワードを広げていくことであなたの感覚にしっくりくるカードの意味を探しやすくなります。
ブレインマップに書かれたキーワードはほんの一部。このブレインマップを参考に、カードからあなただけのブレインマップを作ることもできますよ。
カードのイメージをオリジナルで広げて、タロットの世界をもっと楽しみたい方はぜひ使ってみてね♪
リーディングのコツや、占い結果の受け止め方について紹介しているよ♪
タロットカード【5:法王】の意味|タロットパレット解釈例
法王(THE HIEROPHANT)を象徴するキーワード:ルール
正位置の場合は、規律やルールを守るエネルギーがストレートに現れるので、秩序を保ち、穏やかで平和的な調和を目指した問題解決のヒントを得られるでしょう。形式を重んじて決まりごとを守り、現実的で常識的な発想と高いモラルを持って、物事の判断を下せそうです。他の人に対しても、寛大な心と慈悲深い包容力を発揮できそうですよ。逆位置の場合は、規律やルールを守るエネルギーが過剰になったり不足したりして、あなたの本来持っている才能がうまく発揮できないかもしれません。逆位置が出ても、基本のキーワードは同じなので心配しなくても大丈夫です。あなた自身の現状を知って、捉え方を少し変えるだけで望む未来へと歩んでいくことができますよ。
それでは、それぞれの意味を解説していきましょう♪
大アルカナ【法王】正位置の意味・解釈
正位置のキーワード
社会性・道徳性・秩序・保守的・誠実・法の遵守・尊敬・寛大・優しさ・平等・規律・広い視野・ルール・助言・常識・信頼・包容力・解決・穏やか・父性・形式・枠組み・調和
【法王】のカードの正位置は、高い社会性や道徳性、秩序やルールを守る保守性を意味しています。協調や調和を目指した、善良で誠実なふるまいと包容力ある態度で、周囲からの尊敬を集め、信頼されることを表しています。精神論に偏ったり、狭い視野で判断することなく、現実的で地に足をつけた考え方ができそうです。物事の枠組みや形式を重視し、平等で広い視野から助言を授けてくれる存在として、一目置かれるでしょう。もしくは、あなた自身が困難な壁にぶつかっていたり問題を抱えていたりする場合、そのような寛大で慈悲深く、信頼に足る存在の人物によって助けられる可能性があることも示します。いずれにしても、穏やかで平和的に問題を解決できそうですよ。
大アルカナ【法王】逆位置の意味・解釈
逆位置のキーワード
無慈悲・融通がきかない・束縛・押し付けがましい・不道徳・不信感・虚栄・頑固・不安定・閉塞感・狭い視野・建前・きれいごと・先入観・思いこみ
【法王】のカードが逆位置で出ると、秩序やルールを守る保守性が、無慈悲や融通のきかなさ、束縛、押し付けがましさなどとして受け取られるかもしれません。規律やルールに固執して、相手の気持ちや状況が見えなくなったりする可能性がありそうです。形式や決まりごとを重んじることは大切ですが、こだわりすぎてしまうと大切なことが見えなくなってしまいます。さらに、ルールから外れて不道徳的な行動をして不信感を持たれたり、虚栄心や頑固さが前面に出てしまい、不安定な心持ちで塞ぎ込んでしまったりする可能性も。狭い視野になっていないか、建前だけのきれいごとを並べていないか、など振り返ってみると良いでしょう。思いこみに気がつけたら、本来の誠実さや広い視野が取り戻せるでしょう。
続いて、恋愛・仕事・金運・人間関係のケース別解釈をご紹介していきます。
タロットカード【5:法王】恋愛・仕事・悩み別解釈例
大アルカナ【法王】恋愛|正位置の解釈
正位置の解釈
穏やかな恋愛/誠実な相手/包容力のある相手/尊敬できる相手/積極的なアプローチ/第三者の紹介/良縁/お見合い/信頼関係/結婚/周囲からの祝福
【法王】のカードの正位置は穏やかで落ち着いた恋愛を意味します。
片思いの人は、相手と穏やかな関係を築けそうです。相手は誠実で、精神的に安定していて包容力があり、あなたも尊敬できる人でしょう。相手もあなたに好感を持っているようです。ただ、好感が具体的に「恋愛における好意」に変わるためには、あなたからの積極的なアプローチが必要そうです。また、正位置では、誰か第三者の紹介などで良い縁を結ぶ予感も示します。お見合い話などその場では乗り気でなくとも、誠実な対応が鍵です。復縁を願う人は、相手はあなたに安心感を持っていますが、もう一歩関係を進めるには、あなたの働きかけが必要かもしれません。一緒に食事に出かけるなど、相手と過ごす時間を増やして、もう一度相手の気持ちが戻るよう、動いてみましょう。
両思いの人は、お互い精神的に充足しあえる関係性を築けています。相手はあなたに信頼を寄せているので、先を見据えて結婚も視野に入れているようです。お互いに思いやることができ、尊敬し合っているため、今後も穏やかで落ち着いた関係を続けていけるでしょう。ただ、もしかしたらとても安定しているために、ドキドキするような刺激は少ないかもしれません。でも責任を持った社会的な関係性として、周囲からも祝福される2人です。お互いに長く、もっと心地良く一緒に過ごしていくために、2人で大切にしたいルールなどを決めるのもおすすめです。
大アルカナ【法王】恋愛|逆位置の解釈
逆位置の解釈
束縛/信用を失う/恋愛観の相違/不道徳な恋愛/禁断の恋/不倫/望まない関係/理想の押し付け/ルールで縛る/過干渉/利己的
【法王】のカードの逆位置は、束縛感のある恋愛や不道徳な恋愛を意味します。
片思いの人は、相手は今、精神的に恋愛をするような余裕がないかもしれません。相手にうまくあなたの気持ちが伝わらず、なかなか関係が進展しにくい状況といえそうです。相手を好きな気持ちが本物だとしても、ときに積極的すぎるアプローチは、相手に束縛を感じさせたり、相手の信用を失ったりする可能性が。今は自分の恋愛観を見つめ直し、相手をそっと見守るときかもしれません。信頼関係を築くことから始めましょう。また法王の逆位置では「不道徳」や「禁断の恋」なども象徴します。不倫など、あなたが望まない関係に陥らないように気をつけてくださいね。年長者や信頼できる友達などから良い助言をもらえる可能性があるので、1人で思い悩まず、相談してみるのも手です。
両思いの人は、相手に対して自分の恋愛観や理想を押しつけたり、2人の間で取り決めたルールなどで相手を縛ったりして、相手に窮屈な思いをさせていないか振り返ってみましょう。大切なのは心の安らぎです。今は結婚などは焦らず、相手の気持ちや恋愛観も大切にしながら、過干渉に注意し、思いやりと慈しみを持つことで、相手とちょうど良いバランスを保てそうですよ。また、相手との安定した関係性にときめきや刺激を感じず、利己的で不道徳な気持ちが芽生えてしまいそうなときは、信頼を失うような行動に出る前に、周囲に心を開いてみましょう。頼れる人の登場も暗示するカードのため、信頼できるアドバイスによって、悩みが解消されたり、自分を取り戻したりできそうです。
大アルカナ【法王】仕事|正位置の解釈
正位置の解釈
知識や技術を学ぶ/誠実に仕事をする/良い結果/真面目な態度/上司や師匠、先輩など目上の人/理解者、支援者/信頼関係
【法王】のカードが正位置で出た場合、組織や社会の一員として、積極的に知識や技術を学び、身につけるときのようです。今は誠実にコツコツと仕事をこなしていくことで、すぐにではありませんが、良い結果が得られるかもしれません。行き詰まったり悩んだりするときは、周囲を冷静に見渡してみましょう。過去の経験から問題解決のヒントを見つけ出せたり、真面目な態度で高評価を受けて先輩や目上の人から良い助言をもらえたりするなど、ピンチをチャンスに変えていけそうです。特に上司や師匠、先輩などに良い縁があり、理解者や支援者になってくれる可能性が。協調性や信頼関係を大切にしながら、モラルや伝統を守り、規則に則って丁寧に仕事を進めていきましょう。初心を忘れないことも大切です。
大アルカナ【法王】仕事|逆位置の解釈
逆位置の解釈
上司や先輩に苦労する/モラルハラスメント/裏切りにあう/周囲を過信する/人の口車に乗る/独りよがり/柔軟性に欠ける/地位や利益にこだわりすぎる/視野が狭い
【法王】のカードが逆位置で出た場合、たびたび仕事の方針が変わる上司や、頑固な先輩など、目上の立場の人の行動に振り回され、苦労させられる可能性があります。特に、モラルに反した行動に巻き込まれたり(モラルハラスメント)、裏切られたりしてしまうことも。周囲を過信したり、人の口車に乗せられたりするなどして、思わぬことで足元をすくわれないよう、気を引き締めましょう。またあなた自身も周囲に対して独りよがりになって頭ごなしに何かを決めつけたり、柔軟性に欠ける対応をとって煙たがられたりしないよう、誠実な態度を心がけましょう。地位や利益にこだわりすぎるとうまくいかないこともあるため、スムーズに物事が運ばない時は、視野が狭くなっていないか、振り返ってみるのがおすすめです。
大アルカナ【法王】金運|正位置の解釈
正位置の解釈
専門家の助言/順調な投資や資産運用/援助者の登場/人脈や信頼関係で金運アップ
【法王】のカードの正位置は、お金に関して、優れた助言をくれる専門家やアドバイザーが登場する予感です。良い助言のもとで、貯金や株などの投資、資産運用が順調に進むかもしれません。今、経済的に厳しい局面にある場合も、援助してくれる人が表れる、仕事で収入が上がるなど、うまく乗り切れる可能性があります。また、さまざまな人と良い関係性を築くためにお金を使うのがおすすめの時期です。異業種交流会やセミナーなどに参加したことで、収入アップにつながる人脈ができたり、資金の援助をしてくれる人に出会ったり。投資した以上の効果が出そうです。
大アルカナ【法王】金運|逆位置の解釈
逆位置の解釈
保守的/ケチになる/期待できない入金/物欲/虚栄心で散財/贅沢
【法王】のカードが逆位置で出ると、今はお金の管理に対しても保守的なため、支出に大きな影響はなさそうですが、その分、大きな収穫もなさそうです。給料や報酬なども、予想しているよりは得られない予感。頼りにしていた入金なども見込めません。それでも、大切な恋人や友人との付き合いなど、細かい出費をためらってケチになりすぎてしまうのは避けたいものです。基本的に保守的ではあるものの、ときに物欲や虚栄心、甘い考えが頭をもたげ、散財したり、贅沢したりする可能性も。今は我慢のときと割り切って、運気が回復してきたときのために、お金に関して知識をつけてみるのもおすすめです。
大アルカナ【法王】人間関係|正位置の解釈
正位置の解釈
常識的で善良/誠実なイメージ/寛大で慈悲深い/優しい気遣い/思いやりのある対応/尊敬される存在/穏やかで良い人間関係/心を開く/相手を信頼し立てる
【法王】のカードが正位置で出た場合、あなたは周囲から、常識があり、善良で誠実なイメージを持たれているようです。あなたの寛大で慈悲深く、優しい気遣いや思いやりのある対応ができるところが尊敬を集め、頼れる存在として認識されています。協調性を持って広い視野で物事を判断し、問題を解決するあなたは、信頼され、さまざまな人と穏やかで温かい関係性を築けるでしょう。また、良い助言をくれる理解者や指導者、相談相手の登場も示唆しているので、もし悩みがある場合は、信頼できる人を見極めて、相談に乗ってもらいましょう。師匠と弟子、先生と生徒のように、お互いに教え合えるような関係を通して、人とのつながりの大切さを学べそうです。いずれにしても、自分だけではなく、周囲も含めた全体の幸せや現実的な利益を考えることが吉です。
大アルカナ【法王】人間関係|逆位置の解釈
逆位置の解釈
ルール通りで融通がきかない/頑固で保守的/きれいごと/本音と建前の差が激しい/思いやりに欠ける/無慈悲/押し付けがましい/好意の押し売り/過干渉やおせっかい
【法王】のカードが逆位置で出た場合、あなたは周囲から、ルール通りで融通がきかず、頑固で保守的というイメージを持たれているかもしれません。あなたにとっては正論でも、周囲にとっては保守的すぎる、建前だけのきれいごとであると捉えられてしまうことも。結果、本音と建前の差が激しい、思いやりに欠ける、無慈悲で押し付けがましいなどと思われてしまう可能性があります。規律や規則を守り、道徳性を重んじる言動はとても模範的ですが、相手の意見や気持ち、周囲の状況などに合わせて、ときには臨機応変に立ち回ることも大切です。形式や枠組み、体裁にこだわりすぎず、広い視野を持って、自由な発想を歓迎しましょう。本来の誠実さや包容力はあなたの魅力なので、好意の押し売りになっていないか、過干渉やおせっかいになっていないか、一度立ち止まって考えてみるだけでも、さまざまな関係が改善していくでしょう。
タロットカード【5:法王】アーサー・E・ウェイトの解釈
「ウェイト版タロットカード」を生み出した、アーサー・エドワード・ウェイト氏は、詩人・大英博物館学芸員・文筆家として活躍。著書も多く残している人物です。
ウェイト氏の文章は、宗教や歴史など西洋文化に馴染みがないととても難しく、「わかりにくい」と言われています。そこでタロットパレットではウェイト氏をもっと身近に感じられるよう、読み解いていきます。
ウェイト氏が各カードに込めた意味を翻訳文で確認しながら、タロットの世界を味わっていきましょう。
あれ?よく見ると女教皇のカードの絵柄に構図が似ている?
手でピースしているの?平和ってこと?
何しているんだろう?
ウェイト氏が【法王】のカードに込めた意味
5 法王
法王は三重の王冠を被っています。2本の柱の間に座っていますが、これは女教皇が守っている神殿の柱ではありません。左手には先端に三重の十字架がある杖を持ち、右手は聖職者のサインを示しています。このサインは、教義の明白な部分と隠された部分とを区別するサインとしてよく知られています。これに関して注目すべきなのは、女教皇がサインを示していないという点です。
法王の足元には交差した鍵があり、祭服を身に着けた2人の司祭がひざまづいています。彼は通常「教皇」と呼ばれていますが、これは彼が行う一般的な儀式の中で特別なものであるということを特に示しています。
法王が、外面的には宗教の支配者である一方で、女教皇は秘められた力を持つ支配者です。
このカードの正しい意味は、ほとんどすべての人から悲惨なほど混同されています。グランド・オリエント(*)は、法王は鍵の力、通俗的な正統派の教義、そして教義につながる魂の外側であると言っていますが、別の評論家が示唆しているように、法王は隠れた教義の君主ではありません。
法王はむしろ、極限まで厳密に表現されたときの「神学上の総体(summa totius theologiæ)」です。また、法王は顕在的な面での正しいもの、神聖なものすべてを象徴しています。このように、彼は自然界とは異なる制度の世界に属する恵みの導き手であり、人類全体を救う指導者です。彼は秩序であり、認識された階層の長であり、それは別のより大きな階層の秩序を反映しているのです。しかし、法王はこの象徴的な状態の重要性を忘れ、自分の象徴が意味するもの、あるいは自分の象徴が示そうとするものすべてを、あたかも適切な手段の中に含んでいるかのように振る舞うことがあります。法王は、神学的な面を除けば、これまで考えられてきたような哲学を表すものではありません。彼はインスピレーションも表しません。また、法王は宗教の表現形態ではありますが、宗教そのものを表すわけでもありません。
(*)ウェイト氏のペンネームの1つです。
※ウェイト氏の著書である『The Pictorial Key to the Tarot』英語版原著をタロットパレットで翻訳したものです。
アーサー・エドワード・ウェイト
Arthur Edward Waite
(1857年10月2日 – 1942年5月19日)アメリカ合衆国に生まれ、イギリスで育つ。幼いころに父を亡くし、母の祖国であるイギリスに移住。17歳のとき、妹の死をきっかけとして精神世界の研究に傾倒していく。34歳で西洋魔術結社「黄金の夜明け団」に入団。1909年、ウェイト氏が52歳のときにイギリスのライダー社からタロットを発売する。
【タロットカード】意味・解釈ページ一覧
■大アルカナ
0.愚者 / 1.魔術師 / 2.女教皇 / 3.女帝 / 4.皇帝/ 5.法王 / 6.恋人達 / 7. 戦車 / 8.力 / 9.隠者 /
10.運命の輪 / 11.正義 / 12.吊された男 / 13.死神 / 14.節制 / 15.悪魔 / 16.塔 / 17.星 / 18.月 / 19.太陽 / 20.審判 / 21.世界
■小アルカナ
ワンド
A(1.エース) / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / ペイジ / ナイト / クイーン / キング
ペンタクル
A(1.エース) / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / ペイジ / ナイト / クイーン / キング
ソード
A(1.エース) / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / ペイジ / ナイト / クイーン / キング
カップ
A(1.エース) / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / ペイジ / ナイト / クイーン / キング