春分は季節の始まりを表すとともに、1年間のスタートです。
社会はどんなムードになる? 私たち一人ひとりはどのように受けとめたらいい?
星読みテラスを監修する西洋占星術師・かげした真由子先生が、1年をより良く過ごすヒントをお届けします。
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2023年の春分は3月21日|春分から1年のムードを星読み
2023年3月21日春分を迎えます。
今回の春分のホロスコープ(春分図)について解説いたします。
春分は「太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜が同じ長さになる日」として知られています。
星読み(占星術)で春分とは、太陽が牡羊座に入った瞬間のことをいいます。
2023年の日本(東京)では、3月21日の6:24に春分を迎えます。
そしてその瞬間のホロスコープを春分図と呼びます。
星読みで春分は、1年を読み解く上でとても重要な日。
春分が訪れた瞬間のチャートは、いわば2023年が生まれた瞬間のホロスコープチャートとなります。
皆さんにもお誕生日のホロスコープチャートがあるように、”2023年さん”にもお誕生日チャートがあるわけです。
というわけで、この春分図を読めば、今年一年の社会的動向が見えてきます。
春分図、夏至図、秋分図、冬至図といった四季図は、特定の個人の資質ではなく「国の情勢、国を取り巻くムード」をあらわすチャートとなります。
今回は、日本の動向について読み解いていきます。
占星術では1年の中でいくつかその期間を占う図がありますが、整理しておきましょう。
- 春分図=春分からの1年の社会の傾向を読み解く。
- 夏至図・秋分図・冬至=その日から3カ月の社会の傾向がわかる。
- 新月図・満月図=その日から2週間の個人・社会の傾向を読み解く。
- 日食図・月食図=その日から半年の個人・社会の傾向を読み解く。
というわけでチャートを読み解いていきましょう。
春分図を読む前に
さて、今回の春分図はいつもとは様相が異なります。
というのも春分の日を迎えた2日後に起こる”冥王星が水瓶座へ移動するという大イベント”を無視して語れないからです。
さらに付け加えるならば、先立って土星が魚座に移動するというイベントを終えたばかり。
これらの動きは、今後の時代のテーマを象徴するものであるだけに春分図だけを読んだところで的を得た解釈にはならないだろうというわけです。
また、土星は課題や試練、冥王星は破壊と創造、生と死などを象徴するため、実際、いろんな資料を紐解くと今回の春分において穏やかではない解釈が成り立ちます。
正直、個人的には解釈や表現に戸惑うところもありました。
しかしそういったことを含めて春分図からのメッセージを受け取っていくことが重要だと思い、執筆を進めました。
占星術は私たちの進化の物語を教えてくれるものです。
今回の春分図からどんな気づきを得ればいいのか一緒に考えていただけると幸いです。
こちらの記事から詳しく見てみてくださいね♪
また、いつもお伝えしておりますが、私は占星術を扱う一人として「たしかに星の動きと社会の動きは符合している!」という体感はありますが、それが絶対ではないことをお伝えしておきます。
春分図は、普段目を向けない集合的無意識や、社会で起こっていることに関心を寄せてみる、気づきを得るという試みとして、お伝えさせていただければと思います。
どうしても便宜上、占星術の解釈をお伝えする時は、そのルール、世界観において私も言い切る表現をします。
けれど皆様にはそれを客観的な視点から「へえ、そういう見方もあるんだなあ」と盲信せず、且つ純粋な興味を持って聞いていただけると嬉しいです。
また、他で占星術を元に不安となる予言をする発信をご覧になったとしても、不安になる必要はないことも加えてお伝えしておきたいと思います。
実はそういう物事の捉え方は、風の時代に必須なのです。
というわけで、春分図が発するメッセージにしっかり耳を傾けていきましょう。
2023年3月21日の春分図とは?
春分から1年、日本は一体どんなムードになるのでしょうか。
※システムの仕様上、天体の記号やハウスのカスプの位置が、ズレて表示される場合があります。
まずは、春分のポイントとなる星の配置をピックアップしていきます。
【アセンダントとチャートルーラーのポイント】
※チャートルーラーとは、アセンダントの位置にある星座の「支配星」(星座に最もゆかりのある天体)のことです。
今回は、アセンダントが牡羊座にあり、牡羊座の支配星は火星。春分図のチャートルーラーは「火星」となります。
- チャートルーラーである火星は3ハウスに滞在
交通、情報に関するトラブルの可能性。 - チャートルーラーである火星が海王星(12ハウス)とスクエア(90度)
水面下での企み。サイバーテロ、攻撃の手口が巧妙。
福祉や病院に関するスキャンダル。
「水」「水質」に関するトラブル - チャートルーラーである火星が土星(11ハウス)とトライン(120度)
(土星11ハウス)内閣、議員、政党などの問題。不一致や分裂、内閣における異変。
大きな問題にならない。
【太陽と月のポイント】
- 太陽と水星がコンジャンクション(0度)(12ハウス)
国の行き先、リーダーの舵取りは不透明。
水面下でいろんなことが進んでいる。
国民にとっての救済措置(例えば生活保護、慈善事業)などを逆手に取った犯罪、偽造。 - 月(12ハウス)と天王星(1ハウス)がセクスタイル(60度)
社会的混乱、権力者へのストレス。
平穏を乱すような出来事があっても、法的な措置が間に合う。
病院や慈善団体においてのスキャンダル。 - 12ハウスに集合する天体(太陽、月を含む)
無人レジなど「無人化」が進む。人がいなくても社会が動く。
水面下で進む情報操作。 - 1ハウスの金星と天王星
豊かさに関しての価値観の変化(金融の流れの変化)。 - アセンダントとカイロンがコンジャンクション(0度)
(サビシンボルは牡羊座15度)
日本人は国民が抱えるトラウマを克服する時。
牡羊座15度は異なるものを繋ぎ合わせじっくり向き合う度数。 - アセンダントと木星がコンジャンクション(0度)
豊かさ。インバウンド市場復活。
社会に動きがあっても国民には受け入れる度量がある。
開放的ムード
読者アンケートでいただいたオススメ勉強方法をまとめています♪
春分から1年間のテーマは「変化と動きを活力にする1年」
何かと変化と動きのある1年
この1年のカラーを象徴するアセンダントの星座は活動宮の牡羊座です。
2023年は物事がどんどん変化と動きに満ちたものになりそうなことを表しています。
起こったことに対して、対応策を講じることで、物事が進んでいくような1年と言えます。
また、今回の春分図における主役の天体(=チャートルーラー)は火星です。
※チャートルーラーとは、アセンダントの位置にある星座の「支配星」(星座に最もゆかりのある天体)のことです。
今回は、アセンダントが牡羊座にあり、牡羊座の支配星は火星。春分図のチャートルーラーは「火星」となります。
火星の地表は酸化鉄に覆われていて、赤く見えます。
人々はそれを見て 「血」や「戦い」をイメージし、神話で火星は「軍神(戦いの神)」の名前を持っています。
これは、既に世界で起こっている戦いが日本においても決して無関係ではないことを物語っています。
この火星に注目して、さらに詳しく読み解いていきましょう。
火星は3ハウスに滞在し、あらゆる星たちにアクセスしています。
これは戦いのエネルギーがあらゆる場面に影響して、何かを起こすことを物語っているようです。
3ハウスは、情報、通信、鉄道といった乗り物、郵送、物流のやりとりを表します。
その火星は、12ハウスにある海王星と葛藤の角度(スクエア 90度)を取ります。
この配置から実に様々な解釈が成り立つのですが、12ハウスは「救済」に関わるエリアです。
このことから、人を助けるはずの「福祉や医療などの分野」でトラブルや不祥事が起こる可能性も否めません。
また海王星は、「大量の水、薬物」を表します。
「水」「水質」「薬物」に関するトラブルなども考えられるでしょう。
この海王星が滞在する12ハウスはサイバー空間(ネット空間)を表すとも言われ、サイバー攻撃も考えられます。
ただ水面下で知らない間に巧妙に行われている為、対応の余地が与えられないような気がします。
火星は社会の動向を読み解く上では、トラブル的要素として現れることが多くこういった解釈が並んでしまいます。
さらに追い打ちをかけるようですが、その火星は10ハウスの冥王星と150度という変わった角度を形成しています。
150度は調整を要する角度で、火星と冥王星のエネルギーが上手く調整されない結果、何が起こるかも教えてくれます。
火星は衝動的で攻撃的なエネルギー、冥王星は抗い難い根本的な変容の力です。
どこか私たちがコントロールできる範囲を超えたところで不可抗力的な何かが起こることも物語っています。
すでに世界で起こっている戦いも対岸の火事ではなく、経済的なことや外交的なことを通して等、その影響を受けるのでしょうか。
そんな時、我が国のリーダーはどう対応するのでしょうか。
国のリーダーを表す太陽を見ると、12ハウスで水星と重なっています。(コンジャンクション 0度)
12ハウスは物事を曖昧にするエリアです。
リーダーの舵取りは不透明さが目立つでしょう。
政治に関しても国民の知らない間に何かが決まっている、というようなことも否めません。
これは現在の内閣、政党内がまとまらず不一致や分裂が起きやすいことを示しています。
その土星に火星が調和の角度で関わっています。(トライン 120度)
そこまで大きな問題にならないにせよ、政治に何かを期待できない星の配置です。
もう傷つかなくていい
何かとネガティブな情報が続いてますが、もう少し私たち一人ひとりのあり方のヒントにも触れてみましょう。
今回、私が注目したのはアセンダントにピッタリ重なる小惑星カイロンです。(コンジャンクション 0度)
あまり主役としては扱われないカイロンですが、今回は主役として読むにふさわしい配置です。
カイロンは「傷ついたヒーラー」「傷と癒しの小惑星」などといわれます。
これはカイロンの神話に由来します。
神話に出てくるカイロン(ケイロン)と呼ばれる神様は、半分が馬、半分が人間の姿をしており、射手座として星になった存在です。
この神であるケイロンは、優れた医学と癒しを象徴しているんですね。
そういったことから2023年、健康に関して不安を抱えやすかったここ数年の救いになるような出来事があればいいなという解釈が一つ成り立ちます。
そしてもう一つ、私たちにとっての2023年は「癒し」がテーマであるということです。
この神話に出てくるケイロンの物語は親に見捨てられるところから始まり、立派に成長した後も教え子の毒矢に当たって傷を負い、その傷を癒せないってことにぶつかります。
彼は不死身だったため、傷の苦しみも永遠に背負ってしまうことになったのです。
そんな彼は不死身の力をプロメテウスという他の神に譲り、射手座に姿を変えたのでした。
つまりたくさん傷ついた一生を終えたのです。
しかし占星術上のカイロンが教えてくれるのは「傷は癒すことで他の力に変えられる」ということです。
私たち日本人も実は色んなことに傷ついてきた歴史があるのではないでしょうか。
戦争、災害、経済的危機など。
その傷はまだまだ癒やされていないのかもしれません。
そういえば、少し前に話題になった映画「すずめの戸締まり」は、私たち日本人が抱えてきた傷を癒す旅の物語だとおっしゃっていた方もいました。
と、私はこのチャートからそういったテーマを感じずにはいられません。
私たちは、もう何度も傷つかなくていいんじゃないかな、と思います。
これが実際に自分にとってどんな意味を持つものなのかは、それぞれみなさんが考えるヒントにしていただければ幸いです。
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私たちは受け入れる力がある
さて、2023年の顔であるアセンダントにはカイロンだけではなく、牡羊座の木星が隣接しています。
この配置は豊かさを表します。
円安で訪日客が増加し、インバウンド市場が復活していくことを物語っているのではないでしょうか。
2022年も少しづつ復活してましたが、世間のニュースの中では2019年並みに復活するという説もあります。
社会の動きは何かとバタバタするようですが、そういった変化をしっかり自分達の手で受け止め、なんとか対応しようとする器が、私たち国民にはあるようです。
国民の心情である月は天王星と生産的な角度をとっています。(セクスタイル 60度)
社会的な損害があったとしても、何かしら法的な措置が間に合うことも助けになるでしょう。
ただ水面下の動きを象徴する12ハウスに多くの星が入っているので
水面下ではまだ社会の動きとしては余談を許す状態ではなさそうです。
こちらから簡単に読む方法をお伝えしています♪
実体が見えない世の中に
12ハウスに集合する天体は、私たちが知らない水面下で国に関する重要なことが動いているという解釈があるということでしたが、もう一つあります。
それはあらゆる「無人化が進む傾向」を表しているということです。
最近ではコンビニや店舗など無人レジが増えましたが、そういったスタイルの店や施設が増えていく流れです。
12ハウスは「実体がないエリア」です。
そのエリアに太陽、月、水星と個人を象徴する星が入っているだけではなく、広がりを強める海王星も滞在していることからそう考えられます。
またこの配置はメタバースという分野のことも表しているでしょう。
そういった風潮の中で、お金のやりとりも実体を伴わないスタイルがさらに加速するでしょう。
それに伴って私たちの豊かさに関する価値観も変化していきます。
豊かさを表す金星と、変化を表す天王星が、1ハウスに入っているためです。
たくさん所有することだけでは安心は得られず、お金を育てたり、豊かさを循環させるようなことに価値が置かれるようになるかもしれません。
星読みの世界は、実はもっと面白いんですよ。
気になるトピックスについて
最後のまとめをする前にどうしても避けては通れない具体的な時事問題について触れておきましょう。
やはり気になるのは、
- 台湾有事への不安
- ロシア、ウクライナ問題
ですね。
これらのことを語る時、今回の春分の2日後の3月23日に訪れる、冥王星の水瓶座入りを無視して語ることはできません。
冥王星は10〜20年に一度、星座を移動していきます。
そしてこれまでの歴史を振り返ってみると、移動するタイミングで大きな出来事が起こっています。
とはいえ、すべて当てはまるわけではありませんが、そういった分析ができるということをお伝えしておきましょう。
前回冥王星が山羊座に入った2008年、リーマンショックが起こり、
その前1995年、射手座に入った時は、インターネットが普及するきっかけとなるウインドウズ95が発売となりました。
多くの人が気になる「戦争」に関することで言うと、
冥王星が1912-1914にかけて蟹座入りした時は、第一次世界大戦(1914~18年)が
冥王星が1938-1939にかけて獅子座入りした時は、第二次世界大戦(1939~45年)が起こりました。
これらのことを、今回のチャートルーラーの火星の様相も踏まえて考えると、決して海の向こうで起こっていることは対岸の火事ではないのかもしれないと読み取れます。
私たちの国がこれらの戦いに影響を受けることも十分にあり得ると解釈できます。
ただし私たちは歴史や傷を経験し進化しているはず。
世の中の動きや変化を、受け入れ対応できる器もあります。
私たち一人一人が幸せになることを諦めなければ、世の中の色んな変化や動きも活力に変えていけるでしょう。
最後に、これらの春分図の特徴から見られる春分からの1年間の過ごし方のヒントをまとめてきましょう。
【まとめ】春分から1年の過ごし方
2023年の春分図から読み解ける1年の過ごし方のヒントをまとめておきましょう。
- 何かと動きのある1年。外側に起こることに振り回されずに対応できる器があることを思い出そう。
- 日本に暮らす私たちが共通して持っている「傷」が何か考えてみよう。
「これ以上傷つく必要はないんだ。」という意識でいよう。 - 個人情報やネット(特にお金関係)の扱いは丁寧に。
以上です。
素敵な春分になりますよう、お祈りしています。
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