2020年1月11日、蟹座で満月を迎えます。しかも今回は月食も重なり非常にパワフルです。
星読みテラスを監修する西洋占星術師・かげした真由子先生が、今回の満月・月食の解説と過ごし方のポイントをお届けします。
2020/1/11の満月・月食では、エネルギッシュな感情のエネルギーをしっかりとした人生の目的に流し込み、現実化することが求められます。
そして、その人生の目的は自分の本音や本質に沿ったものである必要があり、誤魔化しや妥協は通用しません。
では、私たちは今回の満月・月食にどう向き合えばいいのでしょうか?
かげした真由子(かげした・まゆこ)
太陽双子座、月乙女座。愛称「まゆちん」。サウンドクリエイター、ベンチャー企業の立ち上げ、保険営業マンの秘書などを経てタロット占い師に。2008年より占い師・心理セラピストとして独立。現在までの鑑定数はのべ1万4千件。2018年からは星よみ協会の無料講座制作にたずさわる。一人ひとりが安心して自分らしく生きるための占い活用を日々研究しつつ、占い師の先生として後進の育成に取り組む。著書『命日占い』『命日占い〈未来編〉』(サンマーク出版)は累計10万部のベストセラー。
月食とは普段の満月よりも【特別な生まれ変わり】の時
日食・月食とは約半年に一度の【特別な新月・満月】
さて、日食や月食というと「聞いたことはあるけど、実はよくわからない」という方もいらっしゃるかもしれませんね。簡単に解説しておきましょう。
まず、天文学的に言うとこうなります。
- 日食:太陽の前に月が重なって太陽の全部または一部が隠れる現象
- 月食:月が地球の影に入って欠けたように見えたり暗くなったりする現象
日食は新月の時、月食は満月の時に起こります。
といっても新月・満月のたびに「食(日食・月食)」が起こるのではなく、おおむね半年に一度の割合です。
つまり日食は特別な新月の日、月食は特別な満月の日といえます。
新月・満月は約1ヶ月毎に訪れる「種まき」「収穫」のサイクルですが、日食・月食は半年から1年をかけて巡ってくるサイクルです。
月食とは【不要な思いを手放して新しい自分になる】時
では、今回のテーマである「月食」に注目しましょう。
月は私たちの感情をあらわします。満月は収穫のタイミングであり、何かが満ちたことをあらわすとともに、生まれ変わりの時でもあります。
これに加えて月食は、心に蓄積する不要な思いを手放して新しい自分になるタイミングと言えます。
心理的な言い方をすると、恐れや不安を手放して喜びの感情を外側にシェアしていくといいときです。
また、月は私たちの身体でもあるので、体調の変わり目という意味もあります。無理を重ねていた方は不調としてあらわれる場合も。
そういった場合は、感情と同じように、身体にとってよくない習慣などを手放していくといいでしょう。
2020年の日食・月食はいつ?
2020年の日食・月食はいつなのか、まとめてみました。
月食 | 1/11 | 4:21 | 蟹座 |
月食 | 6/6 | 4:12 | 射手座 |
日食 | 6/21 | 15:41 | 蟹座 |
月食 | 7/5 | 13:44 | 山羊座 |
月食 | 11/30 | 18:30 | 双子座 |
日食 | 12/15 | 1:16 | 射手座 |
この記事では、2020/1/11の満月・月食について解説します。
2020年1月11日の満月・月食は【影響力が大きい】
月食は1年の中でも特別な満月ですが、2020/1/11の満月・月食とはどのような節目となるのでしょうか。チャートにはこんな特徴があります。
1.蟹座で起こる
2.太陽と水星が0°で重なる(カジミ)
3.太陽が山羊座にあり木星・土星・冥王星も集合
4.太陽と月に海王星が加わり「調停」の関係性をとっている
5.火星がポツンと孤立(ノーアスペクト)
注目すべきは、月食を形成する月と太陽に、他の天体たちが加勢しているような形で重なり合ったり、隣接したりしていることです。
山羊座に集まった天体たちを見ると明らかですね。
これは、周囲の天体たちが月食の意味合いを強調しているということです。
一口に月食といっても影響力は大小さまざまですが、今回の月食は影響力が大きいと言えるでしょう。
①蟹座の月食で大きな感情の開放→【本質に沿って現実化】する時
1. 2020/1/11の満月・月食は、蟹座で起こる
今回、満月・月食を迎えるのは蟹座。月は蟹座の支配星なので、蟹座の満月はただでさえパワフルです。
月は、感情や記憶、他者と感情でつながることなどをあらわすので、蟹座の満月は私たち一人ひとりの感情がどんどん解放へ向かう時ですが、
そこに月食が重なる2020/1/11はより大きな解放が起こる可能性があります。
満月を形成している太陽は山羊座です。
山羊座は真っ当さを象徴していて、ルールを無視することはNGですし、誤魔化しが効かないサイン。
つまり、今回の満月・月食以降は自分の本質に沿った目標以外に進もうとすると無理が生じるということを意味します。
2020/1/11を機に、エネルギッシュな感情のエネルギーをしっかりとした太陽の目的に流し込んで現実に活かしていくことが求められます。
②月食の決意次第で【現実化のスピード・完成度】が決まる
2. 2020/1/11の満月・月食は、太陽と水星が0°で重なる(カジミ)
月の向かい側にあり満月・月食を形成している太陽は、水星と0°で重なっています。
厳密に言えば、太陽は山羊座の20°ジャスト、水星は山羊座の20°06′となり、その誤差はわずか6′です。
星読みでは、太陽と他の天体が0°で重なることを「カジミ」と呼びます
カジミとは「太陽の心臓」の範囲のことで、重なった天体の力を太陽が強化するという意味があります。
今回の月食は「水星が王様である太陽の恩恵の元にある」ことを物語っています。
カジミと呼べるのは、重なり方が0°の前後17′以下の時のみなので、非常に珍しい現象です。
太陽が「人生を決める意思」であるのに対し、水星は「実現部隊」。
つまり、2020/1/11の月食の決意次第で今後の現実化のスピードや完成度が決まるといっても良いでしょう。
そして、その現実化は不要な習慣や感情、過去の体験からくるこだわりを解放していくことで起こっていくのだと考えられます。
また、水星は「言語化の力」をあらわします。
蟹座の月は「心に湧き上がる思いを表現したい!共感して欲しい!」という欲求がありますが、思いや感情はただ誰かにぶつければいいというものではありません。
しっかりと言語化して伝えることで、現実化に役に立つといえます。
太陽と水星がある山羊座は、ルールや枠組みをあらわすサインです。今回の月食では、やみくもに感情的になるのではなく、
- どこに到達したいのか?
- どんな人生を歩みたいのか?
- その仕事を通してどんな世界にしたいのか?
という問いに対する答えを言葉にして、その答えに向けて感情エネルギーを使っていくことが肝心です。
感情とは、「どんなことをすれば幸せか?」「何が喜びか?」を思い出させてくれて、未来を切り開くためのガソリンのようなもの。
また、「これだけは譲れない!」といった広い意味での怒りの感情も、0から1を生み出す際には必要なきっかけとなり、私たちの現実を大きく動かしていきます。
2020/1/11の月は蟹座にあるので、特にエネルギッシュ。
感情は、自分自身でしっかり手綱を握ってコントロールすることが大事です。
抑圧するでもなく爆発させるでもなく、上手に受け止めて表現していきましょう。
③【未来への足かせ】と向き合って【人生の決意をし直す】時
3. 2020/1/11の満月・月食は、太陽が山羊座にあり木星・土星・冥王星も集合
月の向かい側にあり満月・月食を形成している太陽は、山羊座に位置しています。
さらに山羊座には、木星・土星・冥王星といった社会や時代を司る天体も集合。
中でも土星と冥王星は重っていて、そのエネルギーをより強めています。
星読みの世界では天体が重なることを「0°」「合」「コンジャンクション」と呼び、土星と冥王星のコンジャクションは「大きく変えていきたい力」と「変えたくない力」の葛藤ともいえます。
しかし私たちは、時代の進化に沿って変化していかなければならない存在です。
冥王星は大いなる変容、そして土星は物事を長期的継続が可能なスタイルに固定化していこうとする働きを持ちます。
冥王星と土星のコンジャンクションは大きな葛藤の組み合わせでもありますが、生産的に活用できれば、古い体制を打ち壊し、長期的な展望を持って新しいものを作り上げるエネルギーに変換していけるのです。
これを踏まえて2020/1/11の満月・月食を読み解くと、
これまでの人生で潜在的に蓄積してきた記憶や情報の中で「未来への足かせ」になっていることとしっかり向き合って言語化し、不必要なものは手放しつつ、今後の人生について決意をし直す時、となります。
山羊座=真っ当さなので、自分の生き方に嘘はつけないし、その場しのぎは通用しなくなっています。
だから不必要な感情や思いは手放すことが大事なのですが、手放すべきことはトラウマや傷ついた経験だけではありません。
これら以上に「過去の成功体験」が未来への足かせになっている場合も多いです。
例えば、「周囲のニーズを汲むの得意で、仕事の評価を得ていた」という人が、未来に向かって「もっと自分の才能を使っていきたい!」という野心を持ったとき、過去の成功体験が足かせになります。
なぜなら、私たちの脳は変化を嫌うという性質があるからです。
一度身についている安心なやり方を手放すことは難しいのです。しかし、本当に望む未来のためには、成功体験も手放していく必要があるのです。
これを意識しておくと、太陽に寄りそう水星は「何を手放すべきか」といった現実的な目線をサポートしてくれます。
さらに、水星は言語化を助けてくれるので、自分の未来像を言葉にしておくことで、時代や社会を作り上げる土星と冥王星の波に溺れることなく、うまく乗りこなしていけるでしょう。
おすすめは、2020年の野望をノートに書き出したり、大事にしたいことや叶えたいことを言語化したりすること。
自分が人生に何を求めるか、明確にしておくことが重要です。
④目的意識と感情の緊張状態を【イマジネーションの力】で緩和できる
4. 2020/1/11の満月・月食は、太陽と月に海王星が加わり「調停」の関係性をとっている
調停(メディエーション)とは、180°(オポジション)の角度をとる2つの天体に対し、もう一つの天体が120°(トライン)と60°(セクスタイル)の角度をとる特別なアスペクトのことで、180°の緊張状態をやわらげる力があります。
満月にはそもそも「達成」の意味がありますが、月食は満月を形成する太陽と月が180°となるため「物事が極まる」といった緊張感が生まれます。
しかし、2020/1/11の満月・月食は、太陽と月に対して海王星が海王星が調停の関係性をとります。
このため、「こうしたい!」という目的意識とそこに流れる感情をどう統合すればいいかわからない緊張状態を、イマジネーションの力で和らげていける配置となっているのです。
海王星は、あらゆる可能性を広げてくれる、インスピレーションの宝庫です。
今回の満月・月食では、イマジネーションの豊かさをもたらす海王星の要素をうまく活用していくことも大事です。
⑤【エネルギーの方向性】が定まらないと空回り・無駄遣いになる
5.2020/1/11の満月・月食は、火星がぽつんと孤立(ノーアスペクト)
2020/1/11の満月・月食では、射手座にある火星がどの天体とも関係性を取らずに孤立しています。この状態を「ノーアスペクト」と呼びます。
ノーアスペクトの火星は、過剰にエネルギッシュになる、あるいはエネルギーを抑圧するという極端なあらわれ方をします。
方向性が定まっていないと、空回りしたり無駄なところへ向かったりしがちです。
また、射手座にある火星は集中力が若干散漫になりがちなので、ここでも「人生に求めていることを明確にしておく」ことが重要だといえます。
【まとめ】2020年1月11日の満月・月食の過ごし方とワーク
最後に、2020/1/11の満月・月食の過ごし方のポイントをおさらいしましょう。
- 感情の手綱をしっかり握ってコントロールしよう
- これからの人生に求めることを言語化しよう
- 過去のネガティブな体験だけではなく、成功体験の中に未来を制限するものがないかチェックしよう
これらのポイントをさらに自分の中に落とし込みたい方は、次のワークに取り組んでみてください。
2020/1/11の朝〜寝るまでに取り組むのがベストですが、翌日以降でもOK。思い立ったときにやってみてくださいね。
2020年1月11日の満月・月食をもっと充実させるワーク
準備するものは、ノートとペンです。
次の日食・月食シーズンがやってくるのは2020年6月(6/6:月食 6/21:日食)なので、それまでの約半年間を有意義な期間にするために、次の質問の答えを言語化しておきましょう。
【質問1】
あなたがこの期間に達成したいことはなんですか?
時間的・経済的な制限がある場合は、その制限を取っ払った状態を想像して書いてみましょう。
【質問2】
質問1で答えたことを叶えるために、手放せばいいと思うものはなんですか?
(例:◯◯◯◯な人間関係、△△△△な習慣、など…)
【質問3】
質問2で答えたものを手放すために、明日からできそうな行動はなんですか?
アイデアを書いてみましょう。