生きづらさを抱える人が多いと言われる現代社会。
みんながあてのない「自分探しの旅」や「幸せ探し」に奔走しています。
でも、はたしてほんとうの自分は闇雲に探して見つかるものなのでしょうか?
私たち一人ひとりが生まれた瞬間からずっと持っている「魂の自分」を「思いだす」ことが大切と語るのは、星読みテラス監修のかげした真由子(まゆちん)先生。
星読みを「魂」の視点から深掘りするというテーマで生まれた新刊『魂占い』について、インタビューで語っていただきました。
今回は、誕生のきっかけや「魂」に注目した理由を語っていただくインタビュー前編です。
かげした真由子(かげした・まゆこ)
太陽双子座、月乙女座。愛称「まゆちん」。サウンドクリエイター、ベンチャー企業の立ち上げ、保険営業マンの秘書などを経てタロット占い師に。2008年より占い師・心理セラピストとして独立。現在までの鑑定数はのべ1万4千件。2018年からは星よみ協会の無料講座制作にたずさわる。一人ひとりが安心して自分らしく生きるための占い活用を日々研究しつつ、占い師の先生として後進の育成に取り組む。著書『命日占い』『命日占い〈未来編〉』(サンマーク出版)は累計10万部のベストセラー。
かげした真由子著『魂占い』(サンマーク出版)が2022/3/21(月)に発売されます!
新刊『魂占い』誕生のきっかけとは?魂の使命を届ける理由
――『魂占い』誕生のきっかけは何だったのでしょうか?
私は2020年に『命日占い』という本を出しているんですが、『魂占い』の構想は既に『命日占い』を書いている時点で頭の中にありました。
『命日占い』とは、生きている人が誰かの死を受け止める下準備について書いたものです。
名前こそ「占い」と名付けられていますが、強いていうと、死を受け止めるための心理セラピーに近いものでした。
残された人の傷を埋め、命には意味があるということを、亡くなられた方から学ぶという内容です。
『命日占い』が「死」について考えるための占いだったので、次は何かしら「生きる」ための占いを書かなければいけないな、という感覚がおぼろげにあったんです
――なるほど。今作の『魂占い』が誕生する背景には、前作の『命日占い』があったということですね。
はい。前作『命日占い』は、ありがたいことに10万部を超える大反響となり、ご好評を頂きました。
『命日占い』の本を手に取られた読者さんから書籍の感想もたくさん頂きました。
「身近な人が亡くなってしまい生きる気力をなくしていたが、死を生きた証として受け入れることができた」「もっと何かしてあげれば良かったという後悔があったが、罪悪感を癒すことができた」という方が大勢いらっしゃったんです。
『命日占い』の本を通じて、亡くなった方の死を受け入れ、自分自身を癒すことができたという反応を頂いたときは「本当に本を出して良かった」と思いましたね。
ただ、「ここで歩みを止めてはいけないな」とも改めて思いました。
――「歩みを止めてはいけない」とはどういうことでしょうか?
心理学では、自分の親しい人がなくなったとき、自己のアイデンティティが損なわれると考えるんです。
そのため、身近な人の死は自分の中にとても大きなダメージとして残り、喪失感を覚えるということに繋がります。
残念ながら失われたアイデンティティは、失われる前とまったく同じままの状態には戻せません。
ただし、その人の死を受け入れ、両者の絆を取り戻すことで、再び自己のアイデンティティを違った形で取り戻すことは出来るんです。
やっぱり、生前自分に影響を与えた身近な人の死は、自分の一部を失う体験にもなりますから、そのままでは、自身の未来に想いを馳せるのは難しいことです。
人の死を受け入れて、自分の傷をちゃんとケアしたあとでようやく、「さて、これからどう生きる?」という前向きな問いに向き合うことができるんだと思います。
私は常々この問いかけに対して、自分なりのアンサーを出したいと考えていました。
そして、その答えが『魂占い』です。
私の中では、他者の「死」を受け入れるための本が『命日占い』で、自分の人生を「生きる」ための本が『魂占い』であると位置づけています。
そういった意味では、前作の『命日占い』がなければ今作の『魂占い』は誕生しなかったと思いますね。
――それでは『命日占い』を読んでから『魂占い』を読んだ方が良いのでしょうか?
いえ、『魂占い』は、前作の『命日占い』とはまったく異なる占いです。
『魂占い』は、自分の生き方に向きあいたいと考える全ての人に、前に向かって歩き出してもらうための占いです。
ですので、『命日占い』を読んでいなくても大丈夫ですよ、ということはちゃんとお伝えしたいと思っています。
『魂占い』は、『命日占い』をご存じない方でもそのまま読み進めていただける本です。
ただ、もちろん『命日占い』を読んだ人には、『魂占い』がさらにより良い人生を送るためのものとして使ってもらえたら良いなと願っています。
そして、『魂占い』を生きる未来を切り拓く指針にしていただきながら、『命日占い』をお守りのように置いていただけると嬉しく思います。
『魂占い』とは?占星術を「魂」の視点から読み解く本について
――それでは具体的に『魂占い』について教えてください。
『魂占い』とは、太陽星座をベースに私、かげした真由子の世界観で新たに解釈した占いです。
太陽星座で一般的によく知られているのは性格占いだと思います。
例えば、乙女座は几帳面、獅子座はアピール上手みたいなイメージがありますよね。
しかし、生命力そのものを象徴する太陽星座の原点に立ち返ってよくよく考えたときに、太陽星座って実はもっと奥深いものなんだということに気付いたんですね。
「どう生きるのか」という問いに対して、太陽星座をもとに「魂の使命」という視点からわかりやすく語るチャレンジをしたのが『魂占い』です。
『魂占い』では、「何のために生きるのか?」「何のために成長するのか?」といった問いかけにまつわる哲学者のあり方や心理学なども参考にしています。
そうした意味では、占星術以外の要素も含まれている占いと言えるかもしれません。
――色々と気になるキーワードが出てきましたね。そもそもなぜ『魂占い』ではなぜ「魂」に着目されたのですか?「太陽星座」についても気になります。
まずは、太陽星座は私がお伝えしたい「生きる」ことを象徴していることはもちろんのこと、実はもともと「魂」の進化のストーリーを表しているんですね。
占星術では「魂の欲求」という考え方があって、例えば、アセンダント(Asc)は「魂」が肉体をまとって生まれてきた、と表現されることもあります。
魂の進化のストーリーをざっくり説明すると、12星座の始まりである牡羊座で生まれた魂は、12星座を巡っていき、やがて12星座の終わりである魚座まで行き着きます。
魂は生まれたあとに旅をして、もと来た場所へ戻っていくという流れで説明されているわけです。
この一連の流れは人間の成長、そして魂の進化を表す考え方です。
太陽星座ははじめから「魂の使命」、つまり「どう生きるのか」といった方向性を示してくれています。
でも、太陽星座が誰にでもわかりやすい性格占いとして広まってしまっているのは、「魂」の視点が見過ごされているからではないかと。
そこで、改めて占星術を「魂」の視点から読み解いて、「どう生きるか」を語ろうとしたのが今回「魂」に注目した理由です。
――『魂占い』では、太陽星座と同じように誕生日から占うそうですね。本書にある『誕生日は「始まり」であると同時に「終わり」』という表現にドキッとしました。
はい。『魂占い』では、一般的な太陽星座と同様に誕生日を占いのベースにしています。
前述した『命日占い』では、命日を「第二の誕生日」と読んでいます。
実は誕生日も命日のどっちも「生と死が交わる魂の交差点」なんですね。
ただ人間は誰しもが生と死の両方を通過していくのに、誕生日はやたらポジティブに、命日はやたらネガティブに扱われ過ぎているという気がしていて。
だから私の本では命日を少しポジティブに、誕生日を少しネガティブに表現してバランスを取りました。笑
誕生日は、この世にたった一人で生まれ落ちた「孤独で残念な日」。
死はみんなに平等に訪れるものだから、あの世に戻るのが私たちの最終的な目的です。
ゼロからのスタートなんだから、「死」に向かって「生きる」ことで人生をどんどん豊かで楽しいものにしていけるなんてとらえても良いんじゃいかと。
「自分にとって意味のある命日=第二の誕生日のためにどう生きるのか」という視点を持って本書を書きました。
――「魂」の目線では、誕生日も命日も同じくらい大切な日ということですね。
その通りです。
話は少し変わるのですが、占星術は太陽の動きをベースにしていますよね。
そこで、「太陽が昇って沈むのに意味はあるのか?」という問いが生まれます。
ドライな言い方をすると、太陽の昇る沈むのに意味はありません。ただの現象なんです。
しかし、意味のないことから意味を見出すのが占いであり占星術。
占いは意味を見出す世界なんです。
人生もそう。
「人生に意味があるのか?」という問いかけに対して、答えを見つけられずに生きづらさを抱えている人がいますごく多いと思うんです。
生きる意味を見つけられないから、余計に辛さを抱えてしまうことになる。
「人は意味を見つけずには生きていけない」という言葉があります。
私たちの人生には意味付けをすることが絶対に必要なんです。
でも、自分で人生の意味を見つけるのはなかなか難しい。
そこで、私は占い師としての立場から「人生の意味を見つける=魂の使命を知る」ことの橋渡しができると思ったんです。
『魂占い』では、読者さんが「魂の使命」を通じて生きる意味を見つけられるように想いを込めて書きました。
――貴重なお話をありがとうございました。次回は『魂占い』の本についてもう少し詳しくお話を伺います。